コタサスクリスマスクリスマスの夜、互いに社会人の小太郎と佐助は昼間普通に仕事していたが定時で帰ってきて、互いにスーパーに寄ってチキンやピザといったご馳走を買ってきて現在二人で酒盛りをしていた。
「おつかれ〜!」
佐助がグラスを突き出してきたことで小太郎もグラスを突き出し乾杯して一気に酒を煽った。ちなみに既に空になったビール瓶一本が床に置かれているがまだどちらも完全には酔っていない。
そもそも二人とも酒に強く今まで顔を赤くなっているのは見た事はあっても、それ以上酔っている姿を見た事がなく、スーパーでご馳走を買っていた小太郎はふと佐助が酔った姿を見たいと思い、スマホで強い酒を検索して見つけてきた酒をここぞとばかりに机に置いた。
「ん?これ酒か?」
「あぁ、スピリタスという酒だが」
「聞いたことある。確か世界一アルコール度数高いんじゃなかったか?」
「そうだ。偶然売っていたから買ってみたが…飲むか?」
「飲む飲む〜!」
「飲み方は…そのままではなく果実と混ぜるとあるが、流石に無いか。…ん?ショットガンというのなら出来るな」
「名前かっこいいな。どうするんだ?」
「炭酸水とスピリタスを半分ずつ注いで、テーブルに一度叩きつけてから飲むそうだ」
「スゲー!やってみようぜ!」
小太郎がスピリタスと炭酸水を混ぜ、飲み口を手で押さえながらドン!と勢いよくテーブルに叩きつけると衝撃で一気に泡立った。
「泡が消えない内に一気に飲むそうだ」
「分かった」
そう言うと佐助はグラスの酒を一気に飲み、グラスから口を離した時点で佐助の目がトロンとしていて心做しか身体がユラユラと揺れていた。
「大丈夫か?」
「ひっさびさに酔っちまったかも。あっちー!」
すると佐助は室内で暖房を入れているとはいえ、そこまで暑くない部屋にいるのに突然脱ぎだした。と言ってもパーカーを脱いだだけで、中に着ていたタンクトップはそのまま着ているしズボンは下ろしていないが、実はまだ二人は付き合っておらず絶賛佐助に片思い中の小太郎には刺激が強い格好だった。
「さ、佐助…!服を着ろ!」
「え〜?服着てるだろ〜?」
「お前が着てたパーカーを着ろ!」
「ヤーダー」
完全に酔ったようで脈絡無く小太郎の胸元に頭を寄せてグリグリしだして、小太郎の身体が硬直した。
硬直した小太郎を気にすることなく佐助は顔を上げて何かを探す仕草をし、見つけるとハイハイして近寄った。
「エヘヘ〜何入ってんだろ?」
佐助が探したのは自分へのプレゼントで、包装紙に包まれた箱を目ざとく見つけるとビリビリと破りだした。やがて全ての包装紙を破り箱を開けると、中には佐助が欲しがっていた某ブランド品の財布が出てきて満面の笑みを浮かべると小太郎に抱きついた。
「うわぁい!俺様欲しかった財布じゃん!ありがと〜」
そう言って頬擦りされると『これは両思いと思って良いのだろうか』と本気で思い、押し倒そうと思ったがあっさり佐助は離れてしまい不満そうに見ていると包装紙に飾られていたリボンを引っ張った。
「ん〜難しい〜」
元のリボンが小さいのと酔っ払って手元があまり見えていないのもあってだいぶ時間がかかったが、不格好ながら佐助の首に可愛らしい真っ赤なリボンが飾られた。
「なぁなぁ風魔。俺様アンタにプレゼント持ってきてるのだけどさ…どっちが欲しい?」
佐助は小太郎の膝に乗り彼の首に腕を巻き付け妖艶な笑みを浮かべた。佐助の笑みを見た瞬間、理性という鎖が音を立てて崩れ去り小太郎は黙って佐助を押し倒した。
次の日、朝日を浴びた佐助は一瞬寝坊したと思ったが今日は休みだったのを思い出しホッとしたが腰に痛みが走りベッドに逆戻りした。
「痛ってぇ…!なんなんだ?…って、え?」
寒いなと思って身体を見ると裸で全身に噛み跡やキスマークで彩られ、更に隣に同じく裸だろう上半身は何も身につけていない小太郎が寝ていた。
「ちょ…待って…確か…スピリタスの飲み方聞いてそれから一気飲みして…」
そこからの記憶が無い佐助はやらかしたと青ざめる中、寒さで目を開けた小太郎が上半身を起こしている佐助を見て腕を引っ張った。
「おはよう」
「…オハヨウゴザイマス」
「昨日は良かったな」
「…ハイ。ヨカッタデスネ」
「これで俺達も恋人同士…これからよろしく」
「…ハイ。ヨロシクオネガイシマス」
小太郎のセリフに片言でしか返せなかった佐助は『一体昨日何やらかしたんだ!?』と戦慄した。