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    lilyooc

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    lilyooc

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    またもやシワさんのイラストからなぜか妄想がたぎってかいてしまった。モブ視点。
    保健医・宜野座を見つめる女子生徒。
    パラレルなのか、潜入捜査なのかあいまい。
    シワさんのイラストは狡噛が割烹着を着てるんですが、そこから学校展開が…
    狡噛⇒食堂のおばちゃん(!)、宜野座⇒保健医、須郷⇒校務員という設定がでてきました。
    https://www.pixiv.net/artworks/101795495

    君よ知るやかの保健医目が覚めた瞬間、自分がどこにいるのかすぐにわからなかった。
    よほど深い睡眠からの浮上だったのだえろう。それを裏付けるように気分がとてもすっきりしている。

    このところ、少しの体調不良でも迷いなく保健室をつかっているせいか、回復も早くなっているように感じる。
    清潔な白いシーツとカバーに包まれて、このまままどろみの時間を続行したいと思う。
    本来なら、すぐに授業に戻った方が良いとはわかっている。今ならまだ四限に間に合う時間だろう。
    しかし私はそうしない、したくなかった。
    それは、保健室にいたい理由ができたからだ。

    以前はこれくらいの不調なら、できるだけ授業を受けようとがんばっていたものだが、最近はどうもいけない。自分の愉しみに貪欲になっている。

    私はもともと体が丈夫でなく、入学当初から保健室を当たり前のように利用していた。いかにも体が弱そうに見えるためか、保健室の常連であることを担任、クラスメイトからとがめられることはなかった。
    それでも多少の遠慮は持ち合わせていたし、勉強も遅れることになるのでできるだけ頻度を減らそうとはしていたのだ。
    ところが、新しい保健室の担当教諭が現れてから、そんな決意はあっさり消え去った。


    2週間前のこと。体育の授業の後、珍しくもなく気分が悪くなり、すすめられるままに保健室へ行ったのだが、そこには昨日までいた初老の女性保健医ではなく、若い男性の保健医がいたのだ。

    その保健医は綺麗だった。
    男性を綺麗だと思ったのは初めてだった。その人はこれまで出会った誰よりも美しい顔を持つスマートな長身の人物だった。
    無造作にまとめた黒髪は艶々しているし、やや切れ長の瞳は虹彩が深い緑にみえた。小さな顔に通った鼻すじ。理知的な口許と顎のライン。
    眼の前にいる人間だが、あまりにも非現実的な存在に見えた。

    どうしてこんな人がこんな僻地の学校にいるのだろう。
    私は突然現れた美しい男にかなり動揺しつつも平静を装い、具合が悪い事を伝えた。自分の事ではないかのような小さな声に驚いた。

    保健医は、看護ドローンに私の体調をスキャンするように指示をしつつ、私の様子をうかがう。
    「熱はないようだが顔色がよくないな。」
    その男は声まで美形だった。甘く穏やか響きが鼓膜を震わし心地よい。もっと聞いていたい。
    そこからは自分がどう受け答えしたのか覚えていないが、あまりのぼんやり気味に相当、具合が悪いのだと思われ、私はいつのもようにベッドを借りることになったのだ。

    このことがあってからの私は、この美しい顔を見るために、以前よりもさらに気軽に保健室にいく生徒になってしまった。

    とはいえ私はただ保健室へきて、体調のチェックを受けた後は寝台で横になるだけで、保健医と特に話したりすることはない。
    顔をみるのも、保健室に入室した時と帰る時だけだ。
    あまり頻繁にくるので不審に思われないかドキドキしていたが、やはり私のこの見た目のおかげと体調が悪いことは全くの嘘ではないので何も言われることはなかった。
    ただ口許だけで笑みを浮かべ「また君か」という顔はされている気がする。本当は私の心の内などはお見通しなのではないかと心拍数があがってしまいそうだ。


    今日も保健室へ来たのはいいのだが、いつの間にか熟睡していたようだ。目が覚めたのだから、あの人の気配を探ろうと、意識を向けるが違和感を感じた。

    誰かいる。

    私は微動だにせず、聴力だけを精一杯、気配の先に向けて探る。起きていることを気が付かれないように細心の注意をはらっているのはどうしてだろうか。でも、そうしたほうが良いと第六感がつげているのだ。

    はっきりとは聞こえないが、保健医と誰かが話しているようだ。他の生徒だろうか。気取られないように体を傾け、指先でベッドのカーテンの合わせ目に隙間をつくってみる。あいにくここからでは保健医の座る机の位置は全く見えない。だが、隙間から声はもう少し聞こえるようになった。

    「ギノ…」ギノは保健医の名前のことなのだろう。


    ***

    「で?それで?どうなったの?」
    「どうって?」
    「2人は顔を寄せ合い~てな展開が起きたかどうかきいてんの?」
    この想像力たくましいのは昔でいうBLジャンルが好きなオタ友の綿辺有紀だ。
    美形の保健医の話をしたらかなりの勢いでくいついてきたのだ。

    どうなったかどうかなんて…私も知りたい。
    だって保健室のベッドでじっとかすかに聞こえる声と気配だけを探っていただけなのだから。
    カーテンの隙間から声は聞こえてきたものの、声がかすかに聞こえただけで、姿はみえなかった。
    何かぼそぼそと数分話していたと思うが、やがて来訪者が立ち去る気配がした。
    その気配と感じて、私もそこでやっと自分の気配を解放して、カーテンをそっと開けてみた。
    そして立ち上がり、一歩踏み出した時にみえたのは
    美形の保健医と話していたのは謎の給食のおばちゃんならぬ調理人だったのだ。

    給食室の調理人はほぼ女性でしめられていたのだが、たまには男性もいるので珍しいとは言わないが、それでも異色の人物といえる。
    それはおよそ給食を作ってるように見えない人物だったからだ。

    その男はいつもの割烹着を着用しておらず、黒いシャツにデニムのスタイルだった
    上背もあり、筋肉質な体型がわかり、普段の印象とまったくちがっていた。
    この男も保健医と負けず劣らずの美形なのだった。
    男は私が現れても特に表情を変えず、一瞥しただけで保健室を立ち去ったのだった。

    保健医もは私が起きてきたことは想定内のようで、予定調和な対応をしただけだった。

    「給食室、保健室にきた謎の美形のおじさんが合いびきか~!」
    有紀は私の返事を待たず、勝手に話をすすめている。
    「こんな中途半端な時期に、2人も新しい人がくるなんてね」
    「2人じゃないよ。」とそれまで本を読んでいた亜紗香が急に口をはさんだ。
    「どういうこと?」
    「新しくこの学校にはいってきたのは2人じゃないよ。実はもう1人新しい人がいるの。校務の人も最近はいったよ」」
    亜紗香は私たちの疑問に答えた。


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