花吐き症「コノエ艦長。失礼します!」
ふざけた部屋にチャンドラ中尉と閉じ込められたとわかった時は、死ぬ覚悟を決めた。
チャンドラ中尉は、私の汚い下心を教えて近付かない様にと言えば部屋の隅で壁にくっ付いている姿が可愛らしい。しかしこちらを見てくれないのは寂しいのだが。最期ぐらい彼の顔を見ていたかった。
「ぐ……ぅぅっ……」
ついに花が気管に詰まったようだ。どうやら吐き出す力も無くなったのか。いや、なんかデカくはないか?全く喉から出てこないんだが。
いつの間にか壁から離れて隣に来ていたチャンドラ中尉が背中を摩って声をかけてくれているが、息苦しさにぼんやりしてきて何を言っているのかわからない。背中を摩る手の力が強まる。これは…背部叩打法か?しかし花は出てこない。
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