コノ+チャで発生するポメガバース・元ネタ
ポメ化したコノ艦長に全く気が付かずにメロッメロに甘やかしたチャとチャの目の前で人間に戻った顔真っ赤なコノ艦長妄想。コノチャ未満。
OBの基地内に滞在中のコノ艦長がポメ化。街に出てしまい迷子状態。雨も降ってきてフワフワわんこからビチャビチャエイリアンにクラスチェンジしてしまい誰も相手にしてくれない。バス停のベンチの下で寒さに凍えるポメコノ。偶然外出中だったチャが雨宿りしようとずぶ濡れでバス停に来てポメコノを発見。エイリアン姿にビビるも濡れたわんこだと気付き濡れた地面に膝をついて目線を近付けてどうしたと優し声掛けしたら恐る恐るベンチの下から出てくるポメコノ。触れるとプルプル震えてる。これは体温下がってヤバいのではと壊れ物のように上着に包んで自宅にダッシュ。自分は玄関で濡れた服を脱いで下着一枚でポメコノを上着に包んだまま風呂場に直行。湯船にお湯を溜めながらシャワーでポメコノを隅から隅まで丁寧に洗ってあげて湯を張った風呂桶に入れてあげて、自分も下着脱いで烏の行水で洗いポメコノ連れてお湯が溜まって浴槽にin。溺れないように胸と腹の上に乗せてポメコノをもちもちなでなでしながらお前も災難だってなー。濡れて寒かっただろ?もっと早く見つけてやれなくてごめんな。と頭頂部にキス。しかし顔整ってないか垂れ目かな可愛い目をしてるなお前。青?うーん深海で見た海の色だな。ぜーんぶ包み隠してくれるのに生き物を内包した場所でな、俺達も隠してくれた色で大好きなんだ、と額にキス。毛色は濡れてるとよくわからんな。俺より濃い色かな羨ましい。俺ももう少し濃い色が良かったんだがな癖毛酷いしと自分の髪を摘むチャの鼻先を舐めるポメコノ。慰めてくれたねかー良い子だなー(わしゃわしゃ)ほかほかで1人と一匹上がってきてフカフカタオルで包まれる。チャは手早く体拭いて下着にTシャツの軽装になりドライヤーを使ってポメコノから乾かす。ビチャビチャエイリアンからふかふかポメラニアンの姿になったポメコノの可愛さにこれはどっかに飼われてる血統持ちだなと考え、今日はもう遅いから明日飼い主探す手続き行こうな、ともふもふ。自分の髪を乾かして軽装のままベッドにポメコノを乗せて可愛いさにメロメロで頭を撫でてやったり褒めたり、丁寧に毛を梳いてやりながら抱きしめて褒めてやったり、額にキスをして褒めたり、など飽きる事なく繰り返してく。ポメコノもすり寄ってきたり尻尾を振ってくんくん鳴いてきたりと甘えてきて寝転んだチャの顔をぺろぺろ舐めてきて、くすぐったいぞと笑いながら両手で頭上に掲げると同時にぼふんっという音を立てた後にポメラニアンと入れ替わる様に姿を現すコノ艦長。急に重さが変わりチャの体の上に落ちる。驚きの余り絹を裂くような悲鳴を上げるチャ。ポメ化中は犬の本能で動くが記憶は割と残ってるタイプのコノ艦長は耳どころか首まで真っ赤に染まった顔で絞り出すように「すまない、本当にすまない…」と呻いてくれ。
=本文=
・「拾ってから2時間は立ってますけど」
犬だと思ったら、コノエ艦長だった。
ベッドの隅に乙女のようにへたり込みキノコが生えそうな湿度を背負って項垂れていらっしゃる余りにも気の毒な姿。色々思うところはあるのだがもうシンプルに可哀想という感情で目頭が熱くなる。多分泣きたいのはあちらの方だろうが。
「あの…」
「すまない。本当にすまない…こんなおじさんが君の様な若者になんてセクハラを」
コノエ艦長の上体が崩れて丸まってしまった。マントルまで沈み込みそうな落ち込みぐあいに慰めの言葉が出てこない。駄目だこれ。言葉がなんになるというのか。小粋なジョークで和ませられるレベルではない。だが一つだけ大至急確認しなければならない事がある。
「あの…ミレニアムに連絡しなくても大丈夫ですか?行方不明扱いになってません?」
・未定
コノエ艦長が人型に戻った時は、本当にカオスな状況だった。ベッドの上で犬と戯れてるつもりだったのだからこちらも完全に無防備な所に、いきなりの怪音と共に成人男性が現れてまさかの床ドン体勢である。いや、コノエ艦長が咄嗟に両手両足をベッドについてくれたから俺は百八十センチは優にある成人男性の体に押し潰されずにすんだのだが。いかんせん、顔が近かったので表情の変移をつぶさに見る羽目になった。
ぽかんとした顔から、顔も耳も緩めた首元まで真っ赤に染めて目を見開いた直後、血の気が引く音が聞こえそうな勢いで真っ青になり絶望感漂う愕然とした顔、多分コーディネイターの優秀な脳で瞬時に全てを把握したんだろうなと今になればわかる。だがその時俺は何が起こったのか意味もわからずそもそも誰かもわからず、俺こんな声出せたんだなと自分でも驚く程甲高い悲鳴を上げていた。
防音の効いたタイプの官舎で本当に良かった。最悪、襲撃と間違えられて近隣のオーブ軍人達が玄関のドアをぶち破って突入してきていた。そこで目にするのは悲鳴を上げる半裸なナチュラルを押し倒したコーディネイターの絵面。絶対に大騒動になってた。
悲鳴を上げ逃げ出そうとした俺の口を、顔面蒼白になりながら抑えつけてきた手に噛みつこうとしてようやくしっかりと謎の人物を見たのだが…コンパス白制服ではないかこれ?落ち着いて顔をよく見れば知ってる。この人は。
「ぷはっ……もしかしてミレニアム艦長のコノエ大佐ですか?」
コンパス設立時の顔合わせと、後はアークエンジェルとミレニアムとの通信時にラミアス艦長と話していらした姿をお見かけした程度だが、そもそもコンパスの白制服を着られるのはキラかラミアス艦長かコノエ艦長かの3択しかない。これでこの人物がコノエ艦長でない場合はコスプレした謎の男になるし対応が変わる。具体的に言えば金的も辞さない抵抗を開始する事になる。
「君は誰だい?」
推定コノエ艦長が驚いたように話しかけてきたが疑心を隠しているのが伝わる。混乱している俺が気付くレベルまで交渉能力が、動揺しているせいで落ちているのだろうか。もっと感情を隠すのが上手い人の印象があるのだが。
「ダリダ・ローラハ・チャンドラ中尉であります。先のアコード戦役ではアークエンジェルにおいてCICを担当しておりました」
敬礼しかけてこの体勢で敬礼するのは間抜けな姿じゃ無いか?と思いやめた。そうだ、俺かなりラフな格好でベッドに横になってたんだ。しかし圧迫感が凄い。俺の右足を跨ぐように膝を着いているのか素足の太腿に制服の感触と他人の体温を感じてしまい身動ぎも出来ない。着地がずれてたら俺が金的くらってた可能性に思い至りすくみ上がる。
「アークエンジェルのブリッジクルー…」
ピンと来て無いな。どうしよう、身分証を取り出すにしても上から退いてもらわないといけないが、隠しているがお互いに警戒している状態では迂闊に動けない。そうだ。
「右の壁に制服をかけています。確認出来ますか?」
制服に階級章だ。最低でもコンパス所属の中尉だと伝わる。
ふと今の体勢を思い出し、顔を横に向け視線を思い切り逸らした。羞恥心で顔が熱い。
「すいません…上から退いて貰えませんか…?」
コノエ艦長は一つ瞬きした後、俺の上から勢い良く飛び退きそのままベッドの隅で乙女のようにへたり込んだ。
・男のロマンスタイル(大きめのTシャツ)
「チャンドラ待てカメラに映ってる!」
「あ。まさか部屋の中映ってる?」
「確かに部屋の中も映ってるが、違う。下!下履いてないぞお前!」
「?…!パンツ履いてますっ!」
なんて事言いやがる。というかカメラは内側になっているはずなんだが。
「見えない。お前の足しか映ってない」
まさか。蹲ったままのコノエ艦長が持っている端末を見れば背面カメラの横に点灯する光。あれでは、端末の裏を向けられてる俺しか映って無い!
「コノエ艦長!起き上がって端末の位置変えて下さい!」
しかも角度的にカメラが俺の下半身に向かってる。
「チャンドラ中尉。すまないがそれが出来ないんだ。さっき着地した時から腰が…かなり辛い」
人型に戻った時、宙に掲げられた状態から着地姿勢を取ったのだ。何処か痛めた可能性は十分あるが…まさかギックリ腰か!
「なんで不安要素増えてるの黙っていたんですか!ノイマン大尉、スタッフによる搬送を要請します」
口調がみだれる。不味い。友人対応と軍人対応が混じってきた。
「もう向かっている。とりあえずお前はズボンを履け。さっきからこっちのブリッジのディスプレイにはお前の生足しか写ってないぞ。どうしてその端末のカメラは背面で起動しているんだ?」
「それは俺が知りたい。そんな設定してお貸ししてないはずなんだが」
謎の答えをコノエ艦長が呻く様に自白した。
「すまない。重ね重ね申し訳ない。受け取った時に多分側面のスイッチのどれかを押してしまったんだが戻し方がわからない。そして姿勢が変えられない。手を貸してくれないかな」
どうしてこの異常事態に更なるイベントが発生するのか?厄年か?多分俺の目は死んだ魚の目になっているに違いない。
「横になれますか?ちょっと抱えますね、右から行きます」
「だからズボン!ヤバい角度になった!」
知らん。それどころじゃ無い。
「まず二人を落ち着かせるのが最優先ではないでしょうか。何度伝えても服装に意識がいかない事も、端末を置くだけでカメラが隠れる事にすら気付がつか無い事も正常な判断が出来ていない証左です。二人ともかなり混乱しています。このままだと到着したスタッフをあの格好で出迎えかねません」
誰だ今の声。
・知らない方が良い事もある
「結構穴だらけの筋書きだが、基地内でギックリ腰になり身動き出来なくなったコノエ艦長を、たまたま基地を訪れた非番のお前が発見保護してミレニアムに回収された。と言う事になった」
真顔で言ってる事がおかしい。
「うっわ…無理があるだろ…コノエ艦長は2時間以上雨の中腰痛で動けなくなっていた事になったのか?」
「完全に犬だと思ってかなり失礼な事したんだが大丈夫か?風呂にも入れたしベッドに連れ込んで遊んだし…」
「誤解を招く言い方だな。まあポメ化してる間には思考が犬だし記憶も残らないから大丈夫だろ」
「文字通り犬に噛まれたと思って忘れることにする…」
「艦長」
「……」
「コノエ大佐」
「……」
「アレクセイ・コノエ」
ハインラインの視線が痛い。彼は知っているのだ。
「…言えるわけないだろう。ポメ化してた間の事を全部覚えてるだなんて。私は彼に全身を洗われてるし、全裸の彼に抱きついて噛んだり舐めたりしてたんだぞ…」
汚れた犬を風呂に入れたんだから全身洗われて当然なんだが「お、立派な玉々だな。雄かー」としっかり下も素手で洗われたんだ。
浴槽で彼は小型犬である私が溺れないようにと、体の上に乗せてくれていたのだが。犬の本能で動いていた私はそれはもう好き勝手した。
肩に乗せられれば耳を舐めてくすぐったそうにしていた彼。顔を舐めても嫌がらず額にキスを返してくれた彼。優しい。
もっと早く見つけてやれなくてごめんな。と頭頂部にキスをくれて、お前顔が整ってないか垂れ目かな可愛い目をしてるなお前。青?うーん深海で見た海の色だな。ぜーんぶ包み隠してくれるのに生き物を内包した場所でな、俺達も隠してくれた色で大好きなんだ、と額にキスを落として。毛色は濡れてるとよくわっかんないなぁ。俺より濃い色かな、羨ましいなんて。動物に優しいタイプか。べた褒めに今更顔が赤くなりそうだ。濡れたポメラニアンの見てくれの悪さを私は知っている。よくあんなに優しくしてくれた物だ。どう見てもエイリアンかモノノケの類にしか見えないというのに。そんな優しい彼に私はとんだ破廉恥を働いてしまった。
どうしてよりにもよって乳首に興味を持ったんだ犬の自分は!前足でつつくし、舌でペロペロ舐めたし、歯で甘噛みまで。その度に苦笑しながら引き離していた彼の顔は入浴で赤く染まって。「お腹空いてるのか?そこからミルクは出ないぞ」じゃない!言い方が破廉恥!!いや破廉恥だと思った私の受け取り方が破廉恥なのか?
そもそも洗われたとき嫌がって全裸の彼の股ぐらに頭を突っ込んで逃げようとした記憶もある。下の毛もココア色だったな。彼のモノはあまり使われていないのか綺麗なピンク色で、いけない。これ以上は思い出してはいけない。「ひゃっ」なんて可愛い声が聞こえた事も思い出してはいけない。ふにっとした感触も思い出してはいけない。
コンプライアンス違反、ハラスメント、あとなんだ。痴漢か?強制わいせつか?
どれだけ罪を重ねたのか。ここが自室なら壁に頭を叩きつけたいくらいに自分の記憶に追い詰められている。
人に戻った時、あまりの暴挙の数々に頭を抱えて動けなくなった私を痛ましそうに見ていた彼は、私がポメ化していた間の事を覚えているとは知らないのだ。知らないから謝罪も出来ない。しかし知らない方が良い。ポメラニアンと中年男性の間には越えられない溝がある。
彼は突っ込まなかったが、靴を履いたままベッドの上にいたな。謝る事が増えた。
そう、ベッドの上も問題だった。風呂上がりの彼は下着にゆったりとしたTシャツ姿になり、私をフカフカに乾かしてくれた後、自らの髪も乾かしてそのままベッドで犬の私と遊び始めて。頭を撫でてくれて丁寧に毛を梳いてくれながら抱きしめてくれたり額にキスをして可愛いと褒めてくれたり、飽きる事なく繰り返し甘やかしてくれた。
普通ポメ化した際のカウンセリングは、犬になっていても人である認識が相手にあり甘やかし方にも見えないラインが引かれているものだ。私はポメ化してた間の事を覚えているので、子供の頃に比べて成人してからそして階級が上がってからのカウンセリングは遠慮があった事を知っている。それを不満に思った事は無い。人は誰しも年齢や社会的地位で態度が変わるものだし、それはポメ化中でも元は人であるという前提があれば適応されるのは当たり前だろう。元幼児と元おっさんを見た目と行動がポメラニアンだからと同じように甘やかせる訳が無い。
しかし彼は完全に冷たい雨に打たれベンチの下に逃げ込んだ哀れな犬だと思い込んで、それはもう甘やかしてくれた。あんな無防備な格好で自分のベッドに招き入れて。人では無い犬だったからこそ与えられたトロトロの愛。犬に下心も遠慮もしない。あんなに甘やかされたのは物心ついてから初めてだった。
犬の私も彼にすり寄って尻尾を振って鳴いて甘え放題で寝転んだ彼の顔をペロペロ舐めて。
「ん?」
体がピシリッと音を立て固まった。足は止まったが頭の中では記憶の再現が止まらない。
不味い。口を…舐めてる。耳や乳首がセーフだった訳ではないが口はアウトだ。
「う……!?」
思わず呻き声を上げ頭を抱えてしゃがみ込んでしまい、後ろを歩いていたハインラインがドン引きした様に少し離れたがそれどころでは無い。
脳内ではポメラニアン視点でペロペロと人間の口を舐めていた記憶から、私(42歳中年男性)が擽ったそうに笑うチャンドラ中尉(20代青年)の唇を貪り舐めている実情に変換されている。どうして自分を追い詰めるとわかっていながら客観視してしまうのか。
コノエの心情は完全に『いっそ殺せ』になっていた。