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    ⚔️勝利の厚焼き玉子⚔️

    @bwgenryu

    曲擬の進歩絵や色々ぶん投げる所。自宅の世界観の話やキャラ、キャラにまつわるバックストーリーとか設定多め。
    ※独自の解釈で曲擬をしているため独特な世界観や設定で作ってます。

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    POIPOI 41

    はぐれたリュトが出会ったのは……

    メロディアスコンビ?結成「どうしよう…、イーリスとはぐれちゃった。」
    リュトは街の路地で立ち止まっては辺りをキョロキョロ見渡し、不安な表情を浮かべていた。リュトはイーリスと一緒にデートで街に出掛けたが、思いのほか人が多く、人混みに紛れはぐれてしまったようだ。
    「きっとイーリスも私のこと探してるんだわ。困っちゃった…。」
    悲しい表情をしながら手にしているバチを振り、中の鈴がチリチリ鳴る。
    「初めて来たから何処に何があるか分からないし、イーリスもきっと心配してるはず。」
    とりあえず路地を出て広い道に出ようと歩きだす。路地を抜け出てきた場所は道ではなく広場だった。人々が憩いの場としてベンチに座って友達と喋っていたり、小さい子供が走り回ったりしていた。
    「…広場に通じてたんだね。ここで待とうかな。」
    リュトは近くにあるベンチに腰を掛ける。ボーッとしていると何処からか不思議な音色が聴こえてきた。
    「何だろ?初めて聞く音。何かメロディーを奏でているみたい。」
    リュトは聴こえてきたメロディーが気になり、音が聴こえる方に歩いて行く。それは広場の反対側から聴こえてくるものだった。そしてリュトはメロディーを奏でていた者の正体に驚いた。
    「わっ、背の高いお兄さん角があるけど人間かな?でもメロディーとリズムは素敵だわ。」
    奏でるメロディーを聴いているとその演奏者は演奏を止めた。
    「君、…僕のメロディーが気になる?」
    「あっ、はい。広場に着いて一息ついてたら聴こえてきて気になって来てみたの。」
    「わはは、そうか。」
    リュトは楽器を演奏していたお兄さんに自分がイーリスとはぐれたことを話した。
    「…そうか、相方とはぐれたのは悲しいなぁ。僕はリィが買い物行ってて、ここで待ってるけど待ってる間も練習してたんだ。」
    「お兄さんも人待ってるんだね。」
    「うん。…なぁ君も太鼓叩くの?手にバチ持ってるから気になった。」
    「あ、これ?そうだよ。太鼓というか叩ける物なら叩いてリズムを刻むのが得意なの。それにこのバチには鈴も入ってて叩かなくても音が鳴るのよ。ほら。」
    バチを振るとチリチリ鈴の音が鳴る。
    「じゃあ僕と君でセッションしないか?ここで演奏したら人が集まるし、きっと君を探してるイーリスって子も来るかも知れない。」
    「私とセッションえへへ、勿論大丈夫だわ。お兄さん名前は?私はリュト。」
    「僕はドラン。…リュトか、よろしくな」
    二人はセッションの内容を相談した。側にあった木の箱をタイルを敷き詰めた地面に置き、リュトは軽く叩いて感触を確かめる。ドランは左腕に太鼓を抱え準備をする。
    「僕は準備できたよ。リュトは大丈夫かい?」
    「えへへ、私は大丈夫よ。ドランさんよろしくね。」
    「おお勿論だAre you ready Here we go」
    リュトとドランは各々奏でる楽器で演奏を始めた。リュトはバチを鳴らしながらリズムを撮ったり、木の箱を様々なリズムで叩いていく。ドランは得意の七つの音階を巧みに叩き不思議な金属の音色を奏でる。二人のメロディーとリズムは広場にいた人々の注目の的になり、近くの路地からも人が集まり、広場はまるでライブ会場となった。夢中で演奏する二人。
    「あっ、リュト……。ここにいたんだね。隣にいる人は誰か分からないけどセッションしてたんだ。」

    『Yeah!ありがとう』

    演奏を終えるとドランは集まってきた人達にお礼を言う。ぞろぞろと人が散っていく中、金髪の少年が掛けよってきた。
    「リュト」
    「イーリス…ごめんね、途中ではぐれちゃって…。」
    「大丈夫だよ。僕もリュトがいなくなって心配していたし、…でも音楽が聴こえて『まさか』と思って来てみたらホッとしたよ。」
    「私も寂しかったけど、偶然楽器演奏していたドランさんを見かけてセッションする流れになったの。」
    「おっ、君がリュトの相方イーリスかな?はぐれて悲しそうにしてたから、話を聞いて演奏したんだ。演奏すればきっとイーリスも来るだろうって。」
    「そうだったんだ。へへ、ドラン君だっけ?ありがとう。」
    三人は和気藹々と笑いながら話した。
    「あードラン。遅れてごめんね。あれ、この子達は?」
    「リィお帰り。ちょっとこの子が困っていたから相手をしてたんだ。楽器のセッションしてた。」
    「そういう事だったのね。ふふ、ドランらしいわね。さっき聴こえてた演奏でドランの楽器の音色聴こえてたから。…初めましてお二人さん。私はリィミン。ドランのパートナーよ。」
    「ドランさんが待ってた人、カッコいいお姉さんだね。」
    「あら、ありがとう。」
    「パートナーということは二人は…付き合ってるの?」
    「ちょっとリュト、いきなり…」
    「えっ、…ふふっ、付き合っているわ。」
    「わぁ、ドランさんとリィミンさんお似合いだわね、イーリスもこうなりたいよね?」
    「リュト…。うん、なりたいよ。」
    イーリスは恥ずかしそうに顔を赤らめる。4人は意気投合しながらも名残惜しそうに別れた。

    リュトとドラン…偶然の出会いから始まった異色のセッション。二人は忘れることはない特別な一日になった。
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