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    ⚔️勝利の厚焼き玉子⚔️

    @bwgenryu

    曲擬の進歩絵や色々ぶん投げる所。自宅の世界観の話やキャラ、キャラにまつわるバックストーリーとか設定多め。
    ※独自の解釈で曲擬をしているため独特な世界観や設定で作ってます。

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    POIPOI 41

    夜明けを告げる歌 第2話
    リィミンの歌とドランの演奏がある謎を解き明かす。

    新たな道標波は穏やか、マストの先端に掲げてる旗はひらひらとたなびきながら陽光を受ける。プレアデス号を浅瀬に停め、一時の休みを取るリィミン。甲板のマストに凭れながら古びた本を読む。
    「…お待たせ今日はこんなに捕れたぞ。」
    海で漁をしていたドランが船に上がり、採ってきた物が入った網袋を甲板に下ろした。
    「あら、おかえりいっぱい捕ってきたわね。今日の夜ご飯何作ろうかしら?」
    「リィが作るものなら何でも食べるよ。ん?何か読んでいたのか?」
    ドランはリィミンが読んでいた古びた本が気になっていた。
    「この本?私の何代か前の祖先が書いた本らしく、旅に出る前にお母さんから借りたの。私達にか読めない文字で書かれていてね、久しぶりに読み返していたらこの碑文が刻まれた場所へ行こうと思うの。」
    ドランは古びた本を覗き込む。
    「へぇ、初めて見る文字だ。リィが行く所なら何処でも着いて行くよ。」
    「気になる?そうそう、読んでたらこの箇所面白いなぁって。『虹の音色と夜明けの歌が重なる時、真実の道標が記される』…この虹の音色考えていたけど、虹は7色…7つの音色、そう言えばドランの鳴らす太鼓の音色って7つだなぁって現地に行って実際演奏しないと分からないけど、その虹の音色がドランが鳴らす太鼓の音色なら凄い発見よ」
    「えっ、僕のあの楽器が?じゃあそこで演奏したら何か起こるってことなのか?」
    「なにが起きるか分からないけど、行ってみたいなぁって。隠されたヒントとか見つかれば面白いわね。ふふっ。」
    ドランは自分が持っている楽器がリィミンの役に立つと思いワクワクしながら心を踊らせる。そんな彼の無邪気な笑顔にニコリとするリィミン。
    「この碑文がある遺跡はここから船で一日、港に着いて街からは汽車で半日、あとは歩いて行けるわ。私も偶然読んでて気付いて気になったから、行きましょ」
    「おう。何があるか僕も楽しくなってきた。」
    「決まりね。じゃあ進路を変えるわよ。ドラン、錨を上げて。」
    「よしきた任せろ」
    ドランは船の前方にある錨を上げ下げする装置のハンドルを回し錨を引き上げる。『ガコン』と音がすると錨は船体に引っ付いた。すると船は風と波を受け動き出した。操舵室からリィミンが顔を出す。
    「ありがとう。これで出航できるわ。」
    「わはは、僕はいつものように見張りをしに行く。何かあったら呼んでくれ。」
    「ふふっ、勿論。見張りお願いね。」
    ドランはニコリとリィミンに無邪気な笑顔を見せ、マストに向かい登り始める。リィミンは海図とコンパス、ストームグラスを確認し進路と天気をチェックする。風と波を見ながら舵輪に手を掛け面舵を回す。夜ご飯や就寝等の休憩を取る為に進路にある浅瀬に停泊したりしながら船を進め、翌日の夜明け頃にリィミンは起床し甲板に佇みながら薄紫から青に変わる空と海を眺めていた。
    「んー、今日もいい天気ね。これなら早く港に着くわ。」
    首に掛けたストームグラスペンダントを空に写す様に結晶で天気を予測し、気持ちよく背伸びをすると、キッチンへ行き朝ご飯を作る。太陽が昇り、空の色が青みが増す頃にドランは起きてキッチンへやってきた。
    「ふぁぁ、…リィおはよう。」
    「おはよう、ドラン。ふふっ、朝ご飯作ったから食べましょ。」
    二人は談笑を交えながら朝ご飯を食べ、後片付けをすると出航の準備に取りかかる。ドランは錨を上げ、リィミンは地図とコンパスを確認する。
    「よし、出航よ」
    風を受け帆は膨らみ少しずつ速度を上げていくプレアデス号。リィミンは舵輪を操作していく。
    「どれくらいで着くんだ?」
    「そうね、この風だと2時間はかからないかしら。」
    「おぉ、そうなのか。わはは、僕は操舵室の上で見張るよ。気分もいいし、楽器を演奏する。」
    ドランは操舵室の上に登るとご機嫌な様子で楽器を奏でる。朝の日差しに合うような陽気なメロディー。海風と海流のおかげで予定より早く港に着いた。船着き場に船を停め、錨を下ろし桟橋に降りたリィミンは太いロープを杭に繋ぎ止める。
    「ドラン、降りてきていいわよ。」
    「うん。」
    船から降りてきたドランは、この旅に必要な物が入った大きな鞄を抱えていた。
    「この鞄は僕が持つよ。」
    「えっ、いいの?私ならこのくらいは大丈夫よ。」
    「わはは、僕なら大丈夫大丈夫。リィに無理させたくはない…かなと思っているんだ。」
    「ドラン…。ふふ、分かったわ。ありがとう」
    リィミンはにこりと笑いドランにお礼を言う。二人は船着き場を後にして街の中を歩いて行く。
    「なぁ、今から何処に向かうの?あの遺跡?」
    「遺跡へは明日になるけど、情報集めに図書館に行きたいの。」
    「図書館?」
    「うん。本がいっぱい置いてあるからもしかしたらあの遺跡に関する本もあるかなぁって。絵本もあるからドランも楽しめるわよ。…ただし、中では静かに、ね」
    「絵本もあるのかうん、僕は静かにしてるよ。」
    ニコニコする無邪気なドランの笑顔を見ながらリィミンも自然と笑顔になる。雑談しながら暫く歩くと目的の図書館に着いた。
    「わぁ、でかいな。ここなのか?」
    「そうよ。ふふ、入りましょ。」
    二人は扉を開け中に入る。案内図を見ながら行く場所を決める。
    「私は二階に行くわ。ドランも読みたい本がある所へ行っても大丈夫よ。何かあったら係員を通して連絡する。」
    「おぅ、分かった。じゃあ僕は一階かな。」
    「分かった。時間まで自由行動ね。」
    各々読みたい本がある場所へ移動する。リィミンは階段を昇り二階へ、ドランは一階の部屋へ向かう。
    「(この地域の歴史の書物はこの辺りね。んー、あの遺跡に関する本は何処に……、あ、あったわ。)」
    リィミンは一冊の本を棚から取り出し、近くの椅子に座り本をパラパラ捲っていく。
    「(えーっと何処かな?もしかしてこれかな?…何々…へぇ、約1500年以上前から交易都市として栄えた国の一つなんだ…。約1000年前に隣国と戦争が起きた…。戦争が終わると即復興し、交易を始めた。約900年前に強国に滅ぼされた。……その遺跡はそんな国だったのね。)」
    ページを幾つか捲ると不思議な逸話が書かれた文に目が止まる。
    「(「戦争が3年程続いたある日、二人の旅人が国を訪れた。若い女性と楽器を携えた奏者の男性。女性は力強い歌声で歌うと奏者は楽器を奏でた。歌声と楽器の音色は何処か優しく、荒んだ心に温かい太陽が昇るようであった。歌声と楽器の音色を聴いた者は敵味方関係無く武器を下ろし、涙を流したという。」……えっ、この女性、私と同じ力を持ってたの?古くから伝わる歌というのはお母さんから聞いたけど、私達に関係あるのかな?それに奏者の男性ってドランみたいだなぁ…。1000年前に私とドランと同じ関係持った人達がいたなんて驚きだわ。まだ逸話がある。「戦争が終わり数年後、二人は国を訪れた。世界を旅し、もう一度訪れたという。記念に碑文を残したいと話し、国の外れの丘に見たこともない文字で言葉らしき文章を碑文に刻んだ。」…ひょっとしてあの碑文の事かな。その碑文は遺跡の外れにある丘にあるのね。ここからだと汽車で半日…、日が暮れる前に遺跡に近い宿探さなきゃ)」
    それはリィミンもびっくりする事実だった。一族に伝わる歌と過去に栄えた国を訪れた女性の存在。どんな関係があるのか興味が湧き、遺跡を訪れ目的の碑文の謎を解きたいと思っていた。だが他の本を読んでも碑文に関する情報は少なく、『謎の文字が刻まれた碑文』として書かれていた。数冊の本を棚に戻し、階段を降りドランを探す。
    「(ドランは…、あ、いた。)」
    絵本を読むドランの側に行き小声で話す。
    「(ドラン、ドラン)」
    「(リィ)」
    「(お待たせ。一通り遺跡と碑文の情報は得たわ。今から汽車に乗って、遺跡に近い場所の宿まで行くわよ。)」
    「(そうか。うん、行くなら行こう何か発見あった?)」
    「(ふふ、勿論)」
    二人は図書館を後にして駅へと向かう。人が多く、リィミンと離れてしまうのが不安になったドランは彼女の手を握る。
    「ん?ドラン」
    「わはは、人が多くてリィと離れたくないから。」
    「ふふ、そうね。私も」
    にこりと笑ったリィミンはドランの手を握り返す。雑踏を抜けると駅に着いた。リィミンは二人分の切符を買い、改札を抜けホームで出発を待つ汽車に乗り込んだ。
    「荷物重たかったでしょ…。床に置いても大丈夫よ。」
    「ううん、大丈夫だったよ。それじゃ床に置く。」
    「あっ、そういえばお昼ね。まだ出発しないから食べ物買ってくる。ちょっと待っててね。」
    リィミンは急いでホームにいる売り子から食べ物と飲み物を買い、戻ってきた。
    「ふふ、サンドイッチとリンゴジュース買って来ちゃった。ほら、ドランの分も」
    「わぁ、ありがとう僕お腹空いていたから昼ご飯食べたかったよ。」
    「ごめんね。ここへくる途中に買っておけば良かったかな…。」
    「大丈夫だよ。わはは、いただきます。」
    「私も食べようかしら。」
    昼食を食べようとする頃、汽車は汽笛を鳴らし黒い煙を吹き出してゆっくりと走り出す。
    「おっ、動いた外の世界には船以外にも乗り物があるんだな。…凄いや、段々速く走ってく」
    ドランは初めて乗る汽車に興奮していた。過ぎ行く街並み、風景を目を丸くして見ていた。
    「興奮するのは分かるけど喉に詰まらせないでね。」
    「気を付けるよ。」
    リィミンはドランの心配をしながらサンドイッチを頬張る。一通り完食すると鞄の中からブランケットを取り出し、膝にかける。ドランは窓の外を見ながらサンドイッチを食べリンゴジュースを飲む。それから一時間、ドランがリィミンの方を見ると彼女はうたた寝をしていた。
    「リィ…?そうだよな、朝早く起きてご飯作ったり操舵してたよな。…僕も少し眠くなってきた。」
    ドランもリィミンと同じ様にうたた寝をする。汽車に揺られながら約一時間程するとリィミンは目を覚まし、ドランの方を見た。
    「ふふ、いつの間にかドランも寝ちゃったのね。」
    その無邪気な寝顔でにこりと笑う。その後暫くすると車掌が各車両を回りながら終点が近い事を知らせに歩いてきた。
    「あっ、もう終点なんだ。ドラン起こさなきゃ……ドラン、もうすぐ終点だよ。」
    リィミンはドランの肩を優しく叩く。
    「ん……、えっ、何」
    「あー、起こしてごめん。もうすぐ駅に着くから起こしちゃった。」
    「んっ、そうか。起こしてくれてありがとう。」
    約20分ぐらい経つと終点の駅へと着いた。ドランは床に置いた鞄を持ち、二人はホームに降りた。改札を出るとリィミンは近くにある看板を見て宿の場所を確認する。
    「…この近くに何軒かあるのね。とりあえず、近い所から泊まれるか聞きに行こうか。」
    「そうだね。部屋空いてるといいな。」
    駅に近い宿を目指し5分程歩く。するとやや大きめな木造の宿が見えてきた。入り口を探し、中に入るとフロントで空き部屋があるかリィミンが係の人に聞いた。
    「お二人様ですね。それならこちらの部屋が空いていますが…。」
    「わぁ、是非お願いするわ。」
    「かしこまりました。ではお部屋へどうぞ。」
    係員はリィミンとドランを部屋へと案内し、鍵を渡した。『ありがとう』とリィミンはお礼を言うと鍵を開け、部屋に入る。ドランは鞄を置き背伸びをした。
    「ふふ、鞄を持ってくれてありがとう。疲れたでしょ?夜ご飯食べた後に温泉に行かない?」
    「うぉ、温泉勿論いいさ。」
    一旦部屋で旅の疲れを癒すかの様にベッドやソファで寛ぐ。日は暮れ、夕闇に星が輝く頃二人は宿を出て近くのレストランで夜ご飯を食べて温泉に出掛けた。リィミンとドランは別々に入るも各々が旅の疲れを取るかの様に、ゆっくり湯に浸かった。
    「はぁ、いいお湯だった。これで今日は寝れるわね。」
    「わはは、そうだな。リィは朝から操舵してたから疲れていると思うんだ。」
    「そうね。今日は穏やかな航海だったけど早めに寝ましょ。明日は遺跡の近くにある碑文へ」
    「僕も楽しみだ。あの楽器で謎が解けるのかワクワクするよ。」
    温泉で温まった二人は宿へと向かう。そして部屋に戻り、ドランは最初にベッドに寝転がる。リィミンは鞄の中から航海日誌を取り出し、急いで書いてドランの隣のベッドに入る。
    「今日も色々ありがとね。お疲れ様。」
    「あぁ、リィもお疲れ様だ。」
    「おやすみ。」
    「わはは、おやすみ、リィ。」
    灯りを消すとリィミンとドランは眠りに就いた。

    翌日、リィミンはいつもと変わらず夜明けに目を覚まし起きる。ベッドから降りると背伸びをし、服を着替え寝ているドランを起こさずにそっと部屋の扉を開け、外へ出る。薄紫色の空を見ながら爽やかな空気を吸う。部屋に戻り出掛ける時に必要な荷物を整頓する。
    「……ん、リィ?…おはよう…。」
    「わぁ、ドランおはよう。起こしてごめんね。」
    「わはは、大丈夫だよ。疲れは取れたし起きても大丈夫。」
    「私今から食堂で朝ご飯食べるけどドランはどうする?」
    「僕も行くよ。お腹空いた。」
    ベッドから降りたドランも服を着替え、リィミンと一緒に宿の食堂へ向かう。バイキング形式で各々食べたい物を皿に盛って席に座る。パンやスープを口にしながら談笑を交える。
    「昨日言ってた発見って?僕気になったよ。」
    「それねふふ、私もびっくりしたの。」
    「どんな話だった?」
    「昔、私とドランと同じ様に旅をしていた人がいてね、私達と似ている力を持ってたらしいの。昨日船で話した本の碑文も今から行く遺跡近くにあるから、そこで私が歌ってドランが演奏して何かあるか楽しみなんだ。」
    「へぇ、僕とリィみたいなパートナーが昔にもいたのかわはは、碑文の謎は一番気になるよ。」
    和やかな雰囲気で朝ご飯を食べると少し休憩し、部屋へ戻って遺跡の方へ向かう準備をする。リィミンは腰に小さな鞄をベルトに通し、ドランはいつも演奏で使う太鼓を背中に背負う。
    「僕は準備万端だよリィも準備大丈夫?」
    「えぇ勿論。古びた本とメモを取る筆記具は持ったわよ。ふふ、じゃあ行こうか」
    フロントに鍵を預け二人は宿を後にして遺跡に向かう。リィミンはいつもの様にストームグラスを覗き天気を予測する。問題ない程の好天、風も乾燥地帯の乾いた風が吹いている。宿を出発して20分程経つと遺跡の外れに着いた。住居の跡であっただろうぼろぼろに崩れた壁が時の流れを感じさせる。道端には土器の破片、修復されたレリーフ等が遺跡の中を歩く二人の目に入ってくる。王宮跡には豪華な彫刻の一部や壁の壁画があり、リィミンは本で読んだことを思い出してはワクワク心を踊らす。一通り遺跡を見て回ると近くにある小高い丘へ向かった。疎らに生えた木々と草丈が短い草原の中に、丘へと続く道を歩く二人。乾いた喉を水を飲み潤しながら進む。10分程歩いて丘の頂上に着いた。周りに何もない丘の上には2m近い高さの石碑が立っており、リィミンが持っている古びた本に記された同じ文字が刻まれている。
    「本に書いてあるのと同じだわ。」
    「じゃあこの石碑の前で演奏するのか?」
    「うん。物は試しよ、やってみましょ」
    ドランは背負ってきた太鼓を左腕に抱え、右腰の腰巻きに差してあるバチを一本取り出す。リィミンは心を落ち着かせるように目を瞑り、深呼吸をし準備が整うと目を開けた。そして大きく息を吸い、代々伝わる歌を力強く清らかな声で歌い始めた。リィミンの歌に合わせる様にドランはアドリブを入れながら七つの音色を奏でていく。誰もいない静かな朝の丘の上から聴こえる美しいハーモニー。暫くすると二人の歌と演奏に共鳴したのか石碑に刻まれた碑文の文字が淡く光出し、青白く光る文字が浮かびあがってきた。リィミンは歌うのを止め、腰の小さな鞄からメモ帳を取り出し文字を読みながら書き写していく。
    「リィ、これって…。」
    ドランは演奏を止め、現れた文字を凝視する。
    「……『夜明けの歌と虹の音色を未来に託した。再び黎明の声が聞ける者が現れた時、私は言葉を残す。私達の物語は続いている。陽炎の先にある島、百の夜訪れる大地、記憶の回廊、忘れ去られし理想郷。その地に残した碑文に夜明けの歌と虹の音色を捧げて。太陽は導く、アカシックレコードへの道標。』…これは、碑文がある場所を指しているの?」
    新たに現れた碑文の文字を読んで驚くリィミン。
    「本当に私の歌とドランの演奏でもう一つの文章が現れた…。お母さんや祖母もここに来ても謎は解けなかった訳だわ…。ドランの持つ楽器にも秘密はありそうね」
    「そうだな。父ちゃんが持ってた形見で僕は持ってたから、僕もビックリしたよ。でもこの楽器、海で拾って磨いたら太鼓だったって聞いたけどなぁ。わはは、不思議な話だよ。僕もこの正体知りたくなった。」
    「海で拾った…?ということは長年海の中にあったってことかな?錆びてないし、…うーん、謎ね。でもこの先の謎解きにも活躍するからいつかは正体判明するかもね。」
    「わはは。リィの冒険はワクワクする僕もリィが探してるアカシックレコードを見たくなったよ。どんなものなのかな。」
    「私が代々受け継いできた歌とドランが奏でる七つの音色はきっと大きな秘密があるはず。大昔にこの国に訪れた二人と関係がありそうね」
    「そうだな。僕とリィと同じ関係の二人かぁ。誰なんだろうな…。」
    「『黎明の声が聞ける者』…、私がそうなんだけど代々伝わる話に『スカイハイ ビジター』の伝説があるの…。もしかしたらこの国を訪れたのは『スカイハイ ビジター』なのかも知れないと思って…。」
    「リィって夜明け頃に何か聴こえるって前言ってたよな。そうか…リィと関係がある人なのかな。スカイなんとかの話も聞いてみたいよ」
    「そうね、ドランは大切な旅のパートナーだから教えられるものは教えるわ。」
    「おぅ、リィの話はどれもワクワクするよ。」
    「碑文に書かれた四つの場所の特定ついでに話すわ。ふふ、凄い発見ができて私は嬉しい。それじゃ宿に戻って場所特定するわよ。」
    「あぁ、僕の力がリィの力になれて嬉しいよ。どんな話か聞かせてよ」
    リィミン以前に訪れた者が誰も解けなかった謎が解かれ、彼女自身驚きを隠せない謎解きであった。だが謎は更に深まる。四つの碑文が存在する場所……その地へ辿り着く目標を立て二人は光を失った石碑を後にした。


    『……私の魂を持つ者。私が残した文章を読み、いつか解き明かしながら同じ物語を辿る黎明の声を聞ける者…。』
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