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    hidaruun

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    hidaruun

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    さみさに♀/雨さに♀

    #さみさに
    onInformationAndBeliefs
    #雨さに
    inTheRain

    ホラー映画を見る二人耳に飛び込んでくる衝撃音や悲鳴に彼女は反射的に腕に力を入れた。ぎゅうっと強く目を瞑る。テレビの向こうで起こっていることはフィクションであり、別に彼女に害をなしはしないのにどうしても驚いたり怖くなったりしてしまう。「見なければいいだろう」と呆れ顔で国広に何度か言われたけれどそれはそれ、これはこれ。ストーリーは気になってしまうから彼女は今日もまたホラー映画を見ようと試みていた。
    「……怖いとこ終わった?」
    「まだです」
    ここ最近、彼女のホラー映画鑑賞会に付き合ってくれているのは五月雨だ。普段から表情筋は固い方だしわりと淡々しているから一緒に見たら怖くなくなるかもしれない、なんて誘ってみたけれどそんなことは全くなかった。ただ五月雨は彼女が騒いでも特に何を言うこともなく大袈裟に反応することもなくただ隣で見続けてくれているから安定感がある。勢いよく抱きついても微動だにしないところも良い。
    早く怖いところ終わらないかな、と五月雨にしがみつく手に力を込めたところでふと気づく。先ほどまであったテレビからの悲鳴や衝撃音は無くなり、主人公達の会話らしきものが聞こえる。そこには切羽詰まった様子もない。おや?と思った彼女は恐る恐る薄目でテレビ画面を窺うと、主人公と相棒が冗談を言い合うような穏やかなワンシーンが流れていた。
    「………終わってない?」
    「そうですね」
    「そうですね?」
    彼女が顔を見上げても特に悪びれた様子もなく、五月雨はただテレビを真っ直ぐ見つめていた。
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