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    kmchi78

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    kmchi78

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    旭郁Webオンリー「朝日のあわいに幾夜を思う」の展示作品の後日談です。
    こちらは郁弥の告白をきっかけに『郁弥の片思い』から両思いになる話のその後です。

    郁弥が片思いしてた旭郁が両片思いになったその後の話「ずるくないか?」
     いつかそんなこと言い出すんじゃないかと思ってたけど、予想よりも早かった。
    「ずるいってなにが?」
     本当はその先に続く言葉は分かっていたけど、旭の口から聞きたくてわざととぼけてみる。
    「先に好きになった方が勝ち、みたいなやつ」
     口を尖らせて不満そうな表情を浮かべているけど、僕のことを恋愛対象だと認識したのはつい最近のはずなのに、随分と横柄な態度だ。
    「別に勝敗があるわけじゃないでしょ、こういうのは」
     そう言いつつも僕はちょっとだけ優越感を覚えている。
     旭がこれまで友達として呑気に過ごしていた間も、僕にとっては好きな人と過ごす特別な時間だったから。
     楽しいことばかりじゃなかったけど、恋をしているってだけでこんなにも景色が変わるんだって驚いた。昔、猿みたいだとバカにしていたあの旭が相手なのに。
     優しくされると嬉しくて、気安くされるとドキドキして、愛想の良さに勝手に嫉妬して、静かに燃える闘志と真摯な眼差しに刺激を受けて、そんな他愛のない日々の記憶が胸いっぱいに降り積もっている。
     受け入れてもらえるなんて思ってなかったから、このキラキラを大きな瓶にずっと閉じ込めておいて、たまに取り出しては眺める、みたいなことをひとりで繰り返すんだと思っていた。だから少しでも中身を増やしておきたくて、些細なことでも忘れないように大切に覚えている。
    「量で勝てないなら質で勝負するしかないか」
     なんか変なこと言い出したなぁ、と思っていると急に肩を抱かれ引き寄せられる。それから数秒の間を置きパッと手が離された。
    「写真?」
     スマホの画面を内側に向けたまま、いわゆる自撮りの要領でツーショット写真を撮られていた。
    「郁弥、あんまり写真撮ってないだろ。これなら俺の方がちょっとは有利だな」
     みてろよ、俺の方が好きなんだってこれから認めさせてやるからな、という謎の宣戦布告に胸が高鳴った。
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    kmchi78

    DONE2023/12/17 Dozen Rose FES.2023内で開催される、旭郁オンリー『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』に参加します

    スペース:南1ホール エ49b きむち鍋

    「友達と恋人になる100の方法」
    文庫サイズ・フランス製本/64P/500円(イベント頒布価格)

    両思いからはじまる大学生旭郁
    恋人になりたい旭と友達が減るのが嫌だから恋人になりたくない郁弥による三ヶ月の茶番劇
    友達と恋人になる100の方/『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』新刊サンプル 合同練習終わりの帰り道、珍しく郁弥と二人きりになった。他愛のない話をしながらいつもより少しゆっくりと歩いて最寄り駅まで向かう。帰宅ラッシュの時間ではないものの、それなりに人通りの多い道だからわざとペースを落としていても気づきにくいはずだ。
     普段通りに歩けばちょうど電車の到着時刻に間に合い、すぐに別れることになる。その前に話がしたかった。
    (中略)
     意味が分からないんだけど? とでも言いたげな不信感のにじむ視線をまっすぐに捉えてから口を開く。
    「郁弥のことが好きだ。俺と付き合ってほしい」
     ポカンと軽く口を開けた間抜け面すら、可愛いと思えてしまうから重症だ。
     ずっと友達だと思ってた。いまも表面上はそうしてるけど本当は違う感情を抱いてしまっている。
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    kmchi78

    INFO2023/3/25 pictSQUARE内で開催される旭郁webオンリー『朝日のあわいに幾夜を想う2』に参加します
    スペース:え5

    「おやすみの前にいいたいこと」
    A5正方形/28P/580円(BOOTH頒布価格)

    初夜を大成功させた二人が、二度目をどう誘うかでそれぞれ悩む話
    ※全年齢/直接的な表現はありません

    BOOTH匿名配送を利用します。商品ページは当日スペースでご確認ください
    【3/25 朝日のあわいに幾夜を想う2】旭郁新刊サンプル どうしてこんなことで悩まないといけないんだろう。 
     せっかく好きな人と両想いになれたのに。心だけじゃなくて体も通じ合えたのに。
     頭の片隅をよぎる初めての夜のことを打ち消すように、ハァァとわざとらしく大きなため息をついてみる。
     自室だし、ひとりだし、別にいいんだけど。どうしてもだらしなくポーっとした表情を浮かべてしまう自分が嫌でブンブンと大きく頭を振ったところでもう遅かった。だって、すごくうれしくて幸せだったから。ここに至るまでの苦労とか、ギリギリのところで我慢し続けた日々とか、いろんなことを思い出して感極まって繋がってからはほとんどずっと泣いてた気がする。
    『わかったから、もう泣くなって』
     最初で最後じゃないんだから、と言いながらやさしく目元を親指で拭ってくれた旭の瞳は潤んでなかったけど、同じ気持ちでいてくれることが表情だけじゃなくて体中から伝わってきて、さらに涙があふれてきてしまった。
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