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    kmchi78

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    kmchi78

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    大学生旭郁・付き合ってる
    旭が花束を持って郁弥の部屋に遊びにきた話
    ※本編に関する独自解釈を含む箇所があります。(3期2話の過去回想・リレー後のシーン)そう思ったんだな、程度に流していただけると幸いです。

    旭郁ワンドロライ:お題「ひまわり」 旭が花束を持って部屋に遊びに来た。
    「今日ってなんかあったっけ?」
     花瓶の代わりになりそうなグラスを探しながら聞いてみると、別になんもねぇよ、とそっぽを向きながら小さな声で返される。
     流し台にそっと置かれた小ぶりな花束は赤や黄色が目を引き、夏らしさを感じる。
     兄貴がお土産でくれたビールジョッキが出てきたので、半分くらい水を注ぎラッピング用紙や輪ゴムを外した花束を突っ込む。
     ちょっと深すぎたな、と思ったけどそのままローテーブルの真ん中にドンと置く。
    「やましいことでもあるの?」
     ソファーに座って僕を待っている間もなんとなくソワソワした様子だし、今日はまだ一度も目が合ってない。
     隣には座らずに敢えて膝の上にまだがり無理やり向き合う体勢になると、ソロソロと旭がこちらを見上げてくる。
    「ちょっとある。でも、郁弥が想像してるようなことじゃない」
     困ったようなゆるい笑顔を向けながらそう言われてムゥっと自然と口が尖る。
     頬に触れようと伸ばされた手を払い落として続きを促す。
    「中学のとき、大会で負けてた後にひまわり畑で反省会みたいなやつしただろ?」
     全力を出しても結果につながらなかったメドレーリレー。悔しくて泣かずにはいられなかったけど、そんな姿は人にみられたくない。だから背の高いひまわりの影に隠れるようにしながらみんなで気持ちを吐き出し合った。
    「あの後、俺は転校しちまって。もう一度いっしょに夏を迎えられなかったから……」
    「それは、旭が悪いわけじゃないでしょ」
     幼い僕が何気なく放った一言がずっと旭の中で心残りになってしまっていたことは、再会してすぐに聞いた。そのときも同じことを言ったけど、今だってもちろん気持ちは変わらない。
    「でも、俺の中の郁弥とひまわりの思い出ってあれが最後だろ? だから……」
     花屋の前を通りかかったとき、小さなブーケの中で咲き誇るひまわりをみてそんなことを思い出したらしい。そして衝動的にそれを買ってしまったのだという。
    「つまり?」
     やましい部分がよく見えてこなくて首をかしげると、急に引き寄せられギュッと抱きしめられる。
    「その思い出を、上書きしたい」
    「無理でしょ」
    「だよな。だからやっちまったなって思って」
     こういうちょっとカワイイ旭は最近では珍しい。昔の短絡的でキーキーうるさかった頃の迂闊さを久しぶりにみれて、ついニヤけてしまう。
    「上書きじゃなくて、新しい思い出でいいんじゃない?」
     今年の夏はまだ始まったばっかりだし、来年だってある。もう大人の事情に振り回されるだけの子供じゃないから、一緒にいたい人も場所も自分で選べる。
    「そうだな!」
     郁弥はやっぱスゲーな、と言いながら更にギュウギュウと抱きしめられたので、同じくらい強く抱きしめ返してあげた。
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    kmchi78

    DONE2023/12/17 Dozen Rose FES.2023内で開催される、旭郁オンリー『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』に参加します

    スペース:南1ホール エ49b きむち鍋

    「友達と恋人になる100の方法」
    文庫サイズ・フランス製本/64P/500円(イベント頒布価格)

    両思いからはじまる大学生旭郁
    恋人になりたい旭と友達が減るのが嫌だから恋人になりたくない郁弥による三ヶ月の茶番劇
    友達と恋人になる100の方/『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』新刊サンプル 合同練習終わりの帰り道、珍しく郁弥と二人きりになった。他愛のない話をしながらいつもより少しゆっくりと歩いて最寄り駅まで向かう。帰宅ラッシュの時間ではないものの、それなりに人通りの多い道だからわざとペースを落としていても気づきにくいはずだ。
     普段通りに歩けばちょうど電車の到着時刻に間に合い、すぐに別れることになる。その前に話がしたかった。
    (中略)
     意味が分からないんだけど? とでも言いたげな不信感のにじむ視線をまっすぐに捉えてから口を開く。
    「郁弥のことが好きだ。俺と付き合ってほしい」
     ポカンと軽く口を開けた間抜け面すら、可愛いと思えてしまうから重症だ。
     ずっと友達だと思ってた。いまも表面上はそうしてるけど本当は違う感情を抱いてしまっている。
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    kmchi78

    INFO2023/3/25 pictSQUARE内で開催される旭郁webオンリー『朝日のあわいに幾夜を想う2』に参加します
    スペース:え5

    「おやすみの前にいいたいこと」
    A5正方形/28P/580円(BOOTH頒布価格)

    初夜を大成功させた二人が、二度目をどう誘うかでそれぞれ悩む話
    ※全年齢/直接的な表現はありません

    BOOTH匿名配送を利用します。商品ページは当日スペースでご確認ください
    【3/25 朝日のあわいに幾夜を想う2】旭郁新刊サンプル どうしてこんなことで悩まないといけないんだろう。 
     せっかく好きな人と両想いになれたのに。心だけじゃなくて体も通じ合えたのに。
     頭の片隅をよぎる初めての夜のことを打ち消すように、ハァァとわざとらしく大きなため息をついてみる。
     自室だし、ひとりだし、別にいいんだけど。どうしてもだらしなくポーっとした表情を浮かべてしまう自分が嫌でブンブンと大きく頭を振ったところでもう遅かった。だって、すごくうれしくて幸せだったから。ここに至るまでの苦労とか、ギリギリのところで我慢し続けた日々とか、いろんなことを思い出して感極まって繋がってからはほとんどずっと泣いてた気がする。
    『わかったから、もう泣くなって』
     最初で最後じゃないんだから、と言いながらやさしく目元を親指で拭ってくれた旭の瞳は潤んでなかったけど、同じ気持ちでいてくれることが表情だけじゃなくて体中から伝わってきて、さらに涙があふれてきてしまった。
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