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    kmchi78

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    kmchi78

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    大学生旭郁・付き合ってる
    グッズに関するちょっとしたワガママの話
    ※冒頭の注意書き必読。細かいことを気にしない人向け

    大したことない話※自分たちのおまんじゅうマスコットが発売される世界
    ※一般人のグッズが出ることに誰も違和感を抱かない
    ※細かいことは気にしない

     夕飯も風呂も終え、大学の課題に取りかかろう思いながらもダラダラとスマホをみていると、郁弥から突然電話がかかってきた。
     急にごめんね、から始まった会話は緊急性のあるものではなく他愛ない話だった。
     週のど真ん中の平日に電話がかかってくることはあまりない。そのうえ、雑談とはいえなんとなく集中しきれていない空気が漂っていた。
    「で、本題は?」
     話題がひと段落したタイミングを見計らってそういうと、グッと言葉に詰まっている気配がした。
    「大したことじゃないんだけど」
    「でも、聞いてほしくて電話してきたんだろ?」
     モヤモヤしてこのままじゃ眠れなくて、でもメールだとうまく伝えられないと思ったからこその行動だろうし放っておきたくはない。
    「おまんじゅうマスコットの、新商品のことって聞いてる?」
    「シールのやつだろ?」
     先に発表済みのマスコットを模したフレークシールが発売されるという連絡は今日の昼にあった。ちょうどそのとき一緒に学食にいたハルや貴澄ともその話をしたばかりだ。
    「それ。僕って凛チームなんだって」
    「あ~、なんかそんなようなこと書いてあったな」
     マスコットのボックスと同じ分かれ方で、ハルと凛がそれぞれの代表みたいなネーミングになっていたはずだ。
    「これから言うこと、ちゃんとワガママだって自覚してるからね」
    「おう」
    「……僕、ハルのチームじゃない?」
    「は?」
     なにを言われるのかピンとこなくて、反射で聞き返してしまう。
    「凛が嫌とかじゃなくって、ハルのチームがあるなら僕はそっちじゃない? って話」
    「……」
    「きいてる?」
    「思った以上に大したことじゃなくてびっくりしてた」
    「ちゃんと最初に言ったでしょ!」
     変なこと言ってる自覚はあるらしい。これを言いよどんでいたんだと思うと、じわじわとおかしくなってくる。
    「いや、でもほら、関係ねぇって、そんなの」
    「笑ってるの、分かってるからね」
     こらえながら話そうとするものの、不自然に言葉が途切れるのですぐにばれてしまう。
    「いや、だって、おまえ……!」
     これ以上は絶対に拗ねるだろうなと分かっていたものの、抑えきれなくてついに声を出して笑ってしまった。
    「僕だってくだらないってわかってるからね!」
     バカ! と言いたいのを我慢していると思うと余計におかしさに拍車がかかる。今回バカなのは明らかに郁弥の方だからだ。
    「いや、悪い悪い。そうだよな、郁弥も俺と同じハルのチームがよかったよな」
     なんとか呼吸を整えてそう返すと、別に旭はどうでもいいなんてそっけなく言われる。
    「なんか、旭と話してたら本当にどうでもよくなってきた」
     もう切るね、と言ってあっさりと郁弥は通話を終わらせた。
     笑いすぎたかな、と少しだけ反省していると一通のメールが届く。もちろん差出人は郁弥だ。
    『さっきはありがと。おやすみ』
     言い忘れたことだけ送った、と言わんばかりの簡単なメールにこっちも手短に返信をして、今日はもう寝ることにした。大学の課題は、明日どうにかしよう。
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    kmchi78

    DONE2023/12/17 Dozen Rose FES.2023内で開催される、旭郁オンリー『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』に参加します

    スペース:南1ホール エ49b きむち鍋

    「友達と恋人になる100の方法」
    文庫サイズ・フランス製本/64P/500円(イベント頒布価格)

    両思いからはじまる大学生旭郁
    恋人になりたい旭と友達が減るのが嫌だから恋人になりたくない郁弥による三ヶ月の茶番劇
    友達と恋人になる100の方/『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』新刊サンプル 合同練習終わりの帰り道、珍しく郁弥と二人きりになった。他愛のない話をしながらいつもより少しゆっくりと歩いて最寄り駅まで向かう。帰宅ラッシュの時間ではないものの、それなりに人通りの多い道だからわざとペースを落としていても気づきにくいはずだ。
     普段通りに歩けばちょうど電車の到着時刻に間に合い、すぐに別れることになる。その前に話がしたかった。
    (中略)
     意味が分からないんだけど? とでも言いたげな不信感のにじむ視線をまっすぐに捉えてから口を開く。
    「郁弥のことが好きだ。俺と付き合ってほしい」
     ポカンと軽く口を開けた間抜け面すら、可愛いと思えてしまうから重症だ。
     ずっと友達だと思ってた。いまも表面上はそうしてるけど本当は違う感情を抱いてしまっている。
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    kmchi78

    INFO2023/3/25 pictSQUARE内で開催される旭郁webオンリー『朝日のあわいに幾夜を想う2』に参加します
    スペース:え5

    「おやすみの前にいいたいこと」
    A5正方形/28P/580円(BOOTH頒布価格)

    初夜を大成功させた二人が、二度目をどう誘うかでそれぞれ悩む話
    ※全年齢/直接的な表現はありません

    BOOTH匿名配送を利用します。商品ページは当日スペースでご確認ください
    【3/25 朝日のあわいに幾夜を想う2】旭郁新刊サンプル どうしてこんなことで悩まないといけないんだろう。 
     せっかく好きな人と両想いになれたのに。心だけじゃなくて体も通じ合えたのに。
     頭の片隅をよぎる初めての夜のことを打ち消すように、ハァァとわざとらしく大きなため息をついてみる。
     自室だし、ひとりだし、別にいいんだけど。どうしてもだらしなくポーっとした表情を浮かべてしまう自分が嫌でブンブンと大きく頭を振ったところでもう遅かった。だって、すごくうれしくて幸せだったから。ここに至るまでの苦労とか、ギリギリのところで我慢し続けた日々とか、いろんなことを思い出して感極まって繋がってからはほとんどずっと泣いてた気がする。
    『わかったから、もう泣くなって』
     最初で最後じゃないんだから、と言いながらやさしく目元を親指で拭ってくれた旭の瞳は潤んでなかったけど、同じ気持ちでいてくれることが表情だけじゃなくて体中から伝わってきて、さらに涙があふれてきてしまった。
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