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    kmchi78

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    kmchi78

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    大学生旭郁。付き合ってないけどお互いの気持ちはなんとなく分かっててタイミングを見計らってる。
    MSのエピソードトーク中に飛び出し新しいドンで対抗するやつです。

    ブ〇〇コドン 今日の飲み会には遠野がいなかった。
     面倒見役がいないことでペース配分を誤ったのか、お開きになる頃にはほんのりと顔を赤くし、定まらない視線でポーッとどこかを眺めている郁弥が出来上がっていた。
    「旭、送ってあげなよ」
     サラッと貴澄がそんなことを振ってくるが返答は分かっているはずだ。
    「逆方向だよ」
    「そっかぁ。じゃあせめて酔いが覚めるまで付き合ってあげたら?」
     言いながら歩いてニ、三分のところにある公園までの地図を表示したスマホの画面をこちらに向けてくる。
     お前も一緒にくればいいだろ、という言葉は飲み込んで貴澄とはその場で別れ、郁弥と共に公園に向かった。
     さっきまでのボンヤリとした様子が嘘のように、軽やかな足取りで郁弥が歩いてくれたお陰であっという間に公園に着くと、真っ先に目につくブランコをめがけて急に駆け出した。
    「立ち漕ぎはダメだからな! 座って乗れよ!」
     酔っ払いの行動は本当に突拍子ない。
     ブランコに乗るなり全力で漕ぎ始めるとギィギィとやや耳障りな音を立てる。
     三往復ほどするとタンっと足をつき、一回完全に動きが止まった。その後は踵をつけたまま前後に緩く動かすだけになった。
    「飲みすぎるなんて珍しいな」
     隣のブランコに座り、身を乗り出し郁弥の方を向きながらそう声をかける。
     遠野が世話を焼いているのは確かだが、自分でも許容量は大体把握しているはずだ。ほろ酔い程度ならまだしも、一人で帰るのも難しいくらい酔うなんてちょっと珍しい。
    「今日は日和がいないって、言い訳が使えるから」
    「ん?」
    「お持ち帰りでも、送り狼でも、どっちでも」
     ジッと地面に視線を落としたまま、こっちを一切見ずに爆弾発言を落としてくる。
     ガチャンとわざと音を立ててブランコから立ち上がり、郁弥の目の前に立つ。座面を吊るしている鎖をガッと掴み粗めに引き寄せると、パッと郁弥が顔を上げる。
    「言ってみただけ、で済ましてやらねぇぞ」
     首を少し突き出し、視界がぼやけるギリギリの辺りまで顔を近づける。
    「じゃあ旭も寂しかったから、なんて言い訳しないでよ?」
     すうっと細められた目は多少の潤みはあったもののしっかりと正気を残していた。
     酔っ払ってねぇのかよ、というツッコミと、そういう展開になる前にちゃんと告白したいという思いと、さっさと帰って今の態度を後悔させたいという欲が、静かに脳内でせめぎ合っていた。
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    kmchi78

    DONE2023/12/17 Dozen Rose FES.2023内で開催される、旭郁オンリー『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』に参加します

    スペース:南1ホール エ49b きむち鍋

    「友達と恋人になる100の方法」
    文庫サイズ・フランス製本/64P/500円(イベント頒布価格)

    両思いからはじまる大学生旭郁
    恋人になりたい旭と友達が減るのが嫌だから恋人になりたくない郁弥による三ヶ月の茶番劇
    友達と恋人になる100の方/『朝昼幾夜重ねても♡DR2023』新刊サンプル 合同練習終わりの帰り道、珍しく郁弥と二人きりになった。他愛のない話をしながらいつもより少しゆっくりと歩いて最寄り駅まで向かう。帰宅ラッシュの時間ではないものの、それなりに人通りの多い道だからわざとペースを落としていても気づきにくいはずだ。
     普段通りに歩けばちょうど電車の到着時刻に間に合い、すぐに別れることになる。その前に話がしたかった。
    (中略)
     意味が分からないんだけど? とでも言いたげな不信感のにじむ視線をまっすぐに捉えてから口を開く。
    「郁弥のことが好きだ。俺と付き合ってほしい」
     ポカンと軽く口を開けた間抜け面すら、可愛いと思えてしまうから重症だ。
     ずっと友達だと思ってた。いまも表面上はそうしてるけど本当は違う感情を抱いてしまっている。
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    kmchi78

    INFO2023/3/25 pictSQUARE内で開催される旭郁webオンリー『朝日のあわいに幾夜を想う2』に参加します
    スペース:え5

    「おやすみの前にいいたいこと」
    A5正方形/28P/580円(BOOTH頒布価格)

    初夜を大成功させた二人が、二度目をどう誘うかでそれぞれ悩む話
    ※全年齢/直接的な表現はありません

    BOOTH匿名配送を利用します。商品ページは当日スペースでご確認ください
    【3/25 朝日のあわいに幾夜を想う2】旭郁新刊サンプル どうしてこんなことで悩まないといけないんだろう。 
     せっかく好きな人と両想いになれたのに。心だけじゃなくて体も通じ合えたのに。
     頭の片隅をよぎる初めての夜のことを打ち消すように、ハァァとわざとらしく大きなため息をついてみる。
     自室だし、ひとりだし、別にいいんだけど。どうしてもだらしなくポーっとした表情を浮かべてしまう自分が嫌でブンブンと大きく頭を振ったところでもう遅かった。だって、すごくうれしくて幸せだったから。ここに至るまでの苦労とか、ギリギリのところで我慢し続けた日々とか、いろんなことを思い出して感極まって繋がってからはほとんどずっと泣いてた気がする。
    『わかったから、もう泣くなって』
     最初で最後じゃないんだから、と言いながらやさしく目元を親指で拭ってくれた旭の瞳は潤んでなかったけど、同じ気持ちでいてくれることが表情だけじゃなくて体中から伝わってきて、さらに涙があふれてきてしまった。
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