君の世界『第4層』 「……はっ!」
「魔王! 遂に追い詰めたぞ!」
木の根に底に呑み込まれた私は、視界が暗転してそのまま意識を失って。次に目が覚めた時には、禍々しい空とストレイボウが視界に入っていた。それに加えストレイボウの後ろには、沢山の城の兵士もいる。
「魔王め、この勇者ストレイボウが直接叩っ斬ってくれる!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ、勇者……?」
私が魔王呼ばわりされるのはともかく、ストレイボウが勇者? 彼は私に向かって真っ直ぐ指を刺して、睨んでいる。それに強烈な違和感を与えるのはその見た目だった。いつものローブ姿ではなく、私がいつも身につけている鎧を纏っている。手に持っている物も、杖ではなく剣。まるで剣士だった。
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