急に暑くなった日の2人👟視点
Mysta幼め設定
「あっつーい!あつい!あつすぎるよシュウ!」
「んへへ、そうだねミスタ。アイスでも買って帰ろっか」
「アイス!マグナムがいい!」
「コンビニまで頑張ろうね」
照り返しでジリジリと脚が焼かれていくような暑い日だった。まだ小さいミスタは地面に近いからか、それとも幼いからか、額に水玉を浮かべながら一生懸命ぴこぴこと歩いている。首からかけた水筒は家に着く頃にはそこが見えているだろう。
まだ4月だというのに今日の最高気温は29度まで上がっているらしい。ちゃんと天気予報を見て、ちっちゃな頭に麦わら帽子を被せてきてよかった、とシュウは少しだけ安堵した。
「シュウ、シュウ!おみずどーぞ!」
両の手で自分の水筒を差し出してくる姿がとても可愛らしい。自分が汗をかいていることに気がついてくれたのだろうか、暑くて疲れているはずだが健気に笑顔を見せる弟を抱っこ出来ないのがとても悔しい。家に帰ってシャワーを浴びたらたくさん可愛がろう、と心に決めた。
「ありがとう、ミスタ。いただきます。」
「えへへ、めしあがれ!」
小さな耳としっぽがパタパタと動いているのが見えそうだ。
2人で話しながら歩いていたら普段は遠いはずのコンビニまではすぐに着いた。冷凍室の中にはたくさんのアイスが詰まっている。
「ミスタ、みんなの分も選んでくれる?」
「うん!えっと、ルカはメロンで、ゔぉっくすはチョコミント!アイクは……うーん、ソーダ!」
「シュウ、どっちがいい?」
その手にはレモンとグレープのフレーバーのアイスが握られている。僕の髪色だろうか、と考えて微笑んだ。
「じゃあこっちにしようかな、ありがとう」
「わかった!これでぜんぶ!」
会計を済ませて急いで家に帰る。ここからなら5分と掛からないのだが、ミスタの足取りは軽く、早くアイス食べたい!と言う声が聞こえてきそうだ。
「ただいまぁー!」
「「おかえり、ミスタ」」
小さな弟と最年長の兄が出迎えてくれた。もう1人は締め切り前だと言っていたし執筆中だろうか。
「あいす!みんなのかってきた!」
「そうかそうか、ありがとうなミスタ。」
「ぽぉぉぉぐ!」
「アイクには私が差し入れておこう。」
「ミスタ〜ありがとう〜!」
遠くから声が聞こえた。
夏はまだまだ先だけどこんなのもいいだろう。
暑い部屋で食べるアイスは今までで1番美味しかった。