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    凜太(りんた)

    @Rintango99

    文字書きです。七マリ書いてます。
    桜井兄弟近辺(主にコウちゃん)のとても短い話を上げ始めました。
    よろしくお願いします。

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    凜太(りんた)

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    ルカとバンビがこうちゃんの話をしているだけの話。

    怖い時は、大きな声を出すといいんだって。

    無題。 そういえばね、と彼女が話し始めた話に琉夏が耳を傾けている。
    「コウが?」
    「うん、怖い時は大きい声出せって」
    「……」
     突然、琉夏が黙り込み、彼女は彼に視線を向け不思議そうな顔をする。
    「……ルカ?」
    「……俺も、昔言われたよ、コウに」
     彼女の視線を向けて、琉夏も彼女を見やりうっすら笑む。
    「そうなの?」
    「コウは……、……。コウはさ、父さんから聞いたんだ。その事、俺には言わないけど」
     向けた視線を逸らして少し俯く琉夏を、彼女はじっと見やる。
     時々するこの表情を見る度に、琉夏の心の内が少しだけ外に出ているようで、彼女はほんの少しだけ胸が痛くなる。どうして痛くなるのかはわからないけれど。
     そんな気持ちを出さないで彼女は問う。
    「どうして?」
    「プライドじゃない?お兄ちゃんとしての」
    「プライド?」
    「……それ、言われたって事は、怖いものがあったって事だろ?」
    「……あっ」
    「それに、ヒーローには怖いもんなんてあるわけないからな」
    「確かに、そうかも」
     それから、再び話さなくなった琉夏の隣で彼女も黙り込む。
     そうやって時々何も言わなくなる琉夏。琉夏が何かを考えて何かを思っているのは伝わってくるのだけれど、彼女は何考えているの?とは聞かない。
     そうして、少し経ってから琉夏がぼそっと口を開く。
    「……コウはバカだからさ、こうと決めたら、……こうと思い込んだら貫こうとするんだ、コウだけに」
    「……」
    「あれ、ウケない?」
    「うん、そんなに面白くはないかな」
     彼女が手厳しく、でも、少し笑いながら頷くのに琉夏が少し笑む。
    「ま、コウの怖いもの、俺は知ってるけどね」
    「え、なに?」
    「……さぁ、何でしょ」
    「えー、わたしも知りたいよ」
     抗議する彼女を見て笑みを深める琉夏。
     いつもの琉夏の微笑みだった。
    「行こう。時間、間に合わなくなる。遅れるとコウがウルセーから」
    「えっ、ルカ、待って!」
     歩き出す琉夏についていく彼女。
     まだ残暑が残る季節、でも、空はもう限りなく秋めいていた。
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    Replies from the creator

    凜太(りんた)

    DOODLE人を好きになる経緯、色々。
    これはそのひとつの形。
    バ〇オとかのマップに落ちてる日記や手記、メモとかそれ系な感じのもの。それを拾って読んでいく感覚でお楽しみ頂ければ。七氏の心情の変化を感じてみてください。

    出会った頃の七氏の冷たさ、嫌いじゃないぜ。
    卒業前、普通から友好あたりまで。
    最後の「???」はオマケのエクストラステージ(?)
    七ツ森氏視点、マリィさんは元気いっぱい名無し子さん。
    移ろいと確信。SCENE1

    「な、な、つ、も、り、くーん!!」
     どこからともなく自分を呼ぶ声がする。それも、遠くから。
     マジで勘弁して……。
    「な、な、つ……あ!おーい!」
     校舎を見上げると、窓の一つから手を振る人物が目に入る。
     俺が見上げていると、彼女は笑顔で大きく手を振っている。
     トテモゲンキデスネ……。目立つようなコトをしないでもらいたいんですが?
     俺は手を振り返さずに、無視するコトにした。


    SCENE2

    「七ツ森くん!今日もかっこいいね」
    「……それはドーモ」
    「そういえば、昨日ね、七ツ森くんがはばチャで……」
    「待て」
    「え?……あっ」
     彼女は慌てて自分の口を押さえる。
     時々ポロッと出てくるから困る。バレたらどうすんだ。ホント、マジで勘弁して。最近、俺をNanaって呼ばなくなったと思ったら今度はこうだよ、勘弁してくれ……。
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