移ろいと確信。SCENE1
「な、な、つ、も、り、くーん!!」
どこからともなく自分を呼ぶ声がする。それも、遠くから。
マジで勘弁して……。
「な、な、つ……あ!おーい!」
校舎を見上げると、窓の一つから手を振る人物が目に入る。
俺が見上げていると、彼女は笑顔で大きく手を振っている。
トテモゲンキデスネ……。目立つようなコトをしないでもらいたいんですが?
俺は手を振り返さずに、無視するコトにした。
SCENE2
「七ツ森くん!今日もかっこいいね」
「……それはドーモ」
「そういえば、昨日ね、七ツ森くんがはばチャで……」
「待て」
「え?……あっ」
彼女は慌てて自分の口を押さえる。
時々ポロッと出てくるから困る。バレたらどうすんだ。ホント、マジで勘弁して。最近、俺をNanaって呼ばなくなったと思ったら今度はこうだよ、勘弁してくれ……。
5468