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    凜太(りんた)

    @Rintango99

    文字書きです。七マリ書いてます。
    桜井兄弟近辺(主にコウちゃん)のとても短い話を上げ始めました。
    よろしくお願いします。

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    凜太(りんた)

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    七マリさんです。
    テキストライブで書いたワンドロです。

    高校在学中、ときめき状態。
    七氏視点、マリィさんは名無し子ちゃん。

    ゆき。 雪が降っている。
     寒すぎる。ゼッタイ外は寒い。寒いのはキライだ。マジムリ、勘弁して。
     窓の外を眺めていると、寒気がしてフルッと体が勝手に震えてくる。
     今日は休日。学校がなくてよかったと喜ぶはずが、よりによってこんな日に仕事なんてあんまりだろ。
     どんなに天候を恨んでも憎んでも、いきなり晴れて暖かくなるワケでもなし、ノロノロと出かける準備をする。準備が終わる頃くらいには、気持ちが切り替わっているはずだ。
     元々、今日はオフだった。普通に休みの日でも仕事はあるし、急に「Nanaくん、悪いんだけど」って仕事が入る事もある。
     窓から外を見ると、地面が白くなっていてそれなりに積もっているのが遠くでもよくわかる。
     滑りにくいソールのブーツをクローゼットから取り出して玄関に置く。
     今日はとにかく温かさを重視。と言っても、ダサくならないように。
     意を決して玄関のドアを開けると、もうそれだけでいつもより寒い気がした。
     マンションのエントランスから外に出る。というか、マジですでに寒いんですが。
     思わず背中が丸まる。七ツ森実ならまだしも、Nanaが背中を丸めて歩くなんてあり得ないと背筋を伸ばして歩き出す。一歩二歩歩くとさくさくと音を立てる足元は、もう誰かに踏まれているから足を取られる事もない。
     外に出てみてわかった、結構積もってる。そして、思っていたよりも寒くない。いや、寒い。寒いけど寒くない。って思ってたら、風がヒューと吹いてきて、やっぱり寒いわ、寒くなくなくない、訂正。
     朝早いってワケじゃないのに、休日だから人もあまりで歩いていない。そりゃそうだ、わざわざこんな日に用もないのに外に出ないだろうし。
     雪かきをしている近所の家の人と、雪にはしゃぐ子どもと。
     この雪の中、犬の散歩をしている人とすれ違う。大型犬は、はっはっと楽しそうに白い息を吐いて大はしゃぎで飼い主を引っ張っている。
     犬は喜びってホントなんだな。つか、俺はにゃんタイプなんで、コタツで丸くなりたいすわ。
     不意に、ポケットに入れていたスマホが震えた。
     うわ、手ぇ出したくねぇ……。
     ポッケに入れていた手でスマホを取り出して画面を見て、ドキンって胸が弾んだ。
     彼女だ。
    『実くん、おはよう!雪降ってるね!』
     文面だけでも元気な笑顔が浮かんでくる。カワイイ。
     続いて、ピロンと音を立てて画像が送られてくる。
     雪だるまの写真。それも、それなりに結構大きい。これは、彼女の家の前付近。何度もバイバイしている場所だからすぐにわかる。
     え、マジで?コレ作ったとか言わないよな?
    『ゆきだるま、作ったの』
     マジだった。
     彼女は、近所のガキんちょと同じだった。
    『一人で作ったの?』
    『ううん、近所の子たちと』
     それからややして、着信音。今度はさっきのよりも小さい、バスケットボールくらいの大きさの雪だるま。小枝のメガネをかけている。
     思わず、笑いが零れる。カワイイ。
     コレ、俺だよな。……つっても、メガネかけてるヤツなんていっぱいいるし、じゃない可能性もあるけど。でも、『実くん!』と続いて送られてきて、笑みが深まる。可愛すぎる。
    『これから、仕事行ってくる』
    『お仕事だったんだね。いってらっしゃい!』
    「……行ってきます」
     いってらっしゃいって……文字見ただけで、余裕で声で再生される。
     彼女からのちょっとしたプレゼント。いや、今の俺のはめちゃくちゃでかいプレゼントだ。
     はぁ、スゲェやる気出た。雪も寒いのもキライだけど、彼女がいればそれもどうでもよくなってくるな。

    ◇◇◇

     撮影の休憩時間、スマホを見たら彼女からのメッセージ。
     見たら、珍しく動画だった。
     さっきの大きな雪だるまから始まって、多分他の子どもが作ったらしい雪だるまと、俺だるまとその隣に小さな雪だるま。
     クローバーのヘアピンらしきものが頭についている。きっと彼女だ。カワイイ。
     と、声が聞こえる。「おねえちゃん」と。近所の子どもの声だな。そして、その後に「きゃ」という彼女の声。「もう!やったな!」という声だけが聞こえてきて、その声は楽しそうに弾んでいる。そして、動画はそこで終わった。
     可愛くて、堪らない。そばにいたい。今すぐ、彼女に会いたい。
     つか、雪玉当てたガキんちょに俺がやり返してやる。
     雪合戦なんてやる気もなかったけど、彼女が係わっていたら話は別だ。
     明日、学校できっとこの話になるだろうな。雪だるまを作った話と、雪合戦の話。
     あの、雪だるま、見せてもらいたい。
     明日には雪は溶けるだろうけど、雪だるまはまだ残っているとイイ。
     まだ、少しだけ寒くてもイイかもしれないと思ったのは初めてだった。
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    Replies from the creator

    凜太(りんた)

    DOODLE人を好きになる経緯、色々。
    これはそのひとつの形。
    バ〇オとかのマップに落ちてる日記や手記、メモとかそれ系な感じのもの。それを拾って読んでいく感覚でお楽しみ頂ければ。七氏の心情の変化を感じてみてください。

    出会った頃の七氏の冷たさ、嫌いじゃないぜ。
    卒業前、普通から友好あたりまで。
    最後の「???」はオマケのエクストラステージ(?)
    七ツ森氏視点、マリィさんは元気いっぱい名無し子さん。
    移ろいと確信。SCENE1

    「な、な、つ、も、り、くーん!!」
     どこからともなく自分を呼ぶ声がする。それも、遠くから。
     マジで勘弁して……。
    「な、な、つ……あ!おーい!」
     校舎を見上げると、窓の一つから手を振る人物が目に入る。
     俺が見上げていると、彼女は笑顔で大きく手を振っている。
     トテモゲンキデスネ……。目立つようなコトをしないでもらいたいんですが?
     俺は手を振り返さずに、無視するコトにした。


    SCENE2

    「七ツ森くん!今日もかっこいいね」
    「……それはドーモ」
    「そういえば、昨日ね、七ツ森くんがはばチャで……」
    「待て」
    「え?……あっ」
     彼女は慌てて自分の口を押さえる。
     時々ポロッと出てくるから困る。バレたらどうすんだ。ホント、マジで勘弁して。最近、俺をNanaって呼ばなくなったと思ったら今度はこうだよ、勘弁してくれ……。
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