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    みみみ

    @mmm_scboy

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    みみみ

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    バードゥさんの呟きhttps://twitter.com/tori_ba121/status/1361517330556014596?s=20
    が大変性癖だったので、勝手に書きました。
    地味に続き書いてます。

    whiteout

    『おい、家来一号、スカー、朝になったらすぐに助けに行くからそこを動くなよ!』
    『勇者さまのことを頼みましたよ、スカー』
     魔力が切れてしまったのか、通信用のオーブは心配そうにのぞき込む
    ライアスとミュゼルカの声を最後にプツン、と途切れてしまった。
    「すみませんスカーさん、私を庇ってくださったばかりに」
    「いや、雪道に慣れていない君にもっと目を配るべきだった……私の落ち度だ、すまない」
     拠点近くの山で雪遊びをしていたアステル達だったが、あっと言う間に視界を奪うほどの豪雪に見舞われてしまった。
    しまり雪の上に積もった新雪に足を取られたアステルは、なだれ落ちる新雪に巻き込まれてしまい
    彼女を庇おうとしたスカー共々、山を滑落してしまったのだった。
    滑落した場所の近くに小屋を見付けた二人は、そこに避難をするとアステルが持っていた通信用のオーブで拠点の仲間たちと連絡を取ることに成功した。

    「幸い、拠点の皆と連絡も取れたことだ、今夜は下手に動かずにここで夜を明かすとしよう」
    「そうですね……」
     辺りが暗くなると、吹雪が窓を打ち付ける音が一層大きくなったように感じて、
    アステルは慌てて窓際から離れた。
    その間にも、スカーは慣れた様子で床板を外し、その下に作られている収納スペースに保管されていた備蓄品を引き上げる。
    「わあ、すごい!」
    「ここは元々、この辺りを警備する騎士団員の詰め所だった小屋だからな
    非常用に備えていた水や干し肉も無事なようだ、今夜一晩を過ごすには問題ないだろう」
     そう言って、スカーは暖炉に薪をくべて火を起こすと、自分の服を脱ぎだした。
    「す、スカーさんッ?!」
    「滑落した時に雪で服が濡れてしまったからな、
    濡れた服を着ていてはどんどん体温が奪われてしまうぞ……
    君も早く服を脱いで、こちらに来て暖を取りなさい」
    「そ、そう言われましても……」
     スカーに下心などないと分かりきっているが、それでもアステルは
    そうしなければ命にも関わりかねないと分かっていても、好きな男性の前で
    下着姿になることに抵抗を覚ええずにはいられなかった。
    「あ……ああ、すまない、そうか……私が居ては君が着替えられないな……
    しかし、そのままで居るわけにもいかないだろう、私は向こうを向いているから
    服を脱いだらこの毛布にくるまりなさい」
     そう言って、一枚だけあった毛布をアステルに渡すと、スカーは部屋の角で小さくなってしまった。
    その姿に、少し緊張がほぐれたアステルはすぐにぬれた服を脱ぐと、スカーに渡された毛布にすっぽりとくるまった。
    「もう大丈夫です、スカーさんも寒いからこっちに来てください」
    「あ、ああ……失礼するよ」
     そう言って、ぎごちない動きでスカーはアステルの傍に寄ると、濡れた服を暖炉のそばで乾かした。
    「すまない、どうも騎士団に居た頃の感覚が抜けていないようだ……
    騎士団では男女の差異などあまり気にしていなかったが……もっと気を使うべきだったな」
    「あの……騎士団にも、女の人は居たんですか?」 
    「ああ、多くはないが陛下は性別に関係なく熱意ある者は取り立ててくださる方だったからな、
    王妃陛下も、元は騎士団出身の御方だった……」
     思い出に目を細めるスカーの隣で、アステルはムッとした顔で黙り込んでしまった。
    「ど……どうしたんだ、アステル何を怒っているんだ?」
    「別に、何でもありません!」
     異性として意識していないとは分かっていても、想い人が自分ではない女性の裸を見たことがあると言う事実は、年頃のアステルにとってはやはり面白くない。
    ツン、とそっぽを向いてしまったアステルの機嫌を損ねた理由が検討もつかないスカーはただただ困惑するばかりだった。
    「そ、そうか……とにかく君は体が冷えないように暖炉にあたっていなさい」
     そう言って、暖炉のそばから離れようとするスカーの腕をアステルは慌てて掴んだ。
    「だ、駄目です、だってそれじゃあスカーさんが風邪を引いてしまします」
    「私は真冬の遠征も経験をしている、これくらいの寒さなんてことはないから心配しなくて良い」
     スカーはそう言うが、掴んだ腕は氷のように冷たくなっていた。
    「私だってスカーさんのことが心配なんです、だからそんな風に言わないでくださいッ!!」
    「あ……ああ、すまない」
     アステルの剣幕に気圧されたスカーは、素直にその隣に座りなおした。
    「す、すみません……」
    「いや、構わないよ」
    「あの……毛布、スカーさんも一緒に入ってください」
    「しかし私が入っては君の体が隠れなくなってしまうだろう」
     スカーはそう言って、すっぽりと毛布にくるまるアステルの方をチラリと見るが、
    慌ててすぐに視線を逸らしてしまった。
    「じゃあ、こうしましょう!」
     そう言ってアステルはスカーを暖炉の真ん中に座らせると、その膝の上に乗って
    スカーの体ごと毛布にすっぽりとくるまった。
    「これなら、二人とも寒くないですよね」
    「あ、ああ……そうだな」
     満足そうに自分を見上げるアステルの機嫌が直ったことに安堵したスカーであったが、
    また別の懸案が彼の頭を悩ませていた。
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