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    みみみ

    @mmm_scboy

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    みみみ

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    おねしょしたのを隠したいショタハルトとミルド王の話。
    昔からずーっとなんかこう言う擬似親子エピソードの5つや6つや36個くらいあっただろうと思ってました。

    それはふたりだけのひめごと 夜中に目を覚ましたリーンハルトは、パジャマのズボンがぐっしょりと濡れて冷たくなっている事に気づき、この世界が終わる程の絶望感に襲われていた。
    まだ5才の子供が粗相をする事など珍しいものではないのだが、それでもリーンハルトは恐ろしかった。
    ミルド王夫妻に失望される事が、お前なんかいらない子だと言われることが、何より恐ろしかった。
     見回りの衛兵に気づかれないように、声を殺してべそをかきながらリーンハルトは世界地図を描いてしまったシーツを引きずり、真っ暗な王宮の廊下をそろそろと歩いていた。
    どうやってこの秘密を一人で処理するかなど、到底幼いリーンハルトに思いつく訳もなかったが、それでも自分が犯した重大な失態をどうにかして隠蔽しなければと、リーンハルトの頭にはそれしかなかったのだ。
    「おや、リーンハルトどうしたこんな夜中に」
     その声に、リーンハルトは背中を大きく震わせた。
    恐る恐る振り返れば、そこには今誰よりも会いたくなかった、誰よりも敬愛するミルド王が、カンテラを持って立っていたのだ。
    「どうした、怖い夢でも見たのか?」
    「あの……おれ……」
     背中に隠したつもりだろうが、小さな体からはみ出したぐしゃぐしゃに丸められたシーツ、股の所の色が変わってしまったパジャマ。
    そして何より、自分を見て酷く怯えているその瞳。
    リーンハルトの身に起こった事を、リーンハルトがしようとしていた事を理解したミルド王はふむ、と髭を撫でるとリーンハルトの目線に合わせてしゃがみこんだ。
    「のう、リーンハルト今から風呂に付き合わんか?」
    「おふろ、ですか?」
    「ああ、そうじゃワシ一人では寂しいからな」
     呆気に取られたその小さな手を握ると、ミルドは何も言わずに王専用の浴場へと連れて行きパジャマを脱がせて湯舟に浸からせた。
    「あの、怒っていませんか……」
    「ほっほっほ、何のことかのう?」
     おずおずと自分を見上げれるリーンハルトに、ミルド王はとぼけたように笑って見せる。
    「さて、あまり長湯をしてはいかんからそろそろ上がるかな」
     そう言って、従者に持って来させた新しいパジャマをリーンハルトに着せてやる。
    「こりゃいかん、ワシとしたことがリーンハルトのシーツまで洗い係に渡してしもうたな、これからシーツを張り替えるのも手間じゃろうて、今日はワシの部屋で一緒に寝なさいリーンハルト」
    「え、良いんですか?」
    「ほっほっほ、ワシは寝相が悪いからな、蹴とばしてしまったら許してくれ」
    「へへ、俺もです」
     ようやくリーンハルトの体から強張りがとれて、笑顔を見せるとミルド王は安心したように微笑んで、またその小さな手を握って寝室へと向かった。
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    koyubikitta

    DOODLE一緒にいても何とも思わないけど一緒にいなかったらなんとなく不安になる夜帳と比鷺
    #お題ガチャ #男ふたりの色んなシーン https://odaibako.net/gacha/1739?share=tw

    早野の夜鷺さんへ贈るタイトルお題は、『書を捨てよ、此処を発とう』 です。
    #shindanmaker #同人タイトルお題ったー
    https://shindanmaker.com/566033
     浪磯の部屋を引き払って別の部屋を借りる予定だと聞いたのは、その部屋を明け渡すほんの数日前の事だった。というかつまり、今日初めて知った。
     萬燈夜帳が契約している部屋はいくつか存在しており、浪磯にあるマンションの一室もそうだった。バルコニーから海が見えるその部屋に、比鷺は何度か足を運んだ。山ほど本やCDがあるんだろうと思ったが、それほど物はなかった。当然だ。彼の自宅は別にあるのだから。広くてシンプルなのに殺風景ではない、趣味の良い部屋だと思った。
     良い風じゃん、日当たりも良さそう、トマトでも育てれば? なんていい加減なことを言いながら不思議な気分になったのをよく覚えている。出会ったばかりの頃はずっと萬燈に怯えていた。今は……今はどうだろう? 怯えたって仕方がない相手だとは思う。怖い部分もあるし、可愛い部分もある。人間らしいな、と思うときも人間らしくないな、と思うときもある。まあだから、つまり、慣れたんだろう。慣れた比鷺はふかふかのソファに寝そべってテレビで洋画を見たりもした。自分が介入できない映像を二時間も見続けるのは大変だな、と思って、次はあまり使ってないゲーム機を持ち込んだ。萬燈と対戦して、勝ったり負けたりする。……まあ、トータルでは俺が勝ったけどね。
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