口説いてもいい？「口説いてもいい？」
「え？は？………いいぜ？やってみろよ」
「その流れで言うの嫌じゃない？」
「ま、まあ」
「いっか……ねえ、」
「お、おう」
「好きだよ。君が好き」
「……？」
「なにその？？？は」
「いや、てっきりお前の師匠みたく修飾語てんこ盛りで蝶だの焼きつくされるだの言い出すかと思ってたから…」
「やめてくれる？気分悪い」
「わ、わり…でもさ」
「まあそのつもりだったしさっきまでというか普段からいくらでも君の可愛らしさや愛らしい仕草とか形容する言葉なんて溢れかえってたんだよ…なのにさ、本当に好きな相手の前だと頭真っ白でそんな言葉出てこないんだなって今愕然してるしわりと死にそうなんだけど…あれ？私ちゃんと君に好きって言えてた？」

ばらばらになる(短編まとめ)吹っ飛んだ
わ。

状況に不相応な腑抜けた声が出た。ひゅっ、と息が詰まるような恐れをあらわにしてしまえばそれこそ現実として受け入れる事と変わりはないのだと身体が咄嗟に防衛本能を働かせたからかもしれない。一瞬の硬直の後やるべきことをはっきりと思い出す。数えないと。間違いがないように。
六。十七。二十九。
遠くの方で、沢山の人の悲鳴が聞こえる。空を切り裂くような音も。でも全部が別の世界の物事に思えて現実感が希薄だった。そのうち何も聞こえなくなって静寂の中、ただ数を数え続ける。そういえばジョンはどこにいったんだろう。ずっと抱きしめていたはずなのにな、おかしいな。
九十四。
数えなきゃ、数えなきゃ。足りなくなったら困るから。

ドラちゃんねる登録者数×××万人突破お祝い企画結局あのエスコート企画はなくなったらしく、代わり、応募者に抽選でドちゃんの手料理お届け5歳と○同伴、移動1時間圏内の方もしくは取りに来れる方のみとなった。
のを、我々畏怖民はなぜか凄く不機嫌にしかし大事に砂を抱える5歳児から聞かされるふざけんな心狭いぞスパチャできた

企画配信まずはドラちゃんクッキング

当選者へのお届け用の手料理は、当選者本人からのリクエスト品を用意する。
この日は肉じゃがと卵焼き、鮎の炊き込みご飯、おまけでひじきの煮物と里芋煮転がしだ。
家庭の味が恋しくて、とメッセージがあったらしく、近所のスーパーや八百屋さんで手に入る材料で手軽にできるをコンセプトにレシピを作ったよ、とドラドラちゃんが笑う。かわいい。