小ネタ 勇者メガ様と魔王なロディ もざのネタバレがあり。
ロスライ城最深部 大広間
「ふははっ!!よくここまで辿り着いたな勇者よ!」
「これが、魔王…」
本当に建物内なのかと疑いたくなる程高い天井。そこから吊り下げられた豪華絢爛なシャンデリアは勇者と呼ばれた、中央に佇む銀の機体を煌々と照らしだす。ドーム状に造られたそこは正に決戦の場としては相応しいだろう。そこからさして離れていない暗がりの、禍々しい玉座から人影がメガトロンの前に降り立つ。未だ姿は見えない…が、眼前の獲物を見据えている目だけは怪しくかの存在がそこにいる事を証明していた。
「今更怖気ついたか!だがもう遅い!貴様は我が炎の塵にしてくれよう!!」
影が鈍く光ったと思うとメガトロンに向かって火球が飛んでくる。それを軽々と往なしつつぽつりとつぶやいた。
「…まさか。……こども、とは…」
「ざけんなよ!おっさん!!これでも立派に魔王なんだからな!!」
って暗がりからバッて出てくるロディとそれを見下ろすメガ様。せっかくムーディーな雰囲気にしてやったのにって拗ねるロディ。
「つか、老けてね?勇者って普通もうちょい若いやつが来るんじゃねぇの?」
「生憎剣を引き抜けたのが私だけだったんでな。」
ほれって明らかにピコハン(ピコピコハンマー)を片手で振るメガ様。所々に赤いシミがついている。
「いやそれ引き抜いたと言うかスーパーかなんかで買ってきたの持って来てない?通りで倒されたやつ、刺し傷じゃなくて打撲傷の方が多いって思った!!」
まぁ兎に角!!勝負だ!って時にロディに着信。
「あ、すまん!ちょい待ち」
って無防備に背中向けて呑気に電話する。
たぶん電話相手はドリ…。たぶん親切にメガ様待ってくれると思うよ…なんで自分こんな馬鹿正直に待ってるんだろうって思いながら。
『ロディマス!![新作ゲーム]やろう!』
「え!?それちょー気になってたやつ!!やるやる!でも今立て込んでてさ…おけ!後でお前ん家いくから!絶対な!」
「悠長だな…私はお前の側近を殺したのだぞ。それともこれが魔王の「え、まだ生きてるぞ?」」
耳に人差し指をを当てながら謎パワーで何処かまたは誰かに通話するロディマス。
「ミニマス?俺おれ、いやオレオレ詐欺じゃないから、ちょい大広間まで来てくんね?」
謎パワーで大広間の中央に扉が出現。その中から小さな人影が。
「ロディマス私はアーマーの修復で忙しいんだ。用があるなら事前に連絡を、ぅ!?」
扉から出る暇もなくロディマスに抱えられ、某映画のように持ち上げられる。
「じゃじゃーん!!セカンドコマンダーのマグナス!!可愛いだろ!」
「ゆ、勇者メガトロン!?」
もうここまで来てたのか!!引き攣った声の主はまさに先日倒したウルトラマグナスの声で。小さな緑色はメガトロンを見るや咄嗟にロディマスの腕を抜け、庇うように前に出る。
「ロディマス逃げろ。」
「え、やだよ。」
「私1人でも時間は…ッ!!まだ君は未熟なんだぞまさか戦う気か?」
「それが魔王だろ?まぁ派手にあいつに勝つさ。さぁ戦いだ!!」
人情ドラマもどきを見せられて戦意を削られたメガ様…剣(?)を持っていた腕を下ろす。
「……殺る気が失せた」
「こっちは準備出来たっつってんだろ、おっさんそれとも俺にびびったkッ!」ピゴッ
「ロ、ロディー!!!!」
イラってしたメガ様のピコハンスイング(手加減されてる)を喰らって吹っ飛ぶロディと緑の顔が真っ青なミニマス。ロディ目を回してるけどすぐに回復できると判断して、帰るって言ってクルって回れ右する。
それからそれから、メガ様ここ数日間が激戦すぎて何も食べてなくて近くの森で倒れてるのを発見されます…。
そしてなんやかんや魔王城に連行されます…。
ベットですやすや寝てるメガ様見ながら難しい顔してるロディ。
「え、コイツ俺が倒さないといけないんだよな…?」
勇者が弱ってる所叩いても魔王としての威厳下がるだけだし………うんうん唸っていたロディにいい考えが。
というワケでお前が元気になるまで此処で休んでけってドヤ顔の魔王(ロディ)に何言ってんだコイツな勇者(メガ様)による療養生活in魔王城。
少し後の時間軸です。
ドラゴンに変身できるロディとそれを軽々投げるメガ様[投げれずにロディの下敷きになってもいい]とか、お忍びで城下町に遊びに行くロディとメガ様がいたり、あんたと並ぶと魔王の威厳が無くなる…もうちょい離れろって肘で突いたり、……そんなハピハピな…いつか魔王を殺す勇者の、勇者に殺される魔王のお話。