わたしが読みたいだけメイドカフェ「カフェイベント?」
「はい! たまには何か催物をしてみようかな〜って思いまして。でも、なかなかいいアイデアがないんですよね……」
「それならいい案がありますわよ」
「えっ、なんですか!?」
「……かくかくしかじかごにょごにょ……」
「え〜!?!?! そんなことができるんですか〜!?」
◆◆◆
今日も胡蝶茶楼に立ち寄ると人だかりができていた。よく見れば殆どが男。何事かと眺めていたら、店の中から劉が出てきて、男たちを並ばせついでに最後尾のプレートを持たせた。
「ん? よお」
「息災か。なんだこの列は」
「あー……これなぁ……。まあ、中に入りゃわかるよ。テメーの席はもう取ってあっから、入れや」
リン、といういつも通りの鈴の音を鳴らす扉をくぐると、普段とは違って西洋風に飾り付けられた空間が広がっていた。更には、なんと言ったか、そう、メイド服を着た知り合い達が提供していて、間違えて違う店に来てしまったのかと思った。そういえば劉もいつもの格好ではなく燕尾服だ。
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