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    じいちゃん、何考えてたんですか

    ほぼ箇条書き
    考えるな、感じろ

    愛した人に先立たれた
    それでも生きていこうと思う

    碌でもない息子が可愛らしいお嫁さんを連れてきた
    小さな命が生まれて、すくすく育っていく

    また小さな命が生まれた

    小さな花のような子が旅立った

    碌でもない息子でも、愛してた

    アイツが最後に残していった宝物を受け取った
    少しずつ慣れていければと思う
    碌でもない生き方しかできないのは、誰に似たんだろうか
    弱くてもいい、ただ真っ直ぐに、大事なモノを守れる人になってくれれば

    あんなに小さかったあの子が自分の店を持った
    誇らしい限りだが、ちゃんとやっていけるのか心配でもある
    まだ小さいあの子が友達連れてチームを作ったらしい
    やっぱり碌でもない奴らばっかだ
    宝物が恋をしたらしい
    しっかり芯を持ったやつだと聞いて安心した
    幸せになって欲しいと思った

    あんなに小さかったあの子が、ワシより先に行った
    碌でもないと何度も思ってたけれど、最後まで親不孝者だ
    まだ小さいあの子は泣かなかった
    宝物は大泣きしていた

    宝物が空へ帰った
    まだ小さいあの子の背中の上で神様に奪われた
    宝物を壊したヤツももう息をしていないらしい
    この手で奪いたかった
    幸せに、なってほしかったなぁ
    その時、ワシの知らなかった宝石を失った
    大事にしてやりたかったのに、存在を知らなければ触れることもできないだろう
    どうして黙っていたのだと返事をしないあの子に問いかけた

    まだ小さいあの子が家を出た
    真っ黒な眼にはもう何も映らない
    編み上げのブーツを丁寧に履くその背中は、いつの間にか大きくなっていた
    「いつでも帰ってこい」
    「……じゃあね、じーちゃん」
    そんな顔は似合わん
    背伸びしなくともいいのだと、そう言ってやれない自分が情けない
    それを伝えるのは小さかったあの子と宝物だったから

    あの子が帰ってきた
    冷たい体温
    目もやれないほど崩れた身体
    真っ白になった髪
    それを染める紅
    細くなった手足
    ワシの知っているあの子とはかけ離れていた
    それでも、あの子だった
    「帰ってくるなら、自分の足で帰ってこい」
    またワシは置いていかれてしまった
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