まさかチェスの勝敗でハングマンと付き合うことになるとは考えてなかったボブは、自分の迂闊な発言に頭を悩ませていた。
本来であれば今の関係を崩す気などなかったのに、急かされてつい言った言葉が「付き合って欲しい」とは墓穴を掘るにも程がある。しかも予想に反してハングマンは受け入れ、さらにキスまでしてきた。ここまででボブの頭の中はいっぱいいっぱいだった。
ハングマン相手にどう接していいのか分からずここ数日は徹底的に接触を避けていた。訓練がある時も終われば速攻で部屋に戻っているので、他の仲間からも訝しげな目で見られている。
そこまでしていたのに、なんと今日はハロウィン。基地が開放され、訪れた子ども達に菓子を渡すのは憧れの対象であるパイロット達の役目だ。つまり、ハングマンとの接触は避けられない。
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