ワンドロお題「荷物」何が悪かったというわけでもない。
気温の寒暖差、悪路に次ぐ悪路、そんなものは当たり前。問題にする方がどうかしている。
痛んだ身体、それもまたよくわかっている。この身体と付き合って生きて行くと決めた。そういう見極めは得意な方だった。
「だから」「倒れるわけがない」そう思おうとしてー
そこで意識が途切れた、らしい。
気がついたときは、相棒に背負われていた。
状況を理解しても、焦ることすらできなかった。
体中が悲鳴を上げて、おそらく発熱している。力が入らない。
意識が戻った事がわかったのだろう、相棒ーラーハルトが溜息をつくのがわかった。
「すまない、荷物になった…」
それだけ言うのがやっとで、せめて完全に意識を落として負担になることだけは避けたくて、必死にしがみついていた。
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