第1話、季節外れの桜舞う。 7月中日。
夏休みもまだなのに…これから来る8月が心配になってくる程の暑さの中。
「貴方様に審神者になって頂きたく」「政府の役人として」「歴史を正しく守って頂きたく」「血縁の方も審神者を」「是非とも前向きにご検討の程宜しくお願い致します。」
いきなり来た暑苦しい黒のスーツを纏った胡散臭い言葉をつらつらと並べる大人。
「…はぁ、、」
母の貴重な休日だと言うのに。時の政府だと名乗るこの聞くからにやばい宗教からのやばい人。
「信じて頂くことは難しいとは思います。しかし真実なのです。もし引き受けて頂けるとなれば、、、ご家族の事は我々が責任をもってバックアップさせて頂きます。」
「え、、」
母はこれを聞いて激怒。
娘になんて事を、何故そんな意味の分からない役所に、すぐに帰って下さい、と。
私が幼稚園児だった頃に離婚。
3つ下の弟と私をここまで健康に、愛を惜しまず育ててくれた母。
「…」
嬉しかった。
「あの、、」
だから返事は決まった。
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季節外れの桜が舞う。
私はこの日、審神者になった。