貴女を攫いに来ました任務帰りに呼び出され向かった学長室で唐突に告げられた。
『七海が呪詛師に認定された』
頭は理解に苦しみ思考が止まっているのに、隠したはずの心は悲鳴をあげた。
「な……」
絞り出そうとした言葉は続かず、察した学長が詳細を話し出す。
「働いていた会社の同僚や上司の非術師十七名を殺害後行方を眩ませた。現在はーーー」
学長の声が霞んで聞きづらい。
息がしにくい。
呼吸ってどうするんだっけ。
「もしかしたら、お前に………耀!大丈夫か!?」
遠くで私を呼ぶ声がする。
大丈夫と言いたいのに声が出ない。
息ができない。
意識が、遠のく……。
久々の単独任務。
廃墟の中に呪霊の気配を確認して帳を下ろす。
と同時に呪霊の気配が消える。
え?どういう事?
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