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    liliy_usano

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    liliy_usano

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    双子の姉妹 第3話。
    しぶでも上げてるやつの続き

    双子の姉妹。上空一万メートルの旅客機の中。
    私、蓬莱奏風と栞はジンへ渡す資料を作っていた。

    〈全く、何で私たちが海外勢のNOCについて探らないと行けないのよ!〉
    〈情報収集ならバーボンの方が良いのにね。〉
    〈バーボンは今、ベルモットと結託して毛利探偵に弟子入りした辺りかな?〉
    〈こっちも学業で忙しいのに...。〉
    〈ホントだよ。学校に海外にいる親戚の結婚式に呼ばれたから休む、って嘘を通さないといけない私たちの身になって欲しいよね!〉

    はい、そんな訳で現在帰国中の私たちです。
    色々とコナンくんたちの周りを盗聴させて貰った結果、原作的には結構進んでいる事が判明している。

    だって安室透が弟子入りするの、原作だとわりと最近だったしね。私が死んだ後に進んだだろうけど。
    赤井も沖矢になって工藤邸にいるし。
    哀ちゃんも組織から逃げ出した当初より朗らかな笑顔が増えているもの。

    〈そう言えば、奏風。〉
    〈ん?〉
    〈高木さんからまたメール来てなかった?〉
    〈あー、来てた。流石に、そろそろ会ってあげないと高木さんが可哀想だよね...。〉
    〈絶対、萩原だけじゃなくて松田も付いて来ると思う。〉
    〈...確かに。そうだ、原作でもよく登場していたラーメン屋さん、行かない?ご飯食べながらだったら、高木さんも同席して貰えるし!〉
    〈良いんじゃない?〉

    よし。
    空港に到着して早速高木さんへとメールを入れる。
    会うのは三日後の夜。夕食を食べながら、高木さん同席で。
    他の人も誘って良いですよー、っと。

    おわ、返事早っ。
    そんでもってめちゃくちゃ感謝された。
    高木さん、本当にごめん。放置しててごめん。

    「じゃあ、ジンに会いに行こっか。」
    「ベルモットにも会いにお出でって言われているからね。」
    「今夜はジンのとこに泊めてもらって、明日の夜にでもベルモットに会いに行こう。で、明明後日にラーメン屋さんね。」
    「帰国早々に忙しいね。休日で良かったよ。」

    本当にね。
    ジンとベルモットにはご褒美を所望しよう。
    もう高2だし、いつものご褒美だから受け入れてくれそうだよね。

    「奏風は本当にベルモットとジンが好きだね。」
    「まーね。」
    「筋肉痛になっても知らないよ。明日の夜はベルモットのとこ、って事を忘れないでね。」
    「はーい。」

    翌日、案の定筋肉痛になった。まあ、日中寝てたら治ったけどね。
    栞は、何故か一晩中ウォッカとテレビゲームしていたらしい。
    いや本当に何で。
    ウォッカも栞も私も寝不足な中、ジンだけは平然としていた。解せぬ。

    「ベルモットーーー来たよーーー!」
    「あら、早かったわね。」
    「...。」

    何で、バーボンまでいるの??
    しかもベルモットの髪を乾かしているバーボン。
    うわ、新鮮。写真撮りたいけど我慢しなきゃ。
    というか二人ともバスタオル巻くだけじゃなくて服着ろよ。

    「ごめん、ベルモット。もっとゆっくり来た方が良かった?」
    「姉さんはテンション上がると後先考えないから...。」
    「だって...久しぶりに会えて嬉しかったから。」

    「君塚姉妹はそこのソファで待っていなさい。」
    「はーい。」
    「バーボン、さっき話した通りに頼んだわよ。」
    「ええ、分かってますよ。」
    「ベルモットー、この果物食べて良いー?」
    「良いわよ。」
    「やった!」

    喜ぶ私にため息を吐く栞。
    ごめん、気分上がってるのは事実だけどさ、抑えられないんだよ。
    鼻歌交じりにスルスルとリンゴの皮を剥いていく私に、バーボンは不思議そうに首を傾げる。

    「今日はいつも以上にハイテンションですね?」
    「うん!昨日帰国した後にジンからご褒美貰ったから!」
    「へぇ...。あのジンがご褒美、ですか。」
    「...バーボン、止めた方が良いよ。姉さんと同じご褒美を強請るのは。」
    「...何故?」
    「ハードだから。休まず一晩中とか死ぬわ。私は絶対に強請りたくない。それよりウォッカとテレビゲームしてる方が楽しい。」
    「えぇ?楽しいのになぁ。」
    「あら、妬けるわね。私も久しくマティーニを作れていないのに。」

    栞とベルモットからの少し遠回しな言い方に気付いたのか、バーボンはいつも崩さないその顔に驚愕の色を乗せた。
    良いじゃない。ジンは前の私の推しなんだもの。
    それにジンもこんなご褒美なら別に良い、って与えてくれるし。

    「そうだわ。君塚姉妹、明日から一週間くらい私と旅行しない?」
    「ダーメ!!」
    「誘いは嬉しいけど、私たち明日から学校。」
    「それに明後日の夜は知り合いの刑事さんとラーメン屋さん行くんだから!」
    「こっちからした約束は断れないよ。」
    「そう、残念だけど仕方ないわね。」

    「君塚姉妹は、警察に知り合いがいるんですね...。」
    「そりゃあね。」
    「情報収集にも役立つ。」
    「あと普通に見てて楽しい。」
    「バーボンも来る?」
    「高木さんって刑事と、私たちに会いたいって刑事さんたちが来るんだけどね。」
    「...いえ、遠慮しておきます。」

    あら残念。友人と再会する降谷を見れるかと思ったのにな。




    そしてベルモットからもご褒美を貰って、久しぶりの登校をした次の日。
    高木さんに上がる時間を聞いていたため、その時間に合わせて私たちは死ぬほど美味いというラーメン屋へ向かった。
    私たちが来た時には男性客が一番奥の席に座り、丁度今来た所なのか注文をしている最中だった。

    「いらっしゃい!」
    「こんばんは。二人、と後から数名知り合いが来るんですけど、大丈夫ですか?」
    「おう、問題ねーぜ!何せ客が殆ど来ねーからな!」

    それは逆に問題ありでは。
    まあ良いか。
    奥にいた男性客の隣りから詰めて座り、とりあえず高木さんにメールを打つ。
    お店に到着しましたよ、っと。
    すると高木さんからもうすぐ着くと連絡が入った。
    よし。

    「...で、何で此処にいるの?スコッチ。」
    「っ!っゴホッゴホッ」
    「大丈夫?」
    「な、なんで...!?」
    「しーっ。日々ベルモットの変装を見てきた私たちを騙せると思ったの?」
    「...。」
    「まあ良いや。問題なく生活出来てるみたいで良かったよ。」
    「バーボンから情報貰って、私たちの監視にでも来たってところかな。」

    図星か。まあ、気になるよね。
    組織に入っている人間が、刑事と知り合いなんて聞いたら。
    来るとは思ってたよ。諸伏が来るとは思ってなかったけど。

    ガラッ
    「いらっしゃい!」
    「こんばんはー」
    「あ!高木さん!」

    入って来たのは、高木さん、伊達、萩原、松田、の四人。
    やったね大将、今日は盛況だね!

    先に注文していた私と栞の分が出され、四人の刑事たちも注文する。

    「久しぶりの友人、でしょ?」
    「......君たち姉妹は、一体誰の味方なんだ...。」
    「強いて言うなら自分たちの、かな。」


    「それで、態々高木さんを通して私たちを呼んだ理由はなんですか?」
    「あ、そうだった。7年越しになるけど、あの時は叱ってくれてありがとうな。
    えーっと、そっくりだから分かんないんだけど、あの時に会ったのはどっち?」
    「...。」

    え、笑顔が眩しい!!声がイイ!!
    そっと栞を示し、私は萩原さんから視線を逸らす。

    「お嬢さんの方か!シュヴェスター、って名前は聞いてたけど、それだと呼びにくいから名前聞いても良いかな?俺は萩原研二。」
    「...蓬莱 栞。こっちは双子の姉の奏風。」
    「い、いや、栞?私の紹介はしなくて良いからね??」
    「栞ちゃんと奏風ちゃんね!」

    推しの笑顔が凶器!!
    推しに名前呼ばれたーーー!!
    もうこの空間に推しがいすぎてどうしたらいいのか分かんないよ!!

    「栞ちゃんがあの時の女の子だとすると、あの時言ってた“女の子”は...奏風ちゃん?」
    「そう。」
    「待って。栞は何て言ったの??」
    「......。」
    「ちょっと栞?!無視しないで姉さん悲しい!!」
    「女の子に頼まれた、あの子をガッカリさせないで。だったかな?」

    〈“あなたの事を愛して止まない女の子から頼まれた”って言った。〉

    「ひぇっ」

    し、栞ーーーーー!!!!!!
    栞から伝えられた内容に、思わず赤面してしまった。
    叫ばなかった私を褒めて。
    こっそり笑っている諸伏を叩きたい。
    何笑ってんですか!!
    お願い萩原「愛して止まない」の部分は忘れていて!!

    「てことは、奏風の方が俺と観覧車乗ったやつか。」
    「...高級レストランのメニュー風に言うと、“警察と観覧車〜犯人と爆弾を添えて〜”。」
    「え?!」
    「何故メニュー風??」

    私の言葉に高木さんと伊達は驚き、そして僅かに諸伏も身動ぎした。
    まあ、驚くよね。
    そんで萩原、そこは突っ込んじゃダメ。ノリで言っただけだから。

    「あの時の笑顔は凄かったな。台詞と合ってなくて。」
    「...奏風、何て言ったの?」
    「ん、んー...何て言ったかなぁ...?」
    「満面の笑みで犯人に」
    「わー!言わなくて良いから!!」

    慌てて松田の声を遮れば、彼は声を殺して笑った。
    もう!栞に聞かれたくないんだって。
    まあ、もしかしたら知られているかも知れないけどね。
    栞には予知と千里眼があるし。

    「そんな話より、折角のラーメンを味わって行きましょーね!」
    「はい、お待ちどーさん!」

    ヤケクソなのは認める。
    しかし大将もタイミングが良いな!

    「あ、そうだ。シュヴェスターって登録名変えてもいいかな?分からなくなっちゃって...。」
    「ん、良いよー。漢字分かるー?」
    「私が打ってあげる。」
    「ありがとう、栞さん。」

    笑顔でお礼を言う高木さん。
    でもね、私が言うのもなんだけど、人に携帯電話渡すのはどうかと思うの。
    まあそれだけ信用されてる、って事で良いけどさ。

    「えーっと、蓬莱奏風、っと。あ、私の番号も登録するね。」
    「栞、抜け目ないなぁ...。」
    「伊達、萩原、松田。」
    「ん?」
    「何故呼び捨て...。」
    「何だよ?」
    「奏風がアドレス交換しよう、って。」
    「栞ぃ?!」
    「よし来た。」
    「さーて、奏風ちゃんの番号は何かなー?」
    「ほら、さっさとスマホ出せ。」
    「栞ぃぃ...。」

    私のアドレス帳に三人の名前が新たに追加された。
    こっちはプライベート用だから良いけどさ、警察の名前が増えるって、心臓に悪いよね。
    警察、とフォルダを作り、そこに伊達と萩原と松田と高木さんのアドレスを登録しておく。

    〈奏風、スマホ鳴ってる。〉
    〈ん?〉
    〈違う方。〉

    あ、仕事用か。
    プライベート用をポケットに仕舞い、仕事用を新たに取り出す。
    メールだ。送り主は...バーボン??

    〈バーボンからメール来てる。〉
    〈珍しい。〉
    〈えーっと...〉

    『僕にも教えて貰えませんか?』

    〈こっわ!!バーボンってか降谷か?もしかして今盗聴中?〉
    〈やだ、って返してみて。〉

    『話がしたい。』

    〈え、やだ。〉
    〈バーボンと言うより、降谷として話があるって事だろうね...。〉
    〈え、どうする?〉
    〈...今度会ったときに話し合おう。今は食事中だからね。〉

    『分かりました。近々予定を合わせましょう。』

    そう来たっきり、バーボンからの連絡は途切れた。
    まあ、盗聴はしているんだろうけど。
    仕事用をポケットに仕舞い、ため息を吐く。
    そしてこの気持ちを吐き出したくて、口を開いた。

    [何なんだ、この公安。怖すぎないか。]
    [降谷って何で伊達と友達になれたんだろうね。]
    [めっちゃ不思議だよねー。]
    [原作でもこんな性格?]
    [原作だともっとヤバい。同期四人とも死んじゃってる設定だから。荒れ具合が酷い。怖い。]
    [なるほどね。]
    「というかこのラーメンうまっ」

    「奏風さん、栞さん?」
    「ん?なに、高木さん?」
    「えーっと、今のは...英語?」

    あれ、日本語で話して...無かったね...。
    海外だと日本語の方が知らない人多いけど、日本だと日本語や英語以外の方が盗聴されてもある程度大丈夫だから、って日本にいて愚痴を吐くときは日本語を使ってないものね。

    「アラビア語だねー」
    「三日前にアルジェリアから帰ってきたばかりだから。」
    「アルジェリア?」
    「北アフリカにあって、私たちの親戚が結婚するからって呼ばれてたのよ。」
    「あ、お土産買ったのに置いて来ちゃった!」

    しかもジンのとこに!!

    「ちょっと電話して来る...。」
    「電話?」
    「私たちの家じゃなくて、あの人の家に忘れちゃってた。」
    「...ばか。」
    「ごめん。だからちょっと話してくる。」

    ガラッ、と扉を開けて外に出る。
    自作セキュリティソフトが組み込まれているスマホから、ジンへ電話をかける。

    「あ、ジン?私だよー」
    『...君塚姉か。なんだ、またご褒美足りないとか吐かすんじゃねーだろうな?』
    「ちょっ!私そこまで性欲強いわけじゃないんだけど?!」
    『あ?直接会う回数の半分は大体ソレだろ。』
    「......半分じゃないよ...ってそうじゃなくて!
    ごめん、ジンのとこに私たちの荷物忘れているんだけど、明日の夜にでも取りに行って良いかな?」
    『ったく。今は任務でいねぇから勝手に入って持っていけ。』
    「はーい!入った時と出る時には連絡入れておくねー。じゃあ任務頑張れ〜」
    『ああ。』






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    liliy_usano

    MEMO【ネタメモ】
    *■→twst→鬼滅→twst
    *恋愛要素入れるなら童磨がお相手
    元の世界に帰ったはずの監督生が鬼になって帰って来ちゃった話 元の世界はたぶん普通の世界か、呪術か、毛探偵。そして戻ったと思った世界が鬼滅の世界で、混乱している間に育手か産屋敷の誰かに拾われる。御館様に拾われるなら、岩や音が入る前。あまね様に拾われるなら、原作前か、たんじろーが柱合裁判される辺りか、たんじろー一家が死んだ辺り。無惨とうばつには行けない。
     戦ってる内に何故か鬼にされるし、何故か飢餓感とか人食衝動もなくて、無惨の縛りからも解かれてる状態でスタート。普通に呼吸も使えてるし、日輪刀も持ったまま。血鬼術とかも使えそうな感覚。でも鬼殺隊には戻れないだろうな、と感じて自分付きの鎹鴉に御館様への手紙を頼んで放浪する。
     道中に鬼を狩る。お腹空いたと感じても口や胃が果物しか受け付けないという謎。それでも風の噂で上弦の鬼が倒されていると耳にし、自分も狩ろうかと思案。思案中に上弦の弍に拾われる。そのとき先輩柱(カナエ)の仇なので頸を斬ろうとするも、食べる目的より遊ぶことを楽しんでる気配に困惑。日が昇ってる内に脱出。この時に日が嫌いではない、と気付く。
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