名前を呼んで『名前を呼んで』
――ボクがボクの名前を忘れないように。
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監督生、子分、小エビちゃん、草食動物、トリックスター、etc。
ボクにはいろんな呼び名がある。
友人達は監督生とか、先輩達に倣うような呼び方をすることが多い。
魔力がないことを揶揄して魔力無し、と呼ぶ者もいるけれど。
そう、ボクには様々な呼び名があるのだ。
誰もが、その呼び名で呼ぶ。
誰もが、ボクの名前を、呼ばない。
ボクは監督生だけど、そんな名前じゃない。
違うのに。
みんなが親愛を込めるようにそう呼ぶから、拒否する事もできずにいる。
でも、違うんだよ。
ボクの名前は...。
名前は......。
「おーい!監督生ー!」
......もう、だれも呼んではくれない。
ボクの名前って、なに?