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    あまや

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    あまや

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    SSS/凪茨?
    真実は凪砂のみぞ知る
    ジュンくんがちょっと不憫

    ##凪茨

    O mio babbino caro本人曰くナギ先輩のことを心の底から愛しているらしいおひいさんだが、ある歌をきくと決まって機嫌を悪くする。そして不思議なことに茨も同じ反応を示すものだからオレは長いことそれが不思議でたまらなかった。
    「そんなにこの歌嫌いなんすか?」
    茨も嫌っぽいんですけど、と続けると苦虫を噛み潰したような顔のおひいさんがぎろりとオレを睨んだ。
    「茨が? 喜んでるんじゃなくて?」
    「え、すっげえ嫌がってましたけど」
    「……ジュンくん、茨呼んできて」
    「ええ……」
    失敗したなあという気持ちが露骨に顔に現れていたのだろう、機嫌の悪いおひいさんは遠慮なくオレの頬をつねった。
    「この歌詞知ってる?」
    「知りませんけど」
    「父親に結婚の許しを得ようとする歌だね」
    「はあ」
    「全然ピンときてないね! この朴念仁!」



    「てことがあって、おひいさんが怒ってたんですよね」
    「見解の相違ですね」
    後日茨に聞いてみるとこっちはこっちでまた機嫌悪そうに腕を組んだ。
    「アレは父親に甘えてる歌ですよ。甘ったれ令嬢の甘ったれた歌。つまり、いつものアレと一緒です。本当に最悪な歌ですよ」
    トントン指を叩きながらこちらもやはりオレをぎろりと睨む。いつものアレとは何か尋ねてみるとライブの前の閣下のルーティンですよと茨が刺々しく答えた。
    「まあこちらは閣下の最高出力が手に入れば何だっていいんですよ。腹は立ちますが、自分の求める結果さえ出してもらえれば文句は言いません。神だろうが父だろうが勝手にやっててください」
    「……めちゃくちゃ文句言ってるじゃないですか」
    顔が。
    そう言うと、茨にも思いっきり頬をつねられた。

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    あまや

    TRAINING習作/凪茨(主人公ジュン、下二人メイン)
    ⚠︎パラレル。アイドルしてません
    三人称の練習兼、夏っぽいネタ(ホラー)(詐欺)

    登場人物
    ジュン…幽霊が見える。怖がり
    茨…ジュンの友達。見えない。人外に好かれやすい
    おひいさん…ジュンの知り合い。祓う力がある(※今回は出てきません)
    閣下…茨の保護者
    三連休明けの学校ほど億劫なものはない。期末テストも終わりあとは終業式を残すのみではあるのだが、その数日さえ惜しいほど休暇を待ち遠しく思うのは高校生なら皆そうだろう。ジュンはそんなことを思いながら今日もじりじりと肌を焼く太陽の下、自転車で通学路を進んでいた。休みになれば早起きも、この茹だるような暑さからも解放される。これほど喜ばしいことはない。
    「はよざいまーす」
    所定の駐輪場に止め校舎へ向かっていると、目の前によく知った背中が現れた。ぽん、と肩を叩き彼の顔を覗き込むとそれは三連休の前に見た七種茨の顔とはすっかり変わっていた。
    「ひええ!?」
    「ひとの顔を見てそうそう失礼な人ですね」
    不機嫌そうな声と共にジュンを振り返ったのはおそらく七種茨であろう人物だった。特徴的な髪色と同じくらいの背丈からまず間違いなくそうだろうと思い声をかけたのだから、振り返った顔はジュンのよく知るメガネをかけた、男にしては少し可愛げのある顔のはずだった。が、見えなかったのだ。間違った文字をボールペンでぐるぐると消すように、茨の顔は黒い線でぐるぐる塗りつぶされていた。
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    本家血筋のki×私生児41♀
    ある日幼いkiの元にki父が突然連れてきたのは独では珍しい黒髪と矢車菊のような瞳の色が印象的な女だった。女はkiとは腹違いの3つ上の姉だという。昔41母に惚れたki父が無理やり関係を迫り出来た子であるというが、先日41母が亡くなり身寄りがなくなった41♀を引き取ったとのことだった。蝶よ花よとki家の長男として大切に育てられたkiはその時与えられたばかりのフットボールに夢中で、微塵もその姉とやらには興味は湧かなかったが、やけに姉に触れて猫なで声で話しかける父とその隣の姉をまるでゴミのような目でみるki母の姿は妙に覚えている。姉がきて1ヶ月、その姿を屋敷で見ることはなく、kiの中で姉という存在がいたことさえ薄れてきた頃、フットボールに夢中になっていたkiの耳に聞きなれない音が届く。聞いた事のない音に興味が沸き、その元々鋭い五感を研ぎ澄ませ音の元を辿れば、そこに居たのは寂れた離れとそこの窓辺に座り歌う41♀だった。綺麗な歌にkiが近づけば41はkiに気づき口をとじてしまった。それがなんだか惜しくてkiは強請るように初めて姉に話しかけた。「なんのおうたなの」「…故郷の子守唄」よく母さんが歌ってたんだと姉は以外にもすんなり答えてくれた。もっと聞かせてとせびれば姉は少し戸惑った後に再び子守唄とやらを歌ってくれた。言葉はまったく分からないけれど、その姉から紡がれる音にkiが心奪われたのは確かであった。それからkiは毎日寂れた離れに通うようになった。姉の歌を聞きに、そして姉は以外にもフットボールに興味を示し2人でボールを蹴りあうようにもなった姉は色々知っていた。そりゃあ3年も多く生きてるからなと笑っていた。姉は優しかった。たまにkiを意地悪く笑いからかう時もあったけど、41♀の傍はなんだか暖かくてとても居心地が良かった。だからkiは姉に毎日会いに行っては膝の元で甘えた。「おうたをうたって」「いっしょにあそんで」姉さん姉さんと後をついてまわるようになるkiを41♀は優しく撫でてくれる。姉さんとずっと一緒にいたい、ずっと一緒だったらもっと幸せなのに。そう思ったkiは無邪気に離れから本家に行こうと誘うが41♀は決して頷いてくれることはなかった。
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