Kawaiiは作れる? ピピッピピッと朝を知らせる目覚まし時計に起こされ、猫っ毛の頭がもぞりと毛布から這い出す。普段よりもだいぶ早い起床時間に頭はぼんやりとしていたが、あまりゆっくりもしていられないと大きく伸びをするとアルバーンはベッドから降りカーテンを開けた。
空は快晴、絶好のデート日和。冗談めかした誘い文句をどう捉えられているかは置いておくとして、アルバーンにとってはデートのお誘いをしてオッケーを貰えたならそれは『デート』である。そして『デート』の支度にはそれなりに気合も入るもので、昨晩から何を着て行こうか悩みに悩み、結局決められぬまま眠りについて朝を迎えたというわけだ。
今のところ距離感の近い友人としては良い位置取りをできてはいるが、目指すところはそこではない。ただふたりで遊ぶことをデートと思ったままでは困る。ここが勝負時。仕掛けるなら今日しかない。
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