ヒプマイ 寂雷×乱数『プリクラ』 とあるゲームセンター。
乱数はどうしても寂雷としたいことがあり、無理承知の上誘った。様々な機械音を奏でる数ある機体のうち立ち止まったのはプリクラの前。
「ねぇねぇ、寂雷。プリクラ撮ろ!!」
「プリクラ? なんですか。それは」
「良いから良いから。ほら、早く」
乱数は「えへへっ」と子供のような可愛い笑みを浮かべながらお金を入れ、強引に寂雷を中へ押し込む。慣れた手付きで画面をタップ。スマホスタンドを見つけ、スマホを立て掛けるやムービー撮影。カメラに向かって手を振り、寂雷の腕にしがみつきスマホを指差す。
「ほらほら、手を振って。撮影してるんだよぉー」
「こう、ですか?」
ぎこちながらも手を振ってくれた寂雷に乱数は嬉しくなり、プリクラの撮影が始まるや指示にしたがってポーズを撮る。
「はい、ピース!!」
両頬の前でピースをする乱数に対し、寂雷は不馴れで突っ立ったまま。見かねた乱数は「ねえねえ、寂雷。ハート作ろ!!」と左手をハートの半分の形にする。それに「はい?」と静かな声で疑問のように返され乱数は寂雷の手を掴む。
「だーかーら。こう!!」
寂雷の右手で半分のハートを作ると二つが合わさり見事なハートに。ちょうどシャッターが鳴り、乱数は笑顔。その笑顔に釣られるように寂乱も笑った。
落書きは全て乱数君に任せます、と寂雷に言われ「見ててボクのデコで寂雷も可愛くしちゃうんだから!!」と張り切る乱数。
後、スマホケースの内側にプリクラが貼られたのは二人だけの秘密となった。