ホラー映画のようなか細い音をさせて執務室の扉が開く。
中から音もなく中から出てきたドクターは、ゆっくりのっそりとその一歩を踏み出した。
密閉性と防衛のためにその数は少ないながらも通路に備えられた窓から差し込む日差しが、徹夜明けのドクターの視界を焼く。
加えてトイレと水分補給以外ほぼ椅子に座りっぱなしであった身体は限界が近くはあったが、それでもどうにか亀の歩み程度の歩行はできた。
気を抜けば小鹿ちゃんのような歩行になりそうな足取りで、ドクターはどうにか作り出した休息のために自室へと向かう。
先に軽く腹に何か入れて、いやまて食べてすぐ横になるのは良くない。
先にシャワーで身を・・・・・・だったらもう寝て起きてさっぱりしてからなにか食べよう。
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