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    𝓪𝓶𝓾

    @Dream1uv

    成人済++ nijiEN Noctyx🤍Luxiem🤍全員推せる 雑食腐
    ツイターで上げた小説のエチな部分だけ載せたりするかもしれません。
    何を乗せるかは考え中…😔

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    𝓪𝓶𝓾

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    あまいとこ:🐑🔮
    ホワイトデーの二人のお話です。
    この前のシチュアンケの結果「いちごのおいしいところ」が投票数多かったので、題材はいちごになりました。
    ご協力いただき、ありがとうございました♡

    #PsyBorg
    #🐑🔮

    あまいとこ綺麗に磨き上げられたシンクで、ふーふーちゃんが何かしてる。
    ふーふーちゃんがシンクを使うのは、ケトルに水を入れるときか、家じゅうにある植木のお世話をするときくらい。あぁ、あとはあったかいタオルを作るときぐらい?
    彼の体のつなぎ目は、急激な気温の変化に弱い。冷え込んだ朝や凍るような夜にはホットタオル、暑くて目が覚めた朝や、暑い中外に出かけた後は冷えたタオルで、それこそこの時代では彼しか持たない唯一無二のつなぎ目のケアをしてる。

    話が脱線したけれど、今はシンクで何してるかって話。
    散歩はもう終わってるし、昼食もとって、何なら食後のコーヒーももうすんだんだけどな…何か洗うものなんてあったっけ?


    昼食後、薄いカーテンを通り越してポカポカと暖かい日差しが差し込むリビング。そのソファの上におれはいて、ふーふーちゃんのお気に入りの窓際の椅子の横には、愛犬と愛猫が仲良く転がって日向ぼっこをしているのが見える。
    確かに少し眠たくなってきたかもしれない。寝転ぶ二匹を見ていると湧き上がる眠気に抗えず、肘置きにクッションを積んで、頭を凭れ掛けさせる。ふわりと香ってきたのはふーふーちゃんのいつも使っている香水の香り。少しだけ勢いをつけてぱふ、ともう一度頭を預けると、香りに包まれるようで心地いい。
    まるで、ぎゅってしてもらってるみたい。
    暖かい空気と、嗅ぎ慣れた香りに安心して瞼が閉じてしまいそうになったその時、


    むに

    唇に感じる冷たい感触。
    微睡んで少しだけ重くなった瞼を上げると、すこしだけ水滴が残るふーふーちゃんのつやつやした指先が、俺の唇にイチゴを押し付けていた。
    「んむ、いちご?」
    「そう、日本の」
    「日本の?!え?ほんとに?」
    この前二人でショッピングに行ったとき、信じられない値段で売られていたのを覚えている。アメリカのイチゴとは違って、大振りで、甘みと酸味のバランスが絶妙で…。
    日本旅行中もパンケーキに添えられたものや、ケーキに乗っているものを食べたことはある。そのどれもがおいしくて、もう一度食べたいと思っていたのに。

    「わぁ…!キラキラしてる……!」
    唇に押し当てられたイチゴのほかにも、目の前のテーブルの上に置かれたガラスのお皿の上に行儀よく宝石の様にキラキラしたイチゴが並んでいる。
    「さっき味見したがおいしかったぞ、甘くて」
    「え!先食べたの…?」
    「おいしくなかったら意味ないからな、味見だよ」

    ほら、浮奇も、
    と差し出された手に抗えるはずもなく、イチゴの先の方から半分ほどを噛んで、その果汁の多さにびっくりする。
    二口で一個か、ともう一度口を開くと、俺がかじったイチゴの残り半分、ヘタの方をふーふーちゃんが口の中に入れてしまった後だった。
    「おれの……」
    「ふふ、ほら、もう一個」
    そういって、また新しいイチゴが差し出される。
    なるべくたくさん口に入れようとしても、日本のイチゴは一粒が大きいから半分ぐらいまでしか食べられない。それでもあまくて、すこしすっぱくて、瑞々しくて、おいしい。
    俺が咀嚼している間に、ふーふーちゃんはまた残り半分を食べてしまう。
    なんだか、腑に落ちなくて、ガラスの皿の上に並んだイチゴを素早く一つとり、ふーふーちゃんの口に押し付けた。
    「ん!」
    ふーふーちゃんは、ふっ、と表情を緩めて、おれが差し出したイチゴに薄く開いた唇を寄せてくる。イチゴの果汁で濡れた唇と隙間から見える赤い舌がやけに煽情的に見えて、おれの喉がごくりと上下した。のも束の間、大きな口で一口に俺の指までくわえられてしまって、すこしパニックになる。
    「ゆび、たべ……、」
    「あぁ、おいしそうだったから…。ん?」
    ぶわ、と自分の頬が一気に紅潮したのが自分でもわかる。自分から仕掛けておいて、照れるなんて恥ずかしすぎる!とぎゅっと目を瞑ってしまう。
    ふふ、とふーふーちゃんが笑う声が耳元で聞こえて、ぎしとソファが軋んで、沈んでいた片側の重たさがなくなったと思ったら、額にちゅとキスを落とされる。それと同時に、ミドルノートのふーふーちゃんの香水の香りがひろがった。
    「この前は素敵なバレンタインをありがとう、お返しになったかな」
    「もう、俺のバレンタイン霞んじゃうよ…」
    「そんなことない、素敵なバレンタインだった。いろいろ確かめ合えたしな?」
    「う゛ぅ……、それならこのイチゴ、おれのじゃないの?」
    「浮奇、しらないのか?一番おいしいところだぞ?」
    そういわれて、スマホでイチゴについてすいすい調べていく。
    『とがったほうが、あまくておいしい』
    「ほんとだ」
    「だから、こっち半分は俺の」
    「だめだめ!おいしいのは二人ではんぶんこしよ!」
    「俺はこっちでも十分甘くておいしい」
    「こっちの甘さも知ってほしいから!」
    「浮奇へのプレゼントなんだから…」
    「だめ、おれのものなら好きにしていいでしょ?」

    二人してイチゴを手にもって、ソファの上でバタバタと暴れる俺たちをなんだなんだと見に来る二匹。
    結局騒々しくなっちゃうこの日常が愛おしくて、ぎゅうぎゅうと力いっぱいふーふーちゃんを抱きしめる。
    「ありがと、だーりん」
    「どういたしまして、はにー、あ、だめだ!もってくな!」
    抱き着いて離れない俺をそのまま抱えて、上機嫌にクッションを咥えたままサンルームに走っていく愛犬を追いかける。
    ふーふーちゃんが音を上げるまで、もう少しだけこのままでいてもいいでしょ?



    ふーふーちゃんは知ってるのかな?
    ホワイトデーのお返しがイチゴって、『恋・結婚』って意味なんだよ?

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