どっちでもいい話 シャッター音と拍手は似ている。どちらも俺に向けられるもので、向けられると気持ちがいい。
けれど視線は苦手だ。俺は自分の顔を映ったものでしか見られないから、その人から俺がどう見えているのかわからない。それが怖い。見られたくないものが見えていないか、不安でたまらない。
「自信がありませんか?」
「え?」
「そう見えたので」
「そんなことないっスよ!俺はいつでもバッチリにメンタルアゲアゲでぶちあげてるんで!」
「ボクの勘違いでしたか、失礼しました」
笑顔の下は誰にも見せられない。例え尊敬する好きな人であろうとも。