どっちでもいい話「うっわ!寒いと思ったら雪降ってる!」
「ダメですよ」
感想を言っただけで注意をされて肩を落とす。ふいに視線を感じて見れば、夏準さんはジッと俺を見ていて、つい目を逸らしてしまった。
「な…なんのこと〜?」
「遊びに行くことがです」
「…ちょっとだけは?」
「ダメです。風邪でも引いたらどうするんですか」
それはそうだ。常にコンディションは最高にしておかないといけない。だから雪遊びでもして、風邪を引いたら元も子もない。でも。
「じゃあ一緒に散歩しよ!」
「散歩?」
「ならいいっしょ?あっても公園には入らないし、雪にも触らないって約束するから」
「はぁ…。少しだけですよ」
「ありがと!」
そう言って手を引いて歩き出せば、夏準さんは困ったように笑っていた。なんだかんだで夏準さんは俺に甘いことを知っているのだ。