【腐】ロマサガ2R
一戦(意味深)交えて改めて告白&OKの流れで恋仲になったノエルとクジンシー。
無茶な飲み方と賭け事はほどほどにする様にとノエルに釘を刺され、へーいと気乗りしない返事を返すもクジンシーは律儀に約束を守っていた。
その事に、今までクジンシーとつるんでいた輩(やから)達は面白く感じなかった。
付き合いが悪くなったクジンシーに、「一回だけなら平気だろ?」とか「バレなきゃイケるって」とダル絡み。
そんな誘い文句に最初は「ノエルに悪いから」とか「バレたら後が怖い」と断っていたクジンシーだったが、段々「少しくらいなら……」と気持ちがぐらつき、そしてこっそり遊んで……
しっかりバレました。
「クジンシー」
「すみませんでした」
前回と同じ連れ込み宿で、ノエルの前でクジンシーは土下座という全く同じ光景が出来上がっていた。
今度は土下座をやめさせず、ノエルは仁王立ちしたまま足元のクジンシーを冷ややかな目で見ている。
隠すつもりのないノエルの怒気に当てられ、クジンシーは床しか見えなくも相手がご立腹なのがしっかりと伝わってきて、だらだら冷や汗を流している。
「俺は何も、今後一切禁止だと言ったわけではない。
ほどほどに、と伝えたはずだが」
「はい、おっしゃる通りです……」
「アレが君のほどほどなのか?」
「いやその、えーっと……良い感じにツキが回って来て、それで……」
「それで?」
「調子に乗りました、約束破ってごめんなさい!!」
ガンッと床に額を打ちつけて、クジンシーは素直に謝罪の言葉を口にした。
「君には口頭の注意だけでは、無意味のようだ。
別の方法でわからせるしかないな」
「別のって……あ、あの、痛いのはちょっと……」
チラリとノエルの顔色を伺うが、軽く睨まれひぃっと情けない声を出し再び床に視線を戻すクジンシー。
ノエルは大きくため息をつきながら組んでいた腕を解き、寝台に腰かけ懐から何かを取り出した。
「顔を上げてくれ」
ノエルに呼びかけられ、クジンシーは恐る恐る上体を起こし彼の手元を見る。
そこには一枚のコインがあった。
「これからどうするか、君が好きな賭け事で決めよう」
そう言うと、ノエルが手の平に乗せていたコインを指で上に弾き手の甲に落とし、すぐにもう片方の手でコインを隠した。
「今見えているコインの面は、表か。裏か」
好きな方を選んでくれと指示され、クジンシーは困惑した。
今ノエルが使ったコインは、両面が表のデザインになっている特殊な物である事を知っていたからだ。
そしてそれをクジンシーが知っている事を、ノエルは知っている。
「君が当てれば、今回は不問にする。
このまま帰ってもらって構わない。
間違えた場合は……覚悟する様に」
「えっと……ちなみに間違えたら、どんな事をするつもり?」
「そうだな……」
クジンシーの問いかけに、チラリと寝台と側机に目をやるノエル。
「……痛くするつもりはないが、この場所を大いに利用させてもらおう」
「それって……」
「これ以上は答えない。さぁ、選んでくれ」
ノエルの回答に、クジンシーはゴクリと唾を飲み込む。
当然、ここは表を選ぶべきである。
ノエルは必ず約束を守る、勝てばお叱りは免れる。
免れるのだが。
「お……う……」
何の意図があるのか答えを決めかねているクジンシーを、ノエルは静かに見つめる。
しばらく沈黙が続き……
「………………裏……っ!!」
欲に負けたクジンシーは、勝利を得るために裏を選んだ。
ノエルはクジンシーから自身の手の甲に視線を移し、目隠しにしていた手をそっと上げた。
そこには予定調和とでも言うべきか、表面のコインが光っていた。
「君の負けだ、クジンシー」
「そうだな……あー負けちまったなー
負けちまったんなら、仕方ないなー」
棒読みしながら立ち上がり、ノエルの前に向かうクジンシー。
その顔には多少の不安と、それ以上に期待に満ちた表情を浮かべていて。
「……あくまでお仕置きだということを、忘れない様に」
クジンシーの胸元を掴み少々乱暴気味に引き寄せ、ノエルは彼の唇を奪った。
賭けに勝ったのは、ノエルか。クジンシーか。
それがわかるのは、当人同士だけである。