龍工的片時雨村の飢饉のピンチに龍神様に生け贄として捧げられた村人クジンシー
ところが当の龍神様ことノエル(人型の龍みたいな見た目)は、別に生け贄を求めていなかった
あいつら体(てい)のいい厄介払いしやがったな、畜生!!とぶちギレるクジンシー
なんとなく彼の現状を察したノエル、しばらくここにいると良いと置いてくれることになる
入り口は洞窟なんだけれど、奥へ進むと少し大きめな屋敷になっていた
そこでしばらく一緒に暮らす二人
ただぐうたらに住ませてもらうのもあれだしなと、細々としたお手伝いをするクジンシー
そうしているうちに、お互い惹かれあっていく(ただし互いに気づいていない)
どれくらい経った頃か、ある日すごく可愛い女の子(ロックブーケ)がやって来た
クジンシーは彼女がノエルの妹と知らず、えっ誰可愛いと掃除をしながらこっそり二人の会話しているところを覗き見
仲良さげに話す二人を見ているうちに、何だか気持ちがモヤモヤしてきて離れるクジンシー
ここで生活するのが当たり前になっていたけれど、元々俺は人間、部外者だ
俺はいつまで、ここにいて良いのだろうか
いつまでも甘えていてたら、いけないよな
と、マイナス思考が働き始める
(ノエルに聞いたら、好きなだけいろと言うに決まっているのだが、彼の気持ちを知らないクジンシーは察せない
逆に尋ねてそれもそうだな出ていってくれみたいな事を言われたら、耐えられないと怖くて聞けなかった)
ある日
「俺、そろそろ出ていくよ」とノエルに話すクジンシー
「……そうか」と、詳しく聞かず頷くノエル
(ノエルも、いつか人ではない自分と過ごすのが耐えられなくなるだろうと勝手に思い込んでいる、そんなわけないのに)
とはいえ村に戻る気はさらさらないクジンシー、気ままに旅をしようと決め荷支度をしていると、外の天気が荒れだした
洞窟から外を伺(うかが)うと、めっちゃ雨
「この天候で行くのは危険だ、止むまではここにいると良い」と、ノエルはクジンシーを再び屋敷に招く
「そーする」とクジンシーも提案を受け入れ、戻っていく
その雨を降らしているのが誰なのかなんて、気づくこともなく