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    ui_graymoon

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    ui_graymoon

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    まもなくまる4年になるので供養します。

    #シカテマ
    whitethorn

    夢が叶う、その前夜 引き戸を引く音に気付いたテマリが玄関に向かえば、ちょうど靴を脱いでいるところだったシカマルが振り返って「ただいま」と笑った。その顔は茹蛸のように赤いが、テマリにとっては予想通りなので驚くこともない。
    「おかえり」
    「悪い。遅くなっちまった」
    「ナルトを家まで送ってやったんだろう? さっきヒナタからお礼の電話があったよ」
     立ち上がったシカマルの上着を脱がせながら、テマリは言葉を続ける。
    「着替えはもう準備してあるから、このまま風呂に入っちゃいな。明日はお前にとっても重要な日なんだ。しゃきっと朝を迎えられるようにしておけ」
    「そうだな。あ、風呂の前に――」
    「水だろ」
     テマリはシカマルの言葉を遮り、その背中を強めに押した。
    「持ってってやるから、アンタはちゃっちゃと服脱いじゃいな」
    「ああ、頼む」
     真夜中に夫がほろ酔いで帰宅したにも関わらず、小言一つなく至れり尽くせりのこの状況。
     普段の奈良家ではまずあり得ないことだが、今宵は特別なのである。
    「……ついに叶うんだもんな、お前の夢が」
     脱衣所へ向かうシカマルを見送り、テマリは肉を焼いた煙と煙草の臭いが染みついた上着をぎゅっと胸に抱いて呟いた。
     もうすぐシカマルの夢が叶う。
     それはあの第四次忍界大戦の際に瀕死の青年が死に抗ってでも掴みたいと思った未来であり、絶対に叶えてみせると誓った夢。面倒臭がりの男が自ら厄介な庶務や交渉事を引き受けてまで、この十年ずっと目指し続けていたものだ。
     今宵の飲み会はその前祝。多少羽目を外したからと言って、どうしてそれを咎めることが出来よう。


     明日、うずまきナルトが七代目火影に就任する。
     そして七代目火影誕生の瞬間より、奈良シカマルは正式に七代目火影の相談役となることが決まっていた。
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    ui_graymoon

    MOURNING2年8ヶ月放置していたらしいので、供養します。
    憂かりける人 特別な何かを期待していたわけではない。していたわけでは、ないけれど。
    「塗り薬もお出ししますからね。一日三回、ちゃんと塗ってください。朝だけじゃありませんよ? 傷をしっかり治して万全の状態で任務に挑むのも隊士の責務なんですから。柱として皆の手本となるようお願いしますね」
    「ああ」
     慣れた手つきでぐるぐると包帯を巻く同僚の姿をじっと見つめながら、義勇はこの状況について思案する。手当てをしながら小言を言われるのはいつもと変わらないが、今日は面白い程に目が合わない。
    「はい、もういいですよ」
     包帯を留めた部分をぺちと叩き、彼女――胡蝶しのぶはあっさり義勇に背を向けた。室内を忙しなく動き回って塗り薬と包帯を用意する姿は、傍から見ればただテキパキと要領よく動いているように見えるだろう。しかし、義勇にしてみれば彼女が自分から逃げているようにしか見えないし、残念ながら実際その通りなのだろうと判断するに足る心当たりがなくもない。さてどうしたものかと悩みながらも着替え終わってしまった義勇は、しのぶに促されてのそりと椅子から腰を上げた。
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    aoyuki_666

    MOURNINGじゃあな、の、へいちょの包帯の下を知ってしまったらもぅさぁぁあぁ

    幸せになって欲しかった!
    リヴァハンと言張る勢いだけで書いた転生ネタ!
    今度は、先の約束を 最期は、見れなかった。見てしまったら、立ち上がれなくなりそうで。最期だと、認めたくなかったからかもしれない。別れの挨拶すら、まともに交わさないまま二度と会えなくなった。
     そうして、ずっとソイツへの思いを抱えたまま生きた男の夢を見る。

    「やぁ、リヴァイ。今日も凶悪な目つきをしているね」
    「……うるせぇ」
    「寝不足かい?」
    「最近、夢見が悪ィんだよ」
    「それは困ったね。ただでさえゴロツキのようだと言われていたのに、最近は遂に誰かヤッたんじゃないかと持ちきりだよ」
    「ちッ、暇人どもはクソしてとっとと帰りやがれ」
    「テストも終わったからね。刺激を求めていたところに話題を提供しているんだから仕方ないさ」

     リヴァイがおかしな夢を見始めたのは、1学期の期末考査が始まる直前だった。初めは不鮮明で気にもしていなかったものが、どんどんとクリアになってきていて寝ているのに寝た気がしない。テストは問題なく乗り切れたはずだが、これが続くようならこの先の生活に不具合が出るのは目に見えていた。
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