おひさまのにおいはしあわせの匂い。ーそれは秋晴れがさわやかな、とても良い天気のとある一日のおはなし。
「KKー、布団下ろすの手伝ってー」
「お?ああ、分かった」
ソファでくつろいでいた休日のとある夕方。ベランダから聞こえてきた柔らかな声に、KKはよっこらせ、と立ち上がる。
「布団、干してたのか。いつの間に・・・」
「そうだよ。気づかなかった?」
「・・・気づかなかった」
少しだけばつが悪そうに目をそらす姿にはにかみながら、
「だって今日はお日様の機嫌が良い一日だったからね。あやからなきゃ」と暁人が言う。
「お日様の機嫌ねえ・・・また随分と可愛い事言うじゃねえか、」
オレにしてみりゃただの暑い日って感じだったがな、と続けようとしたのを、KKが済んでの所で飲み込む。
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