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    もちこの本棚📖

    @zunnda_motico

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    現在GW:T(K暁とCPなしメイン、たまに暁K、)作品になります
    (アイコンはいかてんころもさん(@Ikaten_koromo)作です☺️ありがとうございます☺️)

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    過去に幽霊けけシリーズの短編で書いたものを加筆修正しました。お題は「傘」をお借りしています。

    幽霊けけシリーズってなぁに?という方は本編後の暁人くんの元に幽霊として帰ってきたKKが再び一心同体状態で生活を共にしている、という設定が前提にあるおはなし、と解釈していただければ…!
    (過去作を読んでいただけると尚のこと嬉しいです………!)

    #K暁
    #毎月25日はK暁デー

    幽霊の相棒と、傘と ――スマートフォンのアラーム音が鳴る。
     うーん、と軽く唸りながら暁人がスマホに手を伸ばし、画面も見ずにアラーム解除をタップした。まだ眠り足りない暁人が再び眠りにつこうとすると、突然金縛りにあったように体が動かなくなり、目がバチッと開かれ閉じることが出来なくなる。ずしり、と体の上に何かの重さを感じ、恐る恐るソレの正体を確認…することはなく
    「けぇけぇ……金縛りで起こすのやめてくれる…?」
     寝起きの少し掠れた声で暁人が困った顔をした。
    『こうでもしないと起きないだろ、オマエ』
     金縛りを起こしたのは幽霊の相棒である、KKの仕業だった。霊体姿で暁人の上に胡座をかいて座っている。
    「大丈夫だよ……二度寝したって間に合うようにアラームセットしてるんだから……」
    『それでこの前遅刻しそうになっただろ』
    「……早く起こされちゃったし、ゆっくり朝ごはん食べよ」
     すっかり眠気も飛んでしまい、仕方なく暁人はベッドから体を起こし部屋のカーテンを開けた。窓の外を眺めると雲ひとつない青空が広がり、今日は快晴のようだ。朝御飯を用意し、ゆっくりとした朝の時間を過ごす。
    『……おい暁人、今日は傘持っていけよ』
    天気予報を見ていると当然KKが忠告するように言った。
    「え?だって、天気予報も一日晴れだし、降水確率だって低いよ?」
    『いいから、ちゃんと持っていけ』
    「まぁ……KKがそんなに言うなら」
     通勤カバンに折り畳み傘を入れ、身支度を整える。
    『たまには一本早めの電車に乗るのもいいな、早めに出発するぞ』
    「なんだか今日のKK、AIみたい……」
    『えーあい?』
    「こういうのは、素直に聞いた方が良さそうな気がしてきたよ」
     その後、KKの提案通りいつもより一本早めの電車に乗ったことにより信号機トラブルによる遅延を回避でき、遅刻することなく出社できたことに暁人は内心驚きながらも「もしかするとKKにはそういう能力が開花したのかもしれない」と納得することにした。

    ***
    「あー……おなかすいたなぁ……」
     普段、残業はほとんど無い会社だが今日ばかりはトラブル続きで中々休憩も取ることが出来ず、ようやく最寄り駅に到着した頃には夜九時を回っていた。こういう時は無理をせず、お弁当でも買って帰ろうと思っていた、そんな時だった。
     ゴロゴロと雷の音が聞こえたかと思えば、ポツポツと雨が降り出しすぐさまそれは豪雨になった。所謂ゲリラ豪雨というやつだ。
    「うわ……これ、しばらく止まないだろうなぁ……」
    『な?持ってきて良かっただろ』
    「え?なにを……って、あぁ!折り畳み傘!」
     カバンから折り畳み傘を取り出し、それを広げて弁当屋へと向かう。注文して待っている間も雨は降り続いていて、突然の雨に戸惑う人々は雨が止むのを待つか、待てない人は雨の中を走っていく姿を暁人は眺めていた。出来上がった弁当を受け取り再び帰路に着く頃には少し弱まっていたが、傘が無かったら止むまで駅で足止めを食らって夕食を取るのは遅くなっただろう、もしかするとずぶ濡れになって帰ることになったかもしれない。
    『オレの言った通りだったな』
    「ふふ、はいはい」
     嬉しそうに笑みを零し、今度は少し良い煙草と酒をKKに供えようと思う、暁人なのであった。
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    related works

    subaccount3210

    DONE #毎月25日はK暁デー
    【ジューンブライド】【ボーナス】【願い事】

    ※純度100%けあきです!!!
    ※ナチュラルに全員生きています
    白いタキシード姿の若い男が赤い絨毯に片膝をつき恭しく目の前の人の左手を掬い上げる。
    「僕と結婚してください」
    普段は柔和な印象を受ける目は真剣な色で己の指先を見つめている。シンプルだが決して安物ではないプラチナリングはステンドグラスから差す陽を受け一段と光輝いて見える。それがゆっくりと慎重に左手薬指に納められる。サイズもピッタリだ。秘かに安堵する息を飲み込んでセットした髪が崩れぬよう気を遣いながら愛する人の顔を見上げる。
    指輪と同じように陽光を背に受け輝くその人はしっかりとした声で応えた。
    「いや、何でオレがプロポーズされる側なんだよ」

    このチャペルはとある観光地のホテルに併設されたもので大々的に結婚式をするよりもブライドフォトを撮る場所である。勿論ここでプロポーズをする恋人たちもいて、ホテルスタッフは翌年の予約を楽しみにしていたのだが数ヵ月前から『このチャペルでプロポーズすると不幸が起こる』という噂がまことしやかに囁かれるようになった。『このチャペルでプロポーズすると破局する』という噂ならデートスポットでよくある嫌なタイプの通過儀礼のようなものではね除けようと思うのだが『不幸が起こる』という文言が気にかかった。しかも実際に『事故に合った』『病気が見つかった』といった実例も挙がるのだから噂は信憑性を増してしまい終いには『あのチャペルにはプロポーズして結婚間近で死んだ霊がいる』とインターネットに書き込みがされた。
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    32honeymoon

    TRAINING・先日アップした画像版に修正を加えて、今までとおなじ横書きにしました。前回読みにくかった皆様はよければこちらで。
    ・修正したのは暁人くんの心情描写が主です。まだKのことを好きになりかけてきたところで、信じる心と無くしてしまう不安の板挟みになっている雰囲気がちょっと出てないかなと感じたので、台詞回しを少し変えてみました。まあ内容は同じなので、再読頂かなくとも問題ないと思います…単なる自己満足。
    【明時の約束】「ねえ、KK。たとえば今、僕がこの右手を切り落としたとして、ーあんたの宿っているこの魂は、何処に宿るのかな」

    ー突然。自らの右手に在る、そのあたたかな光と靄のかかる手のひらに向かって、突拍子もないことを言い出したその体の持ち主に、KKは呆れたように何いってんだ、と返した。

    『ーオレの魂が宿る場所は、ココ、だろ。手を失ったとて、消えるわけがねえ。ああ、ただー大切なものが欠けちまったって言う事実に対して、クソみてえな後悔だけは、一生残るだろうな』

    気を抜いたままで容易に操れるその右手。ぶわりと深くなった靄を握り込むようにぐっと力を込めると、とんとん、と胸を軽くたたく。

    「後悔、?」
    『ああ、後悔だ』
    「どうして?これは、僕の体だ。例え使えなくなったとしても、あんたには何の影響も無い筈だよね。それとも、使い心地が悪くなったとでも文句を言う気?ーああごめん、言い過ぎたかも。…でも、そうだろ」
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