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    kago_me__gu

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    kago_me__gu

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    ウィル誕にあげた、ビリー、フェイス、ウィルのお話。
    ※アカデミー時代の捏造しかありません。
    ※3人はアカデミーから仲良し

     イースターリーグを終えた、サウスセクターの一室。

     サブスタンスによる寒波も無事に終わりを告げ、一週間ほど前に行ったイースターリーグは、大成功と言わんばかりの盛況ぶりだった。その主格となったサウスセクターは、喝采をこの身にしかと受け止めた。
     さて、時は戻り、サウスセクターは今日から特別任務に出向く事になっていた。期間は一週間。レッドサウスのハズレにあるカフェがイクリプスと繋がりがあるかもしれない、という伝達を受け、サウスセクター全員で泊まり込みの長期間任務に出向く、というものだった。出発は昼ではあるが、一週間もタワーに戻れないということを考えると、今のうちにできるトレーニングはしておきたい。そう看做したアキラは、早朝に起床し、丁度朝日が登ると同時に、ランニングから帰ってきた所だった。リビングには、既に制服に着替えたメンターの姿。おかえり、と迎え入れられると同時に目に入るその光景が、アキラにとっては異物のように感じた。その理由は、ただ一つ。
    「ウィルは?まだ起きてねぇのか?」
     そう、アキラと同室であり、幼馴染みであるウィルの姿が無かったのだ。タワー中に設置されている植物の面倒を看ている事もあり、普段ならこの時間には起床しているはずだ。なのに、その密陀僧の髪を視界に捕えることが出来ない。アキラは一人、とある所論を抱え、自室の扉を開く。やはりそうか、と、一人所論が当たったアキラは、ウィルの容態を確認するより前に、メンター達の元へと舞い戻った。
    「ウィル、熱出してんぞ。」
    「そうなのか?」
    「おう。朝起きてないとなると、大体体調悪い時だし、まだ布団の中にいるみたいだったからな。」
     淡々と話を進めるアキラとオスカーを遠目に、ブラッドは一人思考に耽る。脳裏を過るのは、夜のミリオンパークでの、あの姿。頼りが街灯しかないような暮夜を照らす、胆礬色。その中心に佇む、己の後輩。
    「イースターリーグ前、能力を酷使していた反動が今来たのかもしれないな。」
     ウィルの体は、この歳にまでなって他人と変わらないほどには丈夫なものとなった。しかし、幼少期が軟弱であったということは、変えようのない事実である。今でも熱を出しては長引くことが多々ある彼の姿を、三人は頭の中で反芻した。
    「ウィル、置いていくしか無いよな。」
    「ああ。残念だが、今回の特別任務は欠員が出れば出るほど、失敗の可能性が上がる。それに、今回はイクリプスと繋がりがある可能性が拭えん。ウィルは良いとしても、アキラまでタワーに残ってもらう訳にはいかない。」
     その言葉に、アキラは口を紡ぐ。普段ウィルが過保護だと言われている幼馴染みの関係だが、それはアキラやレンにも言えることだ。一つ年上とはいえ、ベッドの虫になっいた幼馴染みを見続ければ、誰しもそうなると断言出来るだろう。ウィルを一人にしたくない、させたくないというアキラの意思は、メンターにも伝わるようで。
     ブラッドはひとつ、その空間に提言を残した。

     その言葉から、数十分。コンコン、と優しくノックする音が木霊する扉を開けば、そこには、見慣れた鶏冠石と、黒橡。ベスティと名乗る二人のルーキーの姿があった。
    「急に呼び出してすまない。」
    「別にそれはいいけどさ、何?急に。」
     心做しか、反抗的な目を兄へと向けるフェイスは、心底面倒くさそうな顔を浮かべる。それに反し、ビリーはどこか楽しげである。普段立ち入ることの無い、他セクターの居住区に鎮座するリビングを拝観していることに、情報屋としての血がザワつくのだろう。
    「よ、フェイス。ビリー。サウスが今日から特別任務っつーことは知ってるよな?」
    「モッチローン!知ってるに決まってるじゃん!」
    「なら、話はえぇわ。実はウィルが熱出しちまってよ、二人に看病任せたいんだ。」
     熱?看病?と、この場において一番疎遠だと感じていた言葉を聞き取り、数秒間の沈黙。沈黙を破るのは、想像以上に落ち着いている、フェイスの声。
    「どんな容態なの?」
     まるで慣れています、とでも言いたいのか、フェイスは普段の口調と大差ないそれで、アキラに詰め寄る。どうやら、後方のビリーもフェイスと同様の気持ちのようだ。
    「熱は四十度とちょっと。今はずっと寝てるから、どうゆう症状なのかは分からねぇ。」
     任せられるか?と聞くアキラに、勿論、と答えてみせた。

     果たして、何故ここで選出されたのがフェイスとビリーなのか。アキラは勿論無理だし、現在ヴィクターの不在で、ノースはただでさえ忙しい。その中でレンを連れ出すのは、残り二人の負荷が大きいと考えたのだろう。そこで、アカデミー時代の同室であるフェイスと、その友達であるビリーを呼んだ、という所だろうか。ウィルはアカデミー時代も、入学したばかりのころは体調が不安定で、よく熱を出してはフェイスに看病してもらっていたということを知っているからこその行動だったのだろう。
    「俺たちが不在の間、お前たちはサウスの部屋を好きに使ってもらって構わん。トレーニングやパトロールなど、日頃の職務は免除だ。ウィルのことを頼んだぞ。」
     サウスセクターは、みんなが皆、お互いに対して過保護である。フェイスは少し小さく、ため息をついた。

     昼の一時頃。サウスの三人は既にタワーを発ち、居住区には、ラフな格好をした、ビリーとフェイスの姿。とにかく、ウィルの目が覚めるまで、二人にできることは制限される。氷枕の定期的な入れ替え、冷却シートの交換、汗のふき取り。一連の動作は、ウィルの発する熱が高いことから、頻繁に行われる。アキラのベッドに腰掛けるふたりは、ウィルの重い呼吸音が響く部屋で、思い出話に深けていた。
    「アカデミー時代を思い出すよね。よくウィルソン氏が熱出して、看病してるDJにオイラが捕まって、二人で仲良く看病。まさに当時と同じ状態!」
    「はいはい。変わったのは、腰掛けるベットが俺のじゃなくて、アキラのって所くらいじゃない?」
    「おや、その口ぶりだと、なんだか自分のベッドじゃないことを寂しがってるように聞こえちゃうけど〜?」
    「そんなこと一言も言ってないでしょ。ほら、氷枕変えるよ。」
    「は〜い。」
     手馴れた手つきでテキパキ働く二人は、どこか楽しそうで。雨のようにポツポツと降る思い出話は、二人にとってー否三人にとって、小っ恥ずかしい思い出であると同時に、大切な思い出の一片である。

     アカデミー時代、初めてウィルが体調を崩したのは、入学してから2ヶ月経った頃。冬紅葉が見れるようになってきた時だった。それまで過干渉がなかったウィルとフェイスの距離感は、その日を境に揺らぎ始めた。
     ベッドの上で、苦しげに呼吸を繰り返すルームメイトの姿を見ていたら、どうしても、見過ごすことが出来なくて。分からないことだらけの中で、付きっきりで三日間ほど看病を続けた結果、ウィルは無事に全快し、後に感謝の言葉を鼓膜が渋滞する程に聞く羽目になった。
    「フェイスくん。実は俺、昔は体が弱かったんだ。今は普通の人くらいになったんだけど、生活環境の変化とかに体がついてけてないみたいで、体調悪いことが最近、また増えてて…。また、迷惑かけるかもしれない。」
    「それくらい、別にいいよ。体弱いこととか、ウィルは何も悪くないでしょ。」
    でも、と、フェイスは言葉を続ける。雪が、はらり。窓越しに見る風花が舞う様は、何とも美しい。
    「もっと、早く教えて欲しかったかな。」
    「あ…。…ごめんね。」
     困ったように、それでも、嬉しそうに。ウィルは答えた。
     それから幾度となく体調を崩していたウィルの元を、初めてビリーが尋ねたのは、ウィルの誕生日だった。
     勿論、当時のビリーは、ウィルと全く接点がなく、フェイスに用事があり部屋を尋ねただけだった。
    「DJ〜。この前貸してくれたCD返しに来たよ〜。」
    「ちょっとだけ、声、小さくしてもらってもいい?わざわざ部屋まで来てくれてありがとね。」
     口元に人差し指を持っていき、シーっとこちらに訴えかける顔は、なんとも綺麗だ。ビリーはそんなことを考えながら、一人首を傾げる。中の様子が気になるとでも言わんばかりに動けば、しょうがないな、とため息とともに零したフェイスにより中へと迎え入れられることに成功した。
     入って、ベッドがふたつ。その間には、勉強机がふたつ。簡素な作りの、見慣れた部屋を反芻するように眺めるビリーは、その一角に、見慣れないものを見つける。それは、花の点在する割合が増えるに連れて、一歩、また一歩と近づく。
    「ウィルが今体調崩してて、丁度今寝たところだったんだよね。もう熱はだいぶ下がったけど、ぶり返す可能性もあるから。」
     ウィル。ウィル・スプラウト。レッドサウスに実家があり、実家は花屋。妹が二人いて甘いものが好き。当たり障りない性格で、温厚。自信の持つ情報を脳内につらつらと並べるという一連の動作は、ビリーにとって慣れっこである。
    「もしかして、DJが看病してたの?」
    「それ以外ないでしょ。」
    「えぇ〜!?あの!?DJが!?看病!?」
    「だから、うるさい。」
     フェイスが軽くゲンコツを喰らわせれば、「あいてっ」という短い悲鳴が溢れる。他人に更々興味が無いら干渉してくるな、と言うような独特な雰囲気を纏う日頃のフェイスからは、想像のできない行動、言葉。かと言って、教室の中でそのように親しげに接しているところを見た事があるかと聞かれれば、答えはNOだ。ビリーは一層、目を輝かせる。
    「二人は仲良いの?」
    「微妙。友達って聞かれても友達って答えるかは分からない。」
    「部屋ではどんな話するの?」
    「世間話。」
    「えぇ〜!?それだけ!?」
    「それ以上でもそれ以下でもないよ。お互い自分のこと話さないし。」
     見当外れだと感じたのか、ビリーは少し不貞腐れたかのように頬を膨らませる。ウィルもフェイスも、どこか自身には無頓着な箇所がある。それが仇となったのか、距離は縮まった二人ではあったが、必要最低減のことしか知ることは無かった。それこそまさに、「知り合い以上友達未満」という、なんとも曖昧な立ち位置だ。
    「んん…。」
    「あ、ほら。ビリーがうるさくするから、ウィル起きちゃったじゃん。」
    「ありゃ。」
     軽く身動ぎした後に布団から這い出たウィルは、寝ぼけ眼を擦りながら、普段見ることの無い髪色に疑義の念を抱く。そういえば、二人はこれが初対面なのか、と今更になってフェイスは思い出した。
    「起こしちゃってごめんね。」
    「いや、大丈夫だよ。そっちの人って…。」
    「初めまして!オイラはビリー・ワイズ!DJに用があって来たんだ〜。」
    「あ!やっぱり、君が「ビリーくん」なんだね。俺はウィル。知ってるとは思うけど。」
     ビリーは、ウィルの言葉を幾度も脳内で繰り返す。やっぱり。やっぱりとは何なのか。少なくとも、今日この瞬間まで、ビリーとウィルの間に関わりというものは存在しなかったはずだ。有り得る因果としては、目の前の男、ただ一人。
    「ビリーと話すようになってすぐくらいの時に、ウィルには軽く話したんだよね。ビリーのこと。」
    「あぁー!だからウィルソン氏はオイラのこと知ってたんだネ!」
    「うぃ、ウィルソン…?」
    「気にしないで。ビリー、すぐにあだ名つけるから。」
     そういえば、フェイスのことはDJと呼ばれていたな、とふとウィルは思い出す。何故かそのあだ名がフェイスに上手く合致していて。全くもって違和感がなかったことに、ふっと軽く笑みがこぼれる。
     その空間に、ぽつり。聞きなれない電子音が響く。音の鳴る先には、ウィルの携帯。近くにいたビリーが手に取ると、その画面には女性の名前。恐らく妹の名前なのだろう。
    「妹さんから?」
    「うん。今日誕生日だから、たくさん連絡来るんだ。」
    「へぇ…。……え?」
    「ん?どうかした?」
     今彼は、なんと言った?「誕生日」と言った?二人は顔を合わせる。何事も無かったかのように携帯のメッセージを開き、笑顔で返信を打つ彼の姿から、誕生日という言葉が出てきたということを、二人はまだ理解し得ていない。
    「え、ウィル、今日誕生日なの…!?」
    「うん。あれ、言ってなかったっけ?」
     でも、誕生日に体調崩すのとか慣れっこだから、と、少し寂しげにウィルは笑う。ベッドの中でそんなふうに笑うものだから、フェイスも、ビリーも、どうしたらいいか分からなくて。彼は、楽しい誕生日というものを迎えられた日が、一日でもあったのだろうか。
    「なら、三人で今度ご飯でも食べに行こーよ。」
    「え?」
    「いいじゃんいいじゃん!折角オイラとウィルソン氏も仲良くなれたことだし、ウィルソン氏の誕生日会も兼ねて!」
     唐突なビリーの誘いに、何故かふたりは、断れなくて。
     仲良くなってー否話すようになって、数ヶ月と数日。三人の影はブルーノースへと消えていった。

    「その日からだよネ。三人でよく出かけるようになったの。」
    「アハ、懐かしいね。」
     思い出話に耽けるふたりは、かれこれ、サウスセクターの居住区での看病生活三日目を迎えていた。サウスの特別任務が終わるまで、あと半分ほど。長かったようで短かったこの生活もそろそろ終わりか、と思うと、少し勿体なく感じるところがある。
    「二人だけでお話?」
     リビングのソファに腰掛けるビリーとフェイス。その間には、いつの間にか寝室から抜け出してきたウィルの姿がある。随分と高かった熱は今朝下がり、普通にご飯を食べられる程には回復していたが、ぶり返す可能性が拭えないという点から、ベッドにいろ、とあれだけ強く言ったのに、それを守らないあたりがウィルらしい。
    「こら、まだ熱下がりきってないんだから、部屋にいなよ。」
    「そうだよ〜ウィルソン氏〜。ぶり返したらどーするの!」
    「そしたら、またビリーくんとフェイスくんに面倒見てもらおうかな。」
    なんてね、とクスクス笑うウィルをソファの真ん中に迎え入れ、ソファに並ぶ影は二つから三つに増える。一人分深く沈むソファの感触から、「ふたりぼっち」が「三人ぼっち」へと変わったことを訴えていた。
    「そういえば、明後日ウィル誕生日だよね。」
     カレンダーを眺めながら、ふとフェイスは言葉を漏らす。どうやら本人すらその事を忘れていたようで、ぽけっとしたウィルのアホ面を拝んでしまった。
     ウィルの誕生日はイースターが近く、実家も花屋の方が忙しくなる時期のため、昔からあまり派手に祝われたことは無いと言っていた。その事を知ったのは、確か初めてウィルの誕生日パーティーを催した、あの日。あまり盛大に祝った訳ではなかったのに、ウィルからは「こんなに祝われたのは初めて」と告げられたことを、フェイスは今でも鮮明に覚えている。ビリーも、昔はあまり裕福な生活をしていなかったから、当時もてなされた食事たちを見て、感嘆の声を漏らしていた。歳の割に、ちゃんと誕生日を祝われたことの無い目の前の二人を見てからというもの、フェイスは二人の誕生日には、必ず三人で食事を摂るようにしていた。勿論、それはフェイスの誕生日も同様である。
    「誕生日までに熱下がるといいね。」
    「うん。でも、これなら熱下がらなくてもいいかも。」
     目を閉じ、ふとウィルはフェイスに体を預ける。身長の割に少々軽いその体重は、アカデミー時代よりも重いものとなっていた。
    「熱下がったら、今年も三人でご飯食べに行こうネ。今年はイエローウエストがイイナ!」
    「アハ、それはビリーが食べたいものでしょ。ウィルは?」
    「ふふ。ビリーくんがいいなら、俺もイエローウエストでいいよ。最近できた、新しいカフェに行きたいかも。」
    「あぁ、テラス席のあるところね。俺も、あそこのショコラ気になってたんだよね。」
    「じゃあ決まり!ウィルソン氏の熱下がったら、まずはそこに行こ!」

     決して接点のない、三人ぼっちの三人。長い付き合いになるはずなのに、お互いは、お互いのことを友達だと認識しない。ビリーの初めての友達は、同室のグレイであり、ウィルの幼馴染みはアキラとレンで、フェイスの兄弟はブラッド。三人それぞれが、誰かの一番に降臨することは、ない。
     でも、それでも。三人は、今の状態であることを望む。これ以上の変化を求めない彼らにとって、目まぐるしく変わり続ける環境の中の、唯一の休息点。お互いが、お互いに対してそうあれるように。

    「今年も、いつもと変わらないパーティにしようね。」
    「ビリー命名、変わらない誕生日パーティ、だっけ?」
    「そうそう!オイラ達の関係だけは、一生このままでいいんだからサ!」

     その関係は、立場が変わろうとも、揺るぐことがない。

     些細な誕生日パーティーを。
     変わらない誕生日パーティを、弱くて、それでいて強い、君へ。

     HappyBirthday will
                 2022.4.26
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    kago_me__gu

    MOURNINGenstついんくちゃんのシングルのタグから思いついたフェイジュニのお話再掲です。
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    # 君へ送るLoveletterはショコラ色
     鼻歌交じりにフェイスがライトに当てる一通の手紙。この後持ち主の元を離れることとなるこの手紙は、果たしてどんな結末へと自分たちを導いてくれるのか。フェイスは高鳴る胸をそっと抑えた。


     事の発端は、とあるアイドルのCD広告だった。
     二日前、ジュニアとフェイスのオフがたまたま重なり、二人はイエローウエストアイランドにある、ニューミリオン一のCDショップ、DISCNEWMILLIONに足を運んでいた。元々好む音楽の方向性が異なる二人は、足を運ぶ先は同じでも、足を運ぶコーナーは全く異なる。着いた矢先に単独行動をとる二人が再開したのは、別れてから2時間以上も経った時だった。
     今日は帰りにダイナーでもよろうか、という話でまとまりそうな時、ジュニアはふと、足を止める。熱心に見つめるその先が気になったフェイスは、ジュニアの視線の先へと目を向ける。そこには、恐らく新しいシングルを出すのであろうアイドルの、可愛らしいMVが流れていた。しかし、その音楽の方向性は、ジュニアが好むものとは違う。はて、何がジュニアの足を止めたのか。
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