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    karen_nyamnyam

    @karen_nyamnyam

    囚墓メインで活動してます( ˇωˇ )

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    karen_nyamnyam

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    12月11日の囚墓Webオンリーにて展示予定の人魚パロの囚墓のサンプルです。

    涙は悲しみから幸せに変わる(サンプル) 暑い、暑い夏だった。
      その男が、海に落ちてきたのは。
      咄嗟に海に落ちてきた男の身体を抱き抱え、陸まで引き上げた人魚のアンドルーは、砂浜に水兵の服を着た男を転がしては物珍しそうに見つめた。

    (人間……こんなに間近で見るの、初めてだ……)

      ピクリとも動かないが、死んでしまったのだろうか。
      そう思いながらそっと男の頬に手を伸ばし、ぺちっ、ぺちっ……と軽く数回叩いてみると、男は「けほっ……ぅ……う、ん……」と呻き声を上げる。

    「ひっ……い、生き……てる……」
    「う……ここ、は……?」

      ゆっくりと目を開けた男は、まるで海のような美しいマリンブルーの瞳だった。
      マリンブルーの瞳とマダーレッドの瞳が視線を交わした途端、目の前の人間の男は驚いたように目を見開く。

    「えっ……に、人魚……?」

      アンドルーは人間とはあまり関わるな、と他の人魚達に言われていたことを思い出し、何も言わずに海に戻ろうとした瞬間。

    「まっ、待ってくれ!」

      男に呼び止められ、アンドルーは思わず止まって振り返った。

    「な……ん、だよ……」
    「助けてくれて、ありがとう!  礼をしたいんだが、その……何をしたら……」
    「……別に、礼なんて……要らない……海の中で死なれたら、迷惑だから……陸に戻しただけ、だ……」

      男はきちんと返事をしてもらえたのが嬉しかったのか、笑顔を浮かべながらアンドルーに一歩近付く。

    「それでも、ありがとう。お陰で助かった。私の名前はルーカスと言うんだ。君は?」
    「……アン、ドルー……」
    「アンドルーか。良い名前だな」

      アンドルーはまっすぐこちらに向けられるマリンブルーの瞳から目を逸らし、今度こそ海に戻ろうとしたのだが。

    「あっ、まっ、待ってくれよ、アンドルー!」
    「こ、今度は何だよ……」
    「また、この砂浜に来たら……君に会えるか……?  やっぱり、ちゃんと助けてもらった礼をしたいから……」

      アンドルーは少しだけマリンブルーの瞳を見てはやはり目を逸らし、「礼は要らないって、言ったろ」とぶっきらぼうに返して海に飛び込んだ。

    「あっ……!  行ってしまった……」

      命の恩人に何も礼が出来ず、ルーカスは肩を落とすけれど、ここに来たらまたアンドルーに会えるような、と……そう、心のどこかで感じた。
      それが、この二人の出会い。
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