誕生日の特別なケーキ ゆらり、ゆらりと揺れる船の中で、エドガーは楽しそうに踊る人々をつまらなさそうに眺める。
巨大な船に夜空に打ち上げられる花火、これらから何かしらインスピレーションを得られるかと足を運んだものの、覗いてみればただのどんちゃん騒ぎだった。
(……馬鹿みたい。飲めもしないのに流されて酒を飲んで酔い潰れてる奴らも、馬鹿みたいに踊ってる奴らも)
とはいえ、ある程度時間が経たなければ居館には戻れないらしく、エドガーはため息をつきながらワイングラスを傾けてワインを飲む。
「ん!」
「ワンッ!」
「……? ビクター、それにウィック?」
ビクターはステーキの皿とチーズプラトーを手にしていて、コトン……とエドガーの前にチーズプラトーを置いた。
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