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    meepoJlo

    @meepoJlo

    呪術の狗🍙棘 夢小説をこそこそ書いています。

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    meepoJlo

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    🔞

    彼の部屋やわらかい遮光カーテンからの日差しに目を覚ます。
    ぼんやり見えた寮の天井はいつものそれだが、何か違和感を感じた。ベッドが硬い…。
    ふわりと感じたその匂いに、はたと気付く。

    ああこれは、自分の部屋じゃない。



    そうだ、昨日。
    狗巻先輩の部屋に遊びに来たんだ。
    それで…。


    隣りからは規則正しい息遣いが聞こえた。
    目をやれば、こちらを向いてまだぐっすりと眠る部屋の主がいた。
    時刻は午前7時を回った所。今日は土曜日だから、急ぐ必要もない。

    唯は身体ごと狗巻先輩の方を向く。布の擦れる音が、静かな室内に響いた。
    ぴりりと、足の付け根辺りが少し痛む。


    狗巻先輩…朝、弱そう。

    サラサラの髪が、ベッドに乱れて広がっている。いつもはネッグウォーマーやマスクで覆われて隠されたその部分。呪印の施された口元は小さく開き、その唇は…。






    何、考えてるんだろ。


    思わず手を伸ばして、狗巻先輩の唇に触れそうになってしまった。

    つい数時間前、何度も何度も触れた唇。
    それは彼女の身体にいくつかの痕を刻んで。

    その舌先で感じた、
    とろけるような甘い時間。




    そのひとつひとつを鮮明に思い出して、一気に顔に熱が昇る。


    目の毒だ…。


    唯は重たい身体をゆっくりと起こす。
    窓の外は晴れ渡り、きっとお出かけ日和だ。




    起きよう。

    目を擦り、何気なく狗巻先輩を振り返ると。
    その綺麗な紫色の瞳と目が合った。

    「…ツナマヨ」

    小さく呟く。
    次の瞬間には狗巻先輩の腕が伸び、唯の腕を思い切り引っ張っていた。
    流石は日頃の授業のお陰で受身を取るが、それでもバランスを崩した身体はベッドに沈み込む。
    そこに狗巻先輩が覆い被さる。
    目の前には、狗巻先輩の顔。

    「しゃけ?」

    何かを聞かれたが、答える前に唇が塞がれた。
    軽く唇に触れるだけのキス。
    ちゅ、と軽い音を立ててすぐに離れていく。
    物言いた気に首を傾げて目を細める狗巻先輩。その顔を知っているのが自分だけなんだと思うと、嬉しくて胸が苦しいくらいにきゅっとなる。

    狗巻先輩が、唯の頬に触れる。男性の、ゴツゴツとした大きな手。かさつく親指でそっと唇を撫でた。
    少しずつ、ゆっくりと、綺麗なその顔が近づいて来る。

    唇に、触れーー






    コンコン、と軽快にドアのノックが聞こえて、びくりと身体が反応する。


    「おはようございます。狗巻先輩、起きてますかー?」

    声の主は、おそらく伏黒くんだ。


    のそのそと身体を起こす狗巻先輩。
    ドアを見るその横顔は、すこぶる不機嫌だ。


    はぁ、と小さくため息を漏らす。
    振り返り、唯を見下ろした。

    「おかかー」

    人差し指を立てて彼女の唇にそっと当て、しゃべるな、と言う事だろう。


    狗巻先輩は気怠そうに立ち上がり、ドアに向かった。




    心臓がまだ煩く鳴っている。
    一晩一緒に過ごしたはずなのに、そのぬくもりが消えて少し寂しい。

    ベッドから身体を起こして、膝を立てて座ると。
    Tシャツから見えた自分の胸元に、その痕が見えて、思わず赤面した。

    立てた両の膝に頭を乗せて、赤くなった顔を隠す。
    聞き耳を立てていると、どうやら狗巻先輩は今から五条先生の所に行くらしい。

    「しゃけ」

    言って扉を閉める音が聞こえた。
    変わらず不服そうに戻って来て、唯を見る。

    「五条先生のとこ行くんだ?」
    「…ツナァ」

    適当に服を引っ張り出して来て手早く着替える。私服な所を見ると、やはり任務ではないらしい。
    最後に黒のマスクをつける。
    そんな不機嫌を隠さずにに五条先生に会いに行けば、ただ揶揄われるだけなんじゃないだろうか…とも思うが、そのまま何も言わずに着替える狗巻先輩をただ見ていた。
    身支度を簡単に整えて、狗巻先輩が唯を見る。


    「いってらっしゃい」

    軽く手を振って呟けば、狗巻先輩は黒のマスクを少しだけずらして、腰を屈めた。
    ベッドに座る唯に目線を合わせて、軽く頬にキスをする。

    「ツナマヨ」

    言ってマスクをつまみ、口元に戻して手を振った。


    ぱたん、と扉が閉まる。

    口付けられた頬が熱を帯びたように感じる。




    ばか。
    ズルい。

















    たまたま朝廊下で出会った五条先生に、狗巻先輩を呼び出すように言われた。面倒臭い。

    自分で行けばいいのに。

    と、思いながら、伏黒は足取りも重くその部屋に辿り着く。

    …まだ起きてる訳ないだろ。

    狗巻先輩、朝苦手そうだし。
    いや…イメージだけど。




    コンコン、と軽くノックする。

    「おはようございます。狗巻先輩、起きてますかー?」




    声に反応して、予想よりも早く室内からは物音が聞こえた。
    ゆっくりと扉を開くと、気怠そうで不機嫌を隠さない狗巻先輩。

    「ツナ」

    寝起き…なのか?

    「五条先生が呼んでます。任務とは言ってませんでしたけど、すぐに来て欲しいそうです」
    「おかか…」

    嫌だと顔に書いてある。

    不意に、その首元に目が行ってしまった。
    普段は口元と一緒に隠れている事が多いその首筋には、見慣れぬ痕があった。虫刺され?

    視線に気付いたのか、狗巻先輩は自分の首筋に触れる。

    虫刺されな訳、ないか。

    「しゃけ」

    言ってやはり不機嫌に、でも微かに笑みを含んで人差し指を自分の口元に当てた。

    そのままぱたん、と扉が閉まる。



    ・・・・・・。

    部屋の前に残された伏黒は、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。

    否、たぶん、そう言う事。
    部屋に誰かいるんだろう。

    唯さんか?


    はぁ、とため息をひとつ。
    やっぱ面倒臭い。


    一応、伝えたから…後は知らない。






    End***







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