糸師凛生誕祭2024「凛、今年の誕生日どうするの?何が欲しい?してほしいことある?」
その問いに凛は、顔を俯かせしばらく黙り込んでしまった。
「なに?言いづらいこと?なんでも聞くよ」
その時の俺は愚かにも、高価な物品とか、照れ屋な凛が普段言えないようなおねだりがその可愛い口から出てくると思っていたんだ。それなのに。
「なんでもいいんだな?」
体感10分以上経過。顔を上げ真っ直ぐ俺の目を見つめて放った言葉で、俺は地獄の底に突き落とされた。
「別れてほしい」
「というわけでさ、今夜泊めてくれない?」
「絶対に嫌だ」
あれから数日後、都内某所の喫茶店。しばらくホテルで過ごしていたが、もういい加減一人でいるのが辛くなってきた。特に今日は凛の誕生日で、この日を楽しく過ごせると思っていたから。なおさら孤独は身に染みる。そんなわけで千切宅にお世話になれないか聞いてみたわけだ。今断られたけど。
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