膝枕ふに、ふに……
ほど良い弾力だった。
手に引かれるまま横向きに寝転がってすぐ頭を置くところとして定めたそれは、ジョーカーの頬を受け止め跳ね返す。反動が強かったのだろう、ぺちんと頬をはたかれハッとしたジョーカーが恐る恐る頬を離し、また近づくとそれは今度はやわくジョーカーを受け止めた。
「なにこれやわらけえええ〜〜……」
声すら頬から下へと吸い取られるかのようだ。体は既に陥落し、顔がだらしなく緩む。
そんなグズグズになったジョーカーを、彼の弟子のハチが得意そうな顔で見下ろしていた。何を隠そう、ジョーカーが枕にしているそれは、ハチのふとももなのだ。
『ハチはいつまで経ってもお子ちゃま体型だなぁ』
ことの始まりは、ジョーカーのそんな心ない一言だった。
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