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    eikokurobin

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    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/ハロパロ/ショタおに

    #轟爆
    bombardment

    俺のお嫁さんになって 陽がすっかり落ちた頃、棺桶を抜け出して森に出かける。目的はカツキ、美しい人狼をデートに誘うべく俺は今夜も念入りに支度しプレゼントを片手に家に忍び込む。

    『カツキ、今夜も口説きにきたぞ』

    『不法侵入すンなって言ったろ?せめてドアから入れやマセガキ』

    真っ白なエプロン、コトコトと音を立てる鍋、手には名前を知らない調理器具。愛しいカツキは丁度料理をしていたようだ。今夜の晩飯はなんだろう、普段は人間の食べ物を食べないから名前は解らねえが美味いのは間違いない。何しろカツキは料理の天才なのだ、

    『ポトフだ、肉はウサギ、ガーリックは入れてねェ』

    おお美味い。マジでカツキは天才だな、カツキの血の次に美味い、

    『俺の血ィ飲んだことあるみてェな言い方すンな、そのお子様キバじゃ精々煮込んだ肉しか食いちぎれねェだろーが』

    うぅ、確かに今の俺にはこのよく煮込まれたウサギくらいが丁度いいけど、あと数年したら大きくなって、立派に生え揃った牙でカツキの首筋にカッコよく噛み付いてみせるからな、

    『普通は獲物にそーいうことペラペラ言わねーぞ?』

    もう!カツキは獲物じゃねえ、俺の未来の花嫁だって何度も言ってるだろ。そうだ、今日はカツキにプレゼントを持ってきたんだ、姉さんに分けてもらった薔薇のジャム、薔薇はカツキの紅い瞳に1番近い色を選んだんだ。【立派な吸血鬼になるための教本】にも花嫁を得るのに大切なのは餌付けだって書いてあった!

    『餌付けねェ、どっちが餌付けされてンだか』

    なんか言ったか?俺の口元をナフキンで拭きながら何も言ってねェって笑うカツキはやっぱり美人だ、ああこの綺麗な人をどうにかして自分のものにする為に今夜も俺は策を練ってきたんだった、

    『薔薇には【さいいんこーか】があるんだって、吸血鬼は皆んなプロポーズする時薔薇をプレゼントするんだ、なあカツキ、このジャム食ってみろよ』

    痛ってぇ、鼻を指で弾くの禁止だ!

    +++

    今日も今日とてカツキを口説きに薔薇を片手に森を駆け抜ける。いたいた、屋外にいてもカツキは甘い匂いがする…って、

    『カツキ!』

    肩と腹から血を流している!慌てて抱き起こすが随分と冷たくなっていてまるで死人のよう。死ぬのは困る、だって吸血鬼にとって死人の血は禁忌。俺がカツキの血を飲めなくなったら一体どうやって血の交換を、結婚式をしたら良いんだ?

    『カツキ、しっかりしろ、痛えのか?』

    これ程の大量出血をしてもまだ息があるのは流石人狼と言うべきか。殆ど虫の息のカツキに今俺の血を流し込めばきっとカツキは俺の眷属になるだろう。でも、

    (俺が欲しいのは花嫁だ、俺の言いなりになる家来じゃねえ)

    互いに血を交わし合ってこそ本当の結婚式が成立するというもの。だったら今は血の代わりを飲ませればいい、例えば俺の唾液とかを。地面に伏せたカツキの身体を起こして抱き込む。おお、この間と比べてカツキが小さい。これはカツキが小さくなったのではなく俺が大きくなったからだ、

    『もうクソガキじゃねえからキスしてもいいよな?』

    幾度となく求めては断られてきたファーストキスを今ここでカツキに捧げる。きっとカツキも初めてだ、だってカツキからは処女の匂いがするから。救命行為のはずのキスは想像よりずっとヨくて、俺はドンドン気持ち良くなってズボンの前が張り詰めていくのを自覚する。こんな時に良くねえって解っているけど、死を知らぬ吸血鬼にはそういう倫理観は持ち合わせていねえ、

    『ああカツキ、カツキが目を覚ましたらカツキの中に俺のを入れてえ』

    するとそれまでダラリと垂れていたカツキの腕が持ち上がり、俺のチンコをキュっと掴んで、まだ早ェ、もっとデカくなるまで1人でシコってろって言うから、俺はカツキの手の上に俺の手を重ねて俺のモノを扱いてみる。確かにこれも気持ちいい、解った、俺がカツキと同じ位の大きさになるまではカツキの手で我慢する。だから早く元気になれ、

    『ったく、催淫作用持ちのクセしてテメェが誑し込まれてンじゃザマねェなァ』

    うう、ちくしょう今に見てろ、すぐに吸血鬼らしくスゲェカッコ良くなってカツキを夢中にさせてやるから。

    +++

    『ンで、今日は一体何のつもりできやがった?』

    ほんのガキの頃からちょくちょくやってきては俺を嫁にすると言い張るクソガキも、数十年を経てようやく一丁前に見られる姿にはなったらしい。白いスーツに薔薇の花束、手に持っているのはチョコレートだろう。全く、こいつの知識は全部淑女を落とす方法ときたもんだ、もしも俺が吸血鬼学校の教師になったらもっとマトモな吸血鬼道を教えてやるのに…

    (いや、マトモな吸血鬼なんてお目にかかったことなかったわ)

    それ以前にマトモな人狼にも。恐らく俺達はマトモから外れた者同士、だったら2人で生きていくのも悪かねェか。人狼はもう居ねェ、俺が死んだら人狼はこの世から居なくなるが、コイツと血の交換をすれば永遠を手に入れる。別に長生きしてェわけじゃねェ、ただの感傷だ、ルーツを終わらせたくねェってだけのー

    カツキ、と呼ばれて顔を上げると、ひんやりとしたキスが降ってきた。あの日キスを通して流し込まれた唾液で命拾いしてからというもの、この吸血鬼ときたらキスばかりしやがる。

    『コレが最後の餌付けだ』

    何だよその意味深な言い方?コレ食ったら俺を喰い殺す気か、上等だ、ここに来るたび色々策を練ってきたみてェだけど、毎回策に溺れてたもンなァ、今夜が1番マトモじゃねェか。そう揶揄しながらチョコレートを口に含むとガリッと何かに牙が当たる。何混ぜやがった?指で摘んで取り出したそれは、

    『指輪?』

    『結婚指輪だ。さあカツキ、お前も白い衣装に着替えるぞ』

    ハァ?今すぐ?待てや俺はガキは相手にしねェって…!

    『待てって、ショート』

    『やっと名前を呼んでくれたな、そうだ、俺はもうガキじゃねェ。カツキより背丈もデカくなった、ちゃんとセックスの仕方も勉強してきたんだ。だからカツキ、今宵はー』


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