侵入者 爆豪、マジで眠たそうだな、と思ったその数分後、本当に眠り出した爆豪が誰かに凭れ掛かる前にさり気なくソファの隣に座り、軽く俺の方に引き寄せる。その日の仮免補講は空中戦を想定した訓練で、飛ぶ手段を持たない俺はかなり爆豪にサポートしてもらった、
だからだろう、帰寮後一緒に風呂に入った時から爆豪は無口、普段の悪態もないまま晩飯を食べ、俺は半分目を閉じた爆豪も可愛いなとか、意外と食べる仕草が綺麗だなとか、色々と新しい発見をしてドキドキする。これが女子が言う可愛いって奴だろうか、そして可愛いものを見ると、人はこんなにもドキドキするのか。
そう微笑ましく思っていたのに、トレンディドラマとやらが始まるからとリビングにクラスメートが集まりだすと、また別の感情が湧いてくる。焦るようなこの感覚、これは焦燥という奴で、なぜこんなにソワソワしているのかを自己分析した結果、今度はこの可愛い爆豪を誰にも取られたくないのだという結論に達する。
2476