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    eikokurobin

    @eikokurobin

    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/プロヒ1年目

    #轟爆
    bombardment

    好きと好き プロヒーローになって2ヶ月が過ぎた頃、現場で轟と遭遇した。そのまま共闘してヴィランを倒し報告書を作成し、じゃあなと別れようとした所で、

    『爆豪に頼みがあるんだ』

     嫌だという前に手を掴まれ助けて欲しいと困り眉で懇願されたら無碍にも出来ずどうしたのか聞く羽目になる。果たしてその頼みというのは、

    『俺と付き合っていることにしてくれ』

     ハアァ?突然藪から棒に何を言い出すんだ、少なくとも経緯を説明しろやと締め上げると、

    『プロヒーローになってから女の人に告白されて困ってるんだ。断るのも心苦しいが引き受けるわけにもいかねえ、だからいっそ相手を作っちまえばいいだろうと思ったんだ』

     そう言って物凄い名案を思いついたみたいな顔する轟に一体何処から突っ込んだらいいのか?なるほど動機は解ったとして何で男の俺なんだと聞くと、爆豪のことが好きだからだと返ってくる。ああコイツは知り合い枠と友達枠との区別が付かないだけでなく恋人枠も一緒くたなのか。

    『最近抱きつかれたんだ、マジで困ってるんだ俺を助けてくれ、なぁ爆豪』

     テメェにとっては友達に協力して欲しい位の感覚だろうがこちとらテメェに片想い拗らせ中の身だ、そう簡単に安請け合いは出来ない、だから俺はこう言った。

    『つまりはテメェのボディガードをしろってことか、だったらちゃんと依頼しろや。依頼なら考えてやらんこともねェ』

    +++

     ボディガードとは違うと思ったけれど、この際爆豪を繋ぎ止められるなら何でもよかった。何しろ相手は爆豪なのだ、好きだと正面から言ってもきっと受け取ってくれねえ、それは学生時代に経験済みだ。それに告白女についてはマジで身の危険を感じている、そのうち抱いてくれと言って服でも脱ぎ出すんじゃねえかと危惧しているこの頃だ。

    『まずはツーショットを撮らせてくれ、デスクに飾るから』

     告白女って同じ事務所にいんのかと聞かれ頷くと溜め息をつかれたが、その後無言でスマホを取り出すところが頼もしい。暴言とは裏腹に爆豪は俺のお願いを無碍にしたことは一度もない、それは俺だけじゃなくクラスの奴らにも該当してしまうかもしれないが、それでも俺は嬉しかった、

     そしてその面倒見の良さはクラスメートじゃなくなっても健在のようだ。もう少し仲良く見えるショットが欲しいと何度か撮り直して、殆ど頬が引っ付きそうなくらい近い写真が撮れ、早速プリントしてデスクに置く。

     正直こんなもので告白女を退けられるとは思っちゃいねえ、大切なのは【俺と爆豪が付き合っている】という共通認識だ。真面目な爆豪はそのことを問いただされれば嫌々ながらもそうだと答えるだろう、そうすれば周囲から地固めされていく。あとは今度こそ俺の好きを爆豪に解って貰うだけだ。そう思っていたのに、

    『テメェは畳でねェと眠れねェンか?』

     眠れねェなら俺ン家に来い、ボディガードするなら徹底してガードし殺したる、1週間でかたをつけるぞと言う爆豪を前に俺は一体どうしたらいいのか、

    『いきなり同棲しちまうなんて大胆だな』

     ちんたらやってたら恋人ごっこだってバレちまうだろう?

    『ああそうだな、確かに時間を掛ければ惰性になってしまうかもしれねえ』

     1週間でカタをつける、それは1週間以内に爆豪に俺の好きが本気だと解らせなくてはならないということ。解らせるってどうやって?俺のこんな無茶な願いを聞いてくれるからには爆豪には今現在恋人がいないだろうし、意中の人もいないってことだろう。いっそ押し倒したら良いんだろうか、そう思いながら同じ空間の中で寛いでいる爆豪を眺めていたら、

    (ヤベェ)

     マジで触りてえ、仮免補講の頃2人きりだった頃に触れた記憶のまま止まっちまっているソレは今でも柔らかいのだろうか、触れるとすぐにピンク色に染まり甘い匂いを放ち出した頬は、頸は、胸元はー

    『爆豪、好きだ』

    『まァたそーいうこと言う、テメェの悪いクセだわ』

    クセじゃねえ、爆豪だけが好きだ、

    『これも恋人ごっこの一環か?』

     違う、そもそもボディガードはダシだ。告白女に困っているのは本当だが、それよりもお前に近づくチャンスが欲しかった。だってお前は俺の本気を受け取ってくれねえだろ、それはどうしてなんだ?何でいつもはぐらかすんだ?もう友達と好きなヤツを一緒にしねえ、爆豪は特別なんだ、なあ、何で俺を受け入れてくれねえんだ?

     気がつくと爆豪をソファーに押し倒し馬乗りになっていたが、コレで逃すことはない。答えろと体重を掛けると重ェと言って身を捩り、顔を隠そうとする手を剥ぎ取るとそこにはピンクに染まった涙目顔、

    『見ンな』

    『何でか言わねえと解放してやれねえ、俺は本気だぞ』

     ああ、こんな状況でチンコが立ってしまっているの、この体勢だとモロバレだけど構うものか、ぐりぐりと押し付けてやると爆豪は深い溜め息を付いてからようやく言葉を吐き出した、

    『俺はテメェと違って自分の好意の色をガキン頃から見分けられる。だからテメェを好きになったのもすぐに解った、そしてテメェが俺に何の関心もねェってことも。うっかりテメェと一緒に仮免に落ちたが為に一緒に行動するようになってしまった。そこでテメェのお友達枠にはなったがそんなんじゃ俺の好きには到底足りねェ、テメェバスん中で俺の寝顔見とっただろ、俺がもしもテメェなら迷わず触れとるわ、好きって衝動はそーいうもんだ、でもテメェはただ眺めるだけ、

    だから俺は告白を流した。

     何でかって?そんなことまで言わせるなんてテメェマジで鈍いな、俺は一度好きになったら曲がることが出来ねェ、テメェを好きになったことももう曲がらねェんだ、どんなに切り替えようとしたって無駄だ、だから俺はテメェの好きが俺の好きと釣り合うまではテメェを却下してきた、

     で、俺の心情を聞いた今、さっきのテメェの言葉はグラついたか?重いヤツだと思うなら今すぐ出てけ、引き続きボディガードはやってやるから』

     何だこれは、勘弁してくれ、数年来の片想いはまさかの両想いだったなんて、俺の好きはお前の好きに追い付いてもう追い越したと言うとテキトー言うなって睨まれたから、今から俺の好きを嫌と言うほど教えてやるぞと爆豪の唇に俺の唇を重ね、

     ふと思い出して耳元に囁く。

    『お前は俺がバスの中で何もしなかったと、手を出さなかったと思っているようだけれど、既にキスはしちまったんだ。眠るお前が可愛過ぎて、気がついたらキスしてたの言いそびれてたけどやっと言えた。多分お前が思っているよりずっと俺はお前のこと好きだぞ、なぁ勝己』

     みるみるうちに真っ赤になって泣き出してしまった可愛い恋人を相手に加減なんて出来そうにねぇけど、加減なしの方がきっと伝わるのだろう、だから勝己、俺の好きを全部収めてくれ。


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    eikokurobin

    DONE轟爆/雄英2年生
    無自覚でいさせて 朝、ハイツアライアンスのリビングに降りていくと半袖の者がチラホラ目に入った。すぐに6月に入り衣替えが許可されたのだと気が付き、ならば自分も半袖にすれば良かったとチラリと思うが、今から着替えに戻るのも面倒くさいし何よりなるべく早く学校に行きたい。今日のところは自前の個性で蒸し暑さを凌ぐとして足を急がせ、教室に入り目当てを探すと、

    いた。色彩の淡いのがひとり、椅子に座り耳にワイヤレスイヤホンを入れて何かを聴いている。それは、いつも誰より早く登校する、俺の爆豪。

    耳を封じたからといって他人の気配を気にしない男ではないが、そっと足音を忍ばせて近づきわざと耳元でおはようと囁くと、早速距離が近ぇと睨まれる。誰もまだきていない教室に2人きり、しかも恋人の関係でそんなことをいうなんて酷くねェか?と、ちっとも酷いだなんて思っていない口で言いながら唇に唇を寄せると、キスの代わりに鼻の頭を齧られそうになる。おはようのキスひとつ素直にさせてくれないなんて、本当に懐かない猫のような恋人だが、そこがまた可愛いと思ってしまう辺り、自分も中々に重症だと思う。まもなくほかの奴らも登校してくるだろう、それまでのほんの数分だけでも爆豪を眺めていたくて、ひとつ前の席を拝借して向かい合わせに座った所で、
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    氷華(ヒョウカ)

    DONE轟爆ワンドロのお題「触れる」でハロパロ轟爆おにしょた。【熱に触れる】



    ふっ、と右腕に何かが触れた。

    途端、男の集中力が途切れる。文字を追っていた意識を膝上の紙面から引き剥がして、焦凍は軽く瞬いた。
    秀麗な面差しを彩る長い睫毛が、読書に没頭していた余韻を払拭するように、一度、二度、空気を奮わせる。次いで、読書を中断させた要因を探すべく、紅白に分かれた髪の合間から、オッドアイの視線を動かした。
    目線を流した先、ぱたん、ぱたん、と金糸雀色の尻尾を揺らしながら、画集に夢中になっている幼子の姿が目に入る。
    豪奢なソファの上。男の右側から拳ひとつ分の距離を開けた座面に深く腰かけながら、半年程前に拾い上げた人狼の子供が、一心不乱に色鮮やかな挿絵を眺めていた。
    紅玉の瞳が、画集の中で展開される見知らぬ光景を前に、キラキラと鉱石のように輝いている。滴る血潮よりも尚、吸血の渇きを誘発するその瞳に、すうっとオッドアイを眇めながら、だが焦凍は手を伸ばすことなく、静かに幼子の姿を見守るに留めた。
    ツンツンと跳ねる尾と同様の髪色の合間からは、黒褐色の獣耳が覗き、書物への好奇心を示すように、元気よくピンと前向きに立っている。尻尾は、恐らく内心の興奮が無意識に発 2521