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    eikokurobin

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    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/Dom/Subユニバース/現パロ高校1年生

    #轟爆
    bombardment

    これ以上なく 最初に自分のSub性に気が付いたのは中学生の時。クラスメートと彷徨いていたショッピングモールで、痴漢にあったのがキッカケだった。

    正直痴漢自体はもっとガキの頃から幾度もあってきた。それこそそういう意味合いを含んでいると解らない頃から何故か性欲の対象にされ始め、かなり早めの性教育を受けて身を守る術を教え込まれ、用心するようになってからも度々そういうことはあったけれど、

    その時はそれまでと様子が全然違った。トイレですれ違った男に突然『見せろ』と言われたのだ。痴漢ってのは普通正面からは来ないものだ、だから相手の意図がわからず黙っていると服を脱ぐように言われて、ああそういうことをしたいのかと呆れ個室に連れ込まれる前に護身用に持たされているスタンガンをかませてやろうと思ったのに、俺の手は意思に反して服を脱ぎ始めた。

    (なんで、どうして?)
    ろくに抵抗できないまま個室に連れ込まれ『presentって言うんだ』と言いながら下着を脱ぎ落とすことを命じられた時は絶望みたいな気分になったけれど、俺の姿が見えないことを心配して探しにきたダチに間一髪助けられ、Domだという痴漢は警察に捕まり、俺は俺のSub性について専門の病院で告知を受けた。

    『君のダイナミクスにおけるSubとしてのホルモン値は桁違いの数値だ、それはSubの中でもかなり強い性質を持っていることを示す』とも。家に帰ってからSubの特徴を調べまくり、自分の気質には何一つ当てはまらないと判断し第二の性別なんて全く当てにならないものだと思った。

    +++

    『爆豪勝己って高嶺の花だよな、Subのくせに』


    高校に入学して3ヶ月、流行りの話題に疎い俺の耳にも入ってきたその噂話の主役、ばくごうかつきというのは紛れもなく同じクラスの爆豪のことだろう。だがどうして、そんなプライベートかつセンシティブなことが出回っているのか、少なからず悪意を感じる噂話に顔を顰めつつも、何となく彼がそういう言われようをしてしまう理由も解る。確かに爆豪は孤高の人だ。燃えるように紅い眼光は常に鋭く、暴言とも取れる強い言葉で人を寄せ付けない。スペックは恐ろしく高いのにクラスには非協力的、そういう意味では確かに高値の花だろうが、Subのくせに、というのが気になる。

    おおよそ爆豪はSubっぽくない、どちらかというと生粋のDomのような雰囲気と立ち居振る舞いが前面に出ている奴と思うが、それでも彼がSubだというなら気を付けようと思っていた、

    何故なら自分はDomだから。

    それも親譲りの、桁違いのホルモン値を示す強いDomらしい。具体的に何がどう強いのかはよく解らないがDomの悪い特徴だけを集めたような威圧的な父親を思い浮かべれば嫌でも自分に備わった性質が想像がついてしまう。幸い人口に対してDomの数は少なくSubに至ってはもっと少ないため、今まで大してダイナミクスに引っ張られる体験をしないで済んできたがここにきて同じクラスにSubがいるなんて。気を引き締めなくてはと思いながら、もう一方の心が騒ついてしまうのは、きっと爆豪勝己があまりにも鮮烈だからだろう。激しそうな性格と美人と可愛いの両方を備えた容姿を見るたびに心が跳ねる、

    (多分、こういうのを一目惚れって言うんだよな)

    ダイナミクスに関係なく、俺は爆豪に惹かれていた。

    +++

    有名進学校に入学してみて解ったのはやたらDomがいることだ。ダイナミクスに配慮して未来の選択肢を狭めることは嫌だったので、自分の学力に合う学校に入った結果だが、

    『かっちゃん、マジでモテるなー』

    『モテてねーわ、ダイナミクスを手近なところで満たそうっていう安上がりなDomが寄ってくるだけだわ』

    いや、まず君は鏡を見てみましょうね、ダイナミクスは関係ないと思うよ!って言われても、だったら何で男ばっかり言い寄ってくるのかを説明して貰いたい。つーか、俺の弁当箱からおかず盗むなっつーの。

    『君女子にも容赦ないからさ、そんなおっかない顔してハードル上げてるから可愛い女の子は散っちゃって、如何にもっていうDomが寄ってくるんでしょ、ほら、気の強い子ほど征服したい、みたいな』

    ハァァ俺が征服されてたまるかよ、と言おうとした所で誰かの気配を感じて口を噤む。ここは学校の敷地内だが、学校だからといって油断は出来ない。第三者のいる前で痴漢はないだろうけれど、コマンドを言われたらちょっと厄介なことになりそうだし、それに、

    この気配はDomのものだ、それも強い、こんな強い気配を持っているのはこの雄英でもほんの数人、

    『爆豪』

    ほら、やっぱり。同じクラスの轟焦凍が背後に突っ立っている。

    『轟、どったの?』

    誰にでも気さくに話しかけるヤツが話題を広げる前にこの場を立ち去りたい、なのに轟は俺の名を呼び、顔をみて何かいいたげな顔をする。何だ?とは聞かない方がいいだろう、何故なら俺はー

    何というか、俺の脳はコイツの顔を好ましいと判断する、それを俗っぽい言葉で言うなら一目惚れ、でもコイツはDomで、俺はSubだ。封じ込めたSubを引き摺り出しうるDomとの接触は避けるべきだ。

    『好きなんだ』

    は?いきなり何を、

    『だから、俺にもその卵焼き分けてくれねぇか?』

    理想の顔した男は何だかとても残念な一面を持っているのだと知ってうず高く築いたガードの垣根が少し崩れたらしい。どーぞとひとつ差し出すとそれはそれは嬉しそうな顔をしたから、またガラリと垣根が崩れかけた。

    +++

    殆ど初対面なのに好きだ、なんて我ながらよく言えたと思う。勢いをくれたのはおそらく嫉妬心だ、同じクラスの男子が爆豪と距離を近くしているだけでもずっと気に食わなかったのに、弁当を分けてもらっている所を見たらもう我慢ができなかった。それがDomの持つ独占欲なのかは解らないけど、俺だって爆豪のことが好きなんだ、そう告った翌日、

    『テメェ本当に語彙力ねェな』

    そう言いながら爆豪は、俺の顔が好きだと言った。顔以外は?と訊くと努力しやがれと言うから大きく頷いた。何という奇跡だろう、お互いに一目惚れで、お付き合いしてみることになるなんて。唯一の問題はダイナミクスで、俺は自分のDom性に否定的だったし、爆豪はそれ以前に人に対する恐怖心を持っていた。だから俺達は話し合って、いずれは向き合うことになるとして、必要になるまでは自分達のダイナミクスには触れないでいこうと決めた、

    なのに、

    夏を過ぎた頃から最近どうにも胸が重苦しくて仕方がない。病院で相談したらプレイを勧められ、そういう年齢になったのだと告げられた。自分の中の征服欲、しかも加虐心を伴うものを満たすためにはある程度Subと触れ合わなければならない。そんなの爆豪以外とは嫌だ、でも爆豪はプレイを望まない、

    (…プレイが必要になるのはDomだけじゃねえ、Subにとっても必要だ。じゃあ爆豪はどうなんだろう?)

    思い切って打ち明けると、同じように病院でプレイを勧められた所だという。だったら俺と、俺と爆豪とでプレイをしてみたら、もしもそれでお互いに満たされるならという考えが頭を過り打ち明けると、同じことを思っていたと爆豪も言った。

    『いつまでも逃げてられねーし、プレイは置いておいて、轟とどうにかなりてェのは確かだし。ダイナミクスに呑まれるのを避けるためにまだキスもしたことねェの、いい加減ダセェって思ってたンだ、それに客観的にみたら俺達は理想の恋人同志ってヤツだろ?ホルモンの数値が桁外れな所まで一緒なんて、地球上探してもそうないことだって医者が言ってたぜ』

    確かにそうなのだ、爆豪とは。あまり信じていないけれど、神様の御導きってヤツかと思うくらいには何もかもピッタリなのだ。

    俺達は高いに初めてのプレイをしようとセーフワードも決めて向かい合い、改めて爆豪を前にすると、命令したくて仕方ないことに気がつく。ずっと抑えてきた、押さえ込んで生きていくと思っていた衝動は想像以上に強く、爆豪の一挙一動を全て支配下におきたくて仕方なくて、こんな暴れ回るような衝動に囚われてもいいのだろうかと爆豪の瞳を覗き込むと、爆豪もまた内なる衝動に震えながら、

    『命令されてェ、とどろきになら』

    と潤んだ瞳で言うからチンコが立った。ヤベェ今チンコは関係ないのに、爆豪は性的なトラウマがあるのに。爆豪にフラれたくなくて泣きそうな顔をしていると、俺も立ってるって打ち明けてくれたからホッとし、そうして初めてしたプレイと、コマンドにのせたキスは凄く凄く良くて、俺達はしばらく放心状態になり、サブスペースに入りすっかり脱力して座っていることも出来なくなった爆豪を背後から抱き締めながら、神様みたいな何かに感謝をした。

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    eikokurobin

    DONE轟爆/雄英2年生
    無自覚でいさせて 朝、ハイツアライアンスのリビングに降りていくと半袖の者がチラホラ目に入った。すぐに6月に入り衣替えが許可されたのだと気が付き、ならば自分も半袖にすれば良かったとチラリと思うが、今から着替えに戻るのも面倒くさいし何よりなるべく早く学校に行きたい。今日のところは自前の個性で蒸し暑さを凌ぐとして足を急がせ、教室に入り目当てを探すと、

    いた。色彩の淡いのがひとり、椅子に座り耳にワイヤレスイヤホンを入れて何かを聴いている。それは、いつも誰より早く登校する、俺の爆豪。

    耳を封じたからといって他人の気配を気にしない男ではないが、そっと足音を忍ばせて近づきわざと耳元でおはようと囁くと、早速距離が近ぇと睨まれる。誰もまだきていない教室に2人きり、しかも恋人の関係でそんなことをいうなんて酷くねェか?と、ちっとも酷いだなんて思っていない口で言いながら唇に唇を寄せると、キスの代わりに鼻の頭を齧られそうになる。おはようのキスひとつ素直にさせてくれないなんて、本当に懐かない猫のような恋人だが、そこがまた可愛いと思ってしまう辺り、自分も中々に重症だと思う。まもなくほかの奴らも登校してくるだろう、それまでのほんの数分だけでも爆豪を眺めていたくて、ひとつ前の席を拝借して向かい合わせに座った所で、
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